「ソーシャル化」は対社外だけじゃない | イケダノリユキのCommunitainment Blog

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ソーシャル化の流れは、多くの場合、企業と消費者(B2C)、企業と企業(B2B)、消費者と消費者(C2C)で論じられることが多いけど、実は企業内(E2E)の考え方もあるんじゃないかな、とふと思いました。


なんでもかんでもソーシャルって言えばいいってことじゃないんだけど、いまさらながらUSJさんが社内SNS(Youpi:ユッピー)を2009年11月に立ち上げていたことを知って、そんなことをぼんやりと感じました。


USJさんの社内SNSは社内交流を目的としたもので、特徴としてはパートやアルバイトも含む総勢5,000人の従業員全員が利用可能というもの。もちろん、こういった社内SNSは世にたくさんあるわけですが、USJさんの場合は毎日数万人のゲストがパークに訪れ、それに数千人のキャストやスタッフが関わります。


そういう意味では、サービス品質の標準化や、キャストやスタッフのモチベーションの向上、ゲストサービスで気をつけたいこと、いま悩んでいることなどを全員で共有することにはすごく意義があると思います。


社内SNSやイントラ上の掲示板など、古くは「ナレッジマネジメント」としてリクルートさんなどが先進企業として脚光を浴びていたのは今から10年も前のことです(「リクルートのナレッジマネジメント」が出版されたのは2000年)。


当時は、社内研修でも「トップ営業マンの習慣を分解してその構造を真似することで下層営業マンのスキルを底上げする」とか、「社員の仕事への貢献度の要素を分解して評価をする」などのコンピテンシー研修(評価・採用)なども盛んでした。ナレッジマネジメントもコンピテンシーもどちらかと言うと、社内用(クローズド)な活動だったわけです。


でも、時代がどんどんソーシャル化して、社員一人ひとりの考え方や情報発信が内から外に向けて発信されていくようになると、この社内の意識や情報共有のカタチも徐々に内から外へのソーシャル化とリンケージしていかなきゃいけないのかな、と思う(もちろん機密情報の漏洩などは論外だけど)。


考えがまとまらないけど、何というか、オープン化、ソーシャル化として、外とつながっていくことを前提とした社内の活動というか。社内ソーシャルとオープンソーシャルがつながっていく感覚というか。


いわゆるソーシャルメディアマーケティングは、社員ひとり一人の意識改革や意識、知識などの平準化(ボトムレベルの底上げと平準化)が必要なわけですが、何となく、外のオープンソーシャルとつながっていくことを意識したクローズドな社内SNSの活用というのは、同じクローズド社内SNSでも成果が変わってくる気がするのです。


今回のUSJさんの社内SNSは、ケータイに対応していてPCの前にいることの少