ケータイ白書2009から読み解く 最新モバイルマーケティング動向~個人編 #2
「公式メニュー」の利用は横ばい
モバイル検索の利用が増加中
個人編#2では、ケータイ利用者の広告利用動向を中心にご紹介したい。その前にまず、ケータイ利用者はどのようにインターネットの膨大な情報から、目的のコンテンツやウェブサイトを探し出しているのだろうか。『ケータイ白書2009』の調査データを見てみよう。
コンテンツやウェブサイトの探し方では、「公式メニューからたどって」が6割弱を占めており前年に続いて断トツに多い。「公式メニュー」はケータイ利用者をウェブサイトに誘導する動線として依然として大きな役割を果たしており、モバイルマーケティング上も無視できない存在なのは明らかだ。
一方で、2007年に比べて増加傾向にあるのが、2位の「携帯電話の検索サイトで検索して」および、3位の「パソコンのインターネットサイトで見て」という探し方だ。この背景としては、一般サイトの開設が増加していることや、ケータイ向け検索サイトの機能や使いやすさが向上したこと、フルブラウザの普及などが考えられる。インターネットをシームレスに使いこなせる環境がさらに整っていけば、こうした探し方をするユーザーがますます増えていくのは間違いない。
モバイル広告のクリック経験は、
定額制加入者が非加入者の2倍
ではモバイル向けの広告をクリックして、目的のサイトに訪れたことがあるケータイ利用者はどの程度存在するのだろうか。『ケータイ白書2009』の調査によれば、モバイル広告をクリックしたことがあるケータイ利用者は5割程度。興味深いのはパケット定額制非加入者で広告をクリックしたことがあると答えた利用者は34%に過ぎないのに対し、定額制加入者は67%とほぼ倍となっている点だ。このデータからも定額制利用者が積極的にインターネットを利用していることがうかがえる。
前回ご紹介したようにパケット定額制の加入者は2007年9月からの1年間で、3103万から3973万へと800万人以上も増加している。モバイルインターネットの利用者のパイが拡大しているわけで、モバイル広告をクリックする利用者数も増えていくのは確実だ。
ではケータイ利用者はどのような広告に興味を示すのだろうか。『ケータイ白書2009』によれば、クリックしたユーザーの割合が6割以上に達するのは、「バナー(画像)広告」(68.5%)と「メール広告」(64.9%)だ。以下、「ウェブサイト上のテキスト広告」(37.5%)、「検索連動型広告」(18.4%)と続く。モバイルマーケティングを行う上では、この4つの広告手法の組み合わせが有効だと言えそうだ。
なかでも注目したいのが、「検索連動型広告」だ。というのも2007年の同一調査(『ケータイ白書2008』)ではクリックしたと答えた比率が12.7%に過ぎなかったのが、6ポイント近くも増加しており、伸び率では他の広告手法を圧倒しているからだ(※参考:「『ケータイ白書2008』ハイライト~利用者動向編~」図8 クリックしたモバイル広告の種類)。
前述の通り、今後、利用環境の整備やパケット定額制の普及が進んでいくに伴い、検索エンジン経由でウェブサイトを利用するケータイ利用者も増加していく。いずれはパソコン向けのウェブサイトと同じように、検索連動型広告が最有力のマーケティング手法の1つに育っていくはずだ。
『ケータイ白書2009』から読み解く 最新モバイルマーケティング動向
- 個人編#1 携帯のみのインターネット利用者はパケット定額制加入者の26%
- 個人編#2 モバイル検索連動型広告のクリック経験が約6ポイント増加(この記事)
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