LINEのOMO戦略「OMOは1つの手段に過ぎない」
LINEは、「LINEで実現するCX事例」を紹介するオンラインイベント「LINE CX DAY」6月29日に開催した。 Keynoteセッションでは、「LINEで実現するLIFE Marketig」と題してデジタル上でCXを実現するためのLINEのプラットフォームや、最新のテクノロジーとソリューションについてが紹介された。
LINEのOMOと販促施策
本セッションに登壇したOMO販促事業を担当する澤入氏は、LINEのOMO事業の取り組みとして、「木の葉・LINEでオーダー」を紹介した。
「木の葉・LINEでオーダー」は、LINEを利用して木の葉モール橋本のフードコートでモバイルオーダーができる仕組みだ。店舗、メニューの選択から決済までをLINEで行えるため、ユーザーは席に座ったままでフードコートの料理を注文から決済まで完結することができる。また、モバイルオーダーのときにユーザーが店舗の友達追加を行うため、店舗とユーザーの接点にもなっているという。
澤入氏は、ユーザーが求めているものはOMOではなく、生活の中での課題解決や、ユーザー体験のアップデートであり、OMOは手段の1つに過ぎないと語った。
さらに、LINEはオフラインのユーザー体験においても価値を向上させられると考えているという。新型コロナウイルスの影響で、消費者が新たなサービスやオンライン体験をする一方で、オフラインのユーザー体験も見直されている。そこで、LINEはエンターテイメントやグルメ、ショッピング、旅行など、オフラインでしか経験できない価値もコミュニケーションの側面からサポートしようとしている。
LINEが2020年6月に発表したユーザー調査では、メッセージの送信数やビデオ通話利用回数が増加。LINE上でのコミュニケーションが活発になっているという。
このコミュニケーションの増加をうけて「LINEがオフラインのユーザー体験の入り口となり、ユーザーとサービスの距離を近づける役割を目指す」と、澤入氏は語った。そのために、LINEはさらにサービスを強化するという。
具体的には従来のコミュニケーションに加えて、予約、検索、コマース機能などの強化を予定している。
さらに、LINEの販促領域において、以下の3つのソリューションで店舗情報をもとにしたデータ連携、コンテンツ強化を行なうという。
- LINEチラシ
- LINEセールスプロモーション
- LINEクーポン
たとえば、LINEチラシにクーポンを連携したり、キャンペーン情報を掲載したりするだけではなく、ボットIDをキーとして、LINE公式アカウントやLINE広告とのクロスターゲティングを実現していく予定だ。
Keynoteのセッションには他にもLINEで広告ビジネス事業を担当している池端由基氏が登壇し、コロナ禍におけるLINE公式アカウントを活用した取り組みや、プラットフォームの事業開発をしている高木祥吾氏が登壇し、CXを実現するためのソリューションと、テクノロジーパートナーとの取り組みを紹介した。
AWSを活用して企業のDX実現を支援する「LINE DX Program with AWS」を提供
さらに、セッションの最後には同日にリリースした「LINE DX Program with AWS」が紹介された。本プログラムは、企業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)実現支援の加速を目的としている。
本プログラムに加入した企業は、LINEとAWS両社が持つ強みを最大限に活かしたサービス開発をワンストップで推進することができ、自社のクライアント企業に対して、システム面においては「AWSによってクラウドシフトされた高いセキュリティレベルと柔軟性」、サービス面においては「多くの人がオンライン・オフラインで日常的に利用するLINEをベースとした自然なユーザー体験」を満たすソリューションの提供が可能になる。
本プログラムによる支援内容は以下のとおりだ。
- サービス開発における技術支援
LINEとAWSを活用した環境構築のためのサンプルテンプレートの提供と技術サポート - クライアント企業への共同提案・企画支援
LINEを活用したサービス開発提案に必要となる情報提供、企画支援、クライアント対応支援 - マーケティング支援
LINEおよびAWSが実施する各種イベント、両社からの事例発信を通じたプロモーション支援
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