「迷いながら生きる人」の方が実は幸せ? “葛藤”と“幸福度”の意外な関係とは【博報堂調べ】
博報堂の「生活者発想技術研究所」は、「内なる欲求・想いに関する調査」を実施した。全国15~69歳の男女2,400人を対象に、葛藤や幸福などの内面的な感情について聞いている。
「人生で実現したいこと」はある? 実践・達成状況は?

まず、アスピレーション(人生において大切にしたいこと、実践したいこと)があるかを聞くと、「ある」は全体で69.3%にのぼった。年齢が若いほどその割合は高い傾向にあったが、「50代男性」では70.5%と突出して高かった。

アスピレーションがある人のうち、「実践に向けて取り組めている」と回答した割合は、全体で62.7%となった。性年代別で見ると、「男性10代」が66.7%、「女性20代」が75.0%で最多となった。一方で、「男性40代・50代」は同世代の女性と比べても大きく実践度が下がった。

また、アスピレーションがある人のうち、「達成されている」と回答した人は全体の41.6%となった。中でも達成度が高かったのは「男性10代」が44.0%、「女性20代」が50.6%で、こちらも若年層に集中する傾向が見られた。
一方で、「男性40代・50代」は数値が大きく下がっており、ミドル世代の男性においてアスピレーションに向き合う難しさがうかがえた。
64%の人が「葛藤」している……モヤモヤを感じる対象は?

続いて、生活の中で「葛藤」や「モヤモヤ」を感じることがあるかを聞くと、64.0%が「ある」と回答。年齢が若くなるにつれ、葛藤がある人の割合は高くなる傾向が見られた。アスピレーションの有無別で見ると、アスピレーションを持っている人の方が「葛藤」している割合が圧倒的に多かった。

「葛藤」や「モヤモヤ」を感じる対象としては、「自分自身」が47.4%で最も多い結果に。性年代別で見ると、女性30~60代は「配偶者・パートナー」、女性30~40代は「子ども」、男性40~50代は「仕事上の関係者」に対し悩んでいる様子が見られた。

「葛藤」や「モヤモヤ」に対する考え方を聞くと、「葛藤はできるだけ感じずに生きたい」と答えた人が77.4%で最も多かった。一方で、「葛藤することは必ずしも悪いものではないと思う」と答えた人も70.0%にのぼり、相反する感情を持っている様子がうかがえた。
性年代別で見ると、男女ともに10~20代では「必ずしも悪いものではない」が多かったが、30代以上になると逆転する傾向が見られた。
葛藤は「まったくない」より「たまにある」方が幸福度が高い

最後に、現在の幸福度について聞いたところ、全体では69.8%が「幸福」と感じていることがわかった。年代別では、特に10代と60代でその割合が高かった。
アスピレーションの有無で見ると、「あまりない」「まったくない」と答えた人は、顕著に幸福度が低い傾向にあった。
葛藤の有無で見ると、「たまにある」人は74.9%、「あまりない」人は73.2%と比較的高い幸福度を示した一方で、「よくある」人は61.5%、「まったくない」人は57.7%と低い数値だった。このことから、“適度な葛藤”が幸福度の向上につながることがうかがえた。
調査概要
- 【調査期間】2025年2月12日(水)〜2月13日(木)
- 【調査対象】全国の15〜69歳の男女(中学生を除く)
- 【有効回答数】2,400人(全国の人口構成比に基づき、性別・年代別に割付)
- 【調査方法】インターネット調査
- 【調査地域】全国
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