衣袋教授の新・Googleアナリティクス入門講座

Google Analyticsの新規アカウント作成やプロパティ名とは[第1回]

Googleアナリティクスのアカウント新規作成・登録の手順! プロパティ名とは? アカウント名やWebサイト名の設定って? 今回はアクセス解析の第一歩として、GoogleアカウントにログインしてGA(グーグルアナリティクス)に申し込み、Webサイトの情報を入力するまでの流れをわかりやすく解説。二つ目以降の複数アカウントの追加方法も紹介します。

本連載では、新しいユニバーサルアナリティクスをベースにした入門講座を更新していく。第1回は、すべての第一歩である「Googleアナリティクスの新規アカウント作成」について解説する

この記事で学べること:
  • Googleアナリティクスの新規アカウントを作成する
  • アカウント名やWebサイト名を設定する

本題に入る前に、今回の連載について少し触れておこう。過去に連載していた「衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座」は、さかのぼること4年前の2012年4月5日が第1回だった。それから4年を経て、当時とは事情も変わってきている。

当時はまだGoogleアナリティクスの有料版であるプレミアムも日本では提供されておらず、無償版の正式なサポートもなく、まだまだ公式ヘルプや開発者向けサイトに掲載されている情報が質・量ともに足りない状況だった。

そのころと比べると、今は公式情報が質・量ともに充実していることは間違いない。現在は筆者もまずは公式の情報源にあたることから始めている。主な情報源は、次のリンクだ。公式ブログは英語と日本語の両方があるが、日本語版は記事の掲載が遅れることもある。早さと正確さなら、英語版がおすすめだ。

とはいえ、これらの公式情報サイトではまだまだ細かいニュアンスが把握できず、あいまいな表現もあるので、初心者が取っつきにくい状況はそれほど変わっていないと思える。そうした状況も踏まえて、この連載では、そうしたつまずきやすい部分、誤解しがちな部分をていねいに説明し、初心者でもしっかり理解できるようにしていきたいと考えている

それでは、新規アカウントの作成について解説していこう。

事前にGoogleアカウントを準備しておく

Googleアナリティクスの新規アカウントを作成するには、「Googleアカウント」でログインする必要がある。あらかじめGoogleアカウントを取得しておこう。少しややこしいが、この2つのアカウントは別物だ

図1:GoogleアカウントとGooglaアナリティクスアカウントの関係
図1:GoogleアカウントとGooglaアナリティクスアカウントの関係

すでにGmailやGoogleカレンダーなどのGoogleサービスを使っているなら、そのときログインに使っているのがGoogleアカウントだ。そのログイン用のメールアドレスとパスワードを使って、Googleアナリティクスの新規アカウントを作成していく。

Googleアカウントを持っていない場合は、無料で簡単に作成できるので新規作成しておこう。ここで詳しくは触れないが、次のリンクをクリックして必要項目を入力すればGoogleアカウントを作成できる。

Googleアナリティクスのアカウント作成を開始する

Googleアカウントを用意できたら、Googleアナリティクス公式サイトをブラウザで表示する(図2)。

図2:Googleアナリティクス公式サイト
図2:Googleアナリティクス公式サイト

表示したら、右上の「ログイン」のリンク(図2赤枠部分)をクリックする。Googleアカウントのログイン画面が表示される。Googleアカウントに登録しているメールアドレス(図3)とパスワード(図4)を入力しよう。

図3:Googleアカウントの入力画面
図3:Googleアカウントの入力画面
図4:パスワード入力画面
図4:パスワード入力画面

ログインが完了すると、アナリティクスの申し込み画面が表示される(図5)。なお、他のGoogleのサービスにすでにログインしている状態なら、ログイン手順が省略されて直接申し込み画面が表示される。

図5:Googleアナリティクス申し込み画面
図5:Googleアナリティクス申し込み画面

Googleアナリティクスのアカウントの作成は、ほんの数分で完了する。まずは「お申し込み」ボタン(図5赤枠部分)をクリックしよう。

「新しいアカウント」画面でWebサイトの情報を入力する

Googleアナリティクスの「新しいアカウント作成画面」が表示されたら、アクセス解析を行うWebサイトの情報を入力する。項目が多いので、上部、中央部、下部に分けて解説していく。

上部: アカウント名やWebサイト名を入力する

  1. 「トラッキングの対象」は「ウェブサイト」を選択(図6赤枠部分)
  2. 「アカウント名」に会社名などわかりやすい名前を入力(図6青枠部分)
  3. 「ウェブサイト名」にWebサイト名などわかりやすい名前を入力(図6緑枠部分)
図6:Googleアナリティクスの新しいアカウント作成画面
図6:Googleアナリティクスの新しいアカウント作成画面(上部)

①「トラッキングの対象」は、本連載では基本的にWebサイトを計測することを前提とするので、「モバイルアプリ」ではなく「ウェブサイト」を選択する(図6赤枠部分)。

②「アカウント名」(図6青枠部分)と③「ウェブサイト名」(図6緑枠部分)は、わかりやすい名前を付けよう。一般的には、「アカウント名」は会社名、「ウェブサイト名」は各サイトの名称にすることが多い。この場合は、1つのGoogleアナリティクスのアカウントにコーポレートサイト、ブランドサイト、ブログ、販売サイトなど複数のWebサイトがぶら下がる構造になる。

ただし、1つのGoogleアナリティクスアカウントには50個のWebサイト(プロパティ)までしか追加できないという制限がある。そのため、大企業で何十個もWebサイトがある場合などは、1つのGoogleアナリティクスアカウントに1つのWebサイトをぶら下げる構造にすることもある。

ここはさまざまな設計が考えられ、正解があるわけではない。プロパティについては次回以降の連載で解説するが、先に知りたい人は予習として前回連載時の記事を参考にしてほしい。

中央部: WebサイトのURLやタイムゾーンを設定する

続きの項目も入力していこう。

  1. 「ウェブサイトのURL」はWebサイトのホスト名部分を入力(図7黒枠部分)
  2. 「業種」は適当なものを選択(図7茶枠部分)
  3. 「レポートのタイムゾーン」は「日本」を選択(図7紫枠部分)
図7:Googleアナリティクスの新しいアカウント作成画面(下部)
図7:Googleアナリティクスの新しいアカウント作成画面(下部)

④「ウェブサイトのURL」(図7黒枠部分)は、Webサイトのホスト名部分を入力しよう。ここの記述は、レポート内でページ名のリンク先のホスト名情報として利用される。

少し補足しておこう。たとえばここで「https」「www.example.com」と記述すると、レポートで表示される「ページ」名が「/abc/index.html」の場合、リンク先のURLは「https://www.example.com/abc/index.html」となる。つまり、リンク先のURLを生成するときに「プロトコル+ホスト名+ページ名」の情報として利用される。その他にも「ページ解析」レポートで実際の画面を読み込むためのURL生成にも利用されている。

そのため、httpsとhttpのページが混在している場合や、ドメインをまたがって複数のサイトを計測するような場合には、レポートでリンク先表示をクリックしても404エラーとなってしまうことがある。これは、そういう仕様なので仕方がない。このような場合は、どれか1つの「プロトコル+ホスト名」を代表として記述するものと考えてほしい。

⑤「業種」(図7茶枠部分)は、あとでWebサイトの「目標」を設定する際のテンプレートに影響する。ここは、選択肢から自社の業種に近いと思われるものを選択すればよい。

⑥「レポートのタイムゾーン」は、Webサイトの利用者がほとんど日本国内からであれば、「日本」を選択しよう。

※⑤の記述を2017年1月24日に一部修正しました。

下部: データの共有設定を確認する

その下は「データ共有設定」(図8赤枠部分)の確認項目だ。標準では4つすべてにチェックが付いている(図8青枠部分)。

図8:データ共有設定
図8:データ共有設定

⑦の2つ目にある「ベンチマーク」のチェックを外すと、[ユーザー]>[ベンチマーク]レポートが利用できなくなる。ベンチマークとは、自社の各種データと同業他社のサイトの平均値を比較できる機能だ。同業他社といっても、オンにしたからといって社名やサイト名が公開されるわけではないので安心してほしい。

その他の3つの項目は、オンとオフでレポートの表示に影響はない。グーグルにデータを見せても問題ないかどうかという内容だ。個人ブログのような場合は、特に気にする必要もないので、特別な理由がなければ通常はオンでよいだろう。一方、大企業のサイトで細かい承認が必要になるのであれば、すべてオフにしておけばよい。

確認が終わったら、一番下の⑧「トラッキングIDを取得」(図8緑枠部分)をクリックする。

サービス利用規約に同意すればアカウント作成は完了

利用規約の画面(図9)がポップアップで表示されるので、左上のプルダウンメニューで「日本」を選択して(図9赤枠部分)利用規約を読み、内容に問題がなければ「同意する」ボタン(図9青枠部分)をクリックする。

図9:利用規約の確認
図9:利用規約の確認

これで、Googleアナリティクスの新規アカウント作成は完了だ。

アカウントの作成が完了すると、自動的にアナリティクス設定(図10赤枠部分)のトラッキングコードの画面(図10青枠部分)が表示される。これでGoogleアナリティクスのアカウントが1つ、その中にプロパティが1つ作成されたことになる

図10:トラッキングコード
図10:トラッキングコード

図6で入力した「アカウント名」と「ウェブサイト名」が左上の部分に「アカウント名 / ウェブサイト名」のように表示されているのがわかるだろう(図10緑枠部分)。また、その下の「プロパティ」(図10黒枠部分)は「ウェブサイト名」として記入したものが利用されている。

「プロパティ」とはWebサイト計測の1つの単位で、それぞれに固有のトラッキングID(図10茶枠部分)という番号が割り振られる。このトラッキングコードを利用してWebサイトを計測する準備をするのだが、それは次回解説することにしよう。

次回は、トラッキングコードをサイトへ実装して、実際に利用行動データを収集するところまで解説する。

2つ目以降のGoogleアナリティクスアカウントを作成する場合は?

すでにGoogleアナリティクスのアカウントを保有している人が、さらに新規でGoogleアナリティクスのアカウントを作成したい場合は、持っているGoogleアナリティクスのアカウントに一度ログイン(図2赤枠部分)する必要がある。

アカウントが作成済みのGoogleアナリティクスにログインすると、図5の画面は表示されず、直接Googleアナリティクスのサービスに移動する。画面の上部にある「アナリティクス設定」(図11赤枠部分)をクリックしたあと、左上の「アカウント」のプルダウン(図11青枠部分)をクリックする。間違って「プロパティ」や「ビュー」をクリックしないように注意しよう。

図11:アナリティクス設定
図11:アナリティクス設定

プルダウンメニューが表示されたら、一番下にある「新しいアカウントを作成」(図12赤枠部分)をクリックしよう。

図22:新しいアカウントを作成
図12:新しいアカウントを作成

すると再び図6と同様の画面が表示されるので、同様に作業を繰り返せば、新しいGoogleアナリティクスアカウントを作成することができる。

◇◇◇

📝筆者が継続的に主催している講座群(Google アナリティクス中心)に興味がある方はこちらをご確認ください。
http://xfusion.jp/train.html

この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

EC
「EC」は、Electronic Commerce(電子商取引)の略。Eコマース ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]