ネットショップを始めたら開業届が必要?提出するメリットや許認可の必要性を解説
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(目次)
- ネットショップの届け・許認可は個人と法人で違う
- 個人の場合は「開業届」が必要
- ネットショップの開業届を税務署に提出するメリット
- ネットショップの開業届を提出するデメリット
- ネットショップの開業届を提出する手順を解説
- 法人の場合に注意したい「許認可」
- まとめ
この記事は、ネットショップかんたん作成のshop byが運営するオウンドメディア「ECナレッジ」から転載しています。 https://shopby.jp/ecknowledge/
ネットショップの届け・許認可は、個人と法人で違う
ネットショップの届け・許認可は個人と法人で異なります。開業届が必要になるのは個人事業主の方です。法人として事業を進める場合は、定款の提出が必要になります。
また、後述する「許認可」については個人・法人問わずにしっかりと確認してください。
個人の場合は「開業届」が必要
個人でネットショップの運営を行う場合は、開業届の提出が必要です。以下、詳しく解説します。
■開業届とは?
開業届とは、「個人事業の開業・廃業等届出書」のことです。事業所得や不動産所得などが発生する事業を始めた場合に、税務署長へ提出が必要です。
ひな形に必要事項を記入して、認印を押して作成します。届け出の期限は、その事実があった日から1ヶ月以内になります。
■提出しなくても罰則はない
開業届の提出は、義務付けられています。ただし、所得税法では開業届を提出しなかった場合の罰則は、定められていません。つまり、必ずしも開業届けを出す必要はありませんが、所得の申請は必要になります。
所定の所得を得ており、本来確定申告が必要なのにしていなければ追微課税が発生するため、注意が必要です。
■開業届を出さない場合でも帳簿は必要
確定申告の際は開業届けを出していなかったとしても、帳簿が必要になります。この理由は、2014年分の確定申告分から白色申告者も記帳が義務付けられたためです。
2014年以前は記帳がないことが白色申告の最大のメリットでしたが、現在は白色申告をするよりも、青色申告のメリットのほうが大きいとも言えそうです。
ネットショップの開業届を税務署に提出するメリット
ここからは、開業届を出すメリットについて説明します。ネットショップの開業を検討している人は必見です。
■青色申告の利用で特別控除ができる
確定申告を青色申告で行うためには、開業届の提出が必要です。青色申告とは、確定申告書の種類のことで、他に白色申告があります。
青色申告は最大65万円の青色申告特別控除が適用され、節税につながりますが、白色申告にはこの控除額がありません。
大きな節税効果を狙うなら、開業届を提出して青色申告を選択したほうが良いでしょう。
(関連情報) 白色申告と青色申告の違い
白色申告には、青色申告のような特別控除がありません。白色申告は収支内訳書で決算を行いますが、青色申告は青色申告決算書を使用するという違いもあります。
また、青色申告で確定申告を行う場合は、決められた期限内に青色申告承認申請書の提出を行う必要があります。その一方、白色申告書は青色申告承認申請書の提出は必要ありません。
(関連情報) 青色申告承認申請書の提出手順
青色申告承認申請書は、税務署の窓口や国税庁のWebサイトから入手可能です。事業所の住所や所得の種類などの必要事項を記載し、押印して管轄の税務署に提出します。
青色申告承認申請書の提出期限は、原則、開業日から2ヶ月以内です。
■小規模企業共済に加入できる
小規模企業共済とは、個人事業主などが加入できる共済です。毎月、指定した掛け金を支払うことで、退職時や廃業時に共済金を受け取れます。
掛金は全額所得控除の対象になりますので、節税効果も得られるでしょう。なお、小規模企業共済の申込みには、開業届の提出が必須です。
■開業の証明ができる
保育園などの申込みには、働いていることを証明する書類の提出が必要です。会社に勤務している人の場合は就労証明書を提出しますが、個人事業主の場合は開業届の控えがその代わりとなります。
その他、銀行などの金融機関から融資を受ける際にも提出を求められるケースがあります。
■事業者名で口座を作成できる
屋号や事業者名などで口座を作成するためには、開業届が必要になることもあります。その際、ネットショップサイトの名前などで口座を作成した方がスムーズにビジネスが進むこともあるので、よく検討しましょう。
ただし、口座開設の必要書類は金融機関によって異なるので、あらかじめ確認しておくことも大事です。
ネットショップの開業届を提出するデメリットとは?
ここからは、ネットショップを開く際に、開業届を出すデメリットについて説明します。
■失業保険を利用できなくなる
個人事業主になると、失業保険の給付金を受け取れません。そのため、給付金を受給中でネットショップを開業するか迷っている場合は、慎重な判断が必要になります。
なお、開業したことを隠して給付金を受け取り続けると不正受給になるので十分に注意してください。
■扶養の対象外になることがある
配偶者の扶養になっている場合は、開業届を出す前に健康保険の条件を確認しておきましょう。健康保険によっては年収などの条件を満たすことで、扶養から外れないこともあります。
条件を満たしていない場合は扶養から外れることになるので、開業届を出すメリットとデメリットを踏まえてよく検討してください。
ネットショップの開業届を提出する手順を解説
ネットショップの開業届を提出する手順を説明します。
■郵送・持参する場合の手順
まずは、税務署で開業届の書類を直接もらうか、インターネットから書式をダウンロードし、必要事項を記入しましょう。氏名欄には押印も必要です。また、本人確認書類も必要になるので、郵送で提出する場合は、本人確認書類のコピーを一緒に提出してください。
■電子申請する場合の手順
電子申告の場合はe-Tax(国税電子申告・納税システム)を使用します。事前にe-Taxの登録とソフトのインストールが必要になりますので、申請の前に済ませておきましょう。なお、電子申請をするためには電子署名済みのカードを役所で作成したり、カードリーダーを別途購入したりしなければ手続きできないので注意が必要です。
法人の場合に注意したい「許認可」
法人の場合の申請に注意したいのが「許認可」です。ネットショップサイトを運営する場合は、あらかじめ必要な資格や許可を確認しておく必要があります。以下で詳しく解説します。
■食品の販売に必要な資格・許可
食品をネットショップで販売するためには、食品衛生責任者もしくは営業許可が必要となります。フリマサイトやオークションサイトを利用する場合は、食品衛生責任者の免許が要ることがあるのでよく確認してください。
なお、食品衛生責任者の免許は、地域の食品衛生協会で講習を受けて取得します。店舗に資格を持っている人がいない場合は、自分で取得してもよいでしょう。
■酒類の販売に必要な資格・許可
酒類をネットショップで販売するためには、通信販売酒類小売業免許もしくは一般酒類小売業販売免許が必要です。実店舗で酒類を販売していて、ネットでも売りたい場合は両方の免許が要ります。
申請は管轄の税務署で行います。申請書に必要事項を記載して手数料を支払えば、手続きが完了する流れです。個人で取得することが面倒な場合は、行政書士などに代行を依頼してもよいでしょう。
■中古品の販売に必要な資格・許可
中古品をネットショップで販売するためには、基本的に古物商許可(古物商免許)が必要です。申請は基本的に管轄の警察署で行います。ただし、以下に該当する場合は、古物商許可は不要です。
・無償で取得したものを売る場合
・自宅にある個人の不用品をオークションで売る場合(転売目的は別)
・海外で購入したものを国内で売る場合
・手数料をもらって相手から回収したものを売る場合
■医薬品の販売に必要な資格・許可
医薬品の販売をネットショップで行うには、薬剤師資格や登録販売者資格、特定販売の届け出などが必要です。
仮に資格・許可があっても、ネット販売できる医薬品は一般医薬品に限られます。医薬品の販売は用法容量の提示やオークションの禁止、薬事監視への協力など医薬品のネット販売は細かなルールが多いので、注意しましょう。
■化粧品の販売に必要な資格・許可
化粧品をネットショップで販売する場合は、化粧品製造販売業許可(化粧品のみ販売)、医薬部外品製造販売許可(医薬部外品もあわせて販売)が必要です。加えて、薬機法についての知識も要ります。
例えば、本来化粧品が持つ効果よりも誇張し、効果を記載した広告などは薬機法違反となり、罰せられます。そのため、化粧品を販売する際は、販売許可はもちろん、薬機法の知識を身につけておく必要があるのできちんと事前準備をしておきましょう。
まとめ
ネットショップを開業する際は開業届が義務付けられています。個人事業主と法人とでは、開業時に必要な手続きが異なりますのでしっかりチェックしてください。
販売する商品によっては許認可が必要になることがあるため、よく確認のうえでネットショップを開業しましょう。
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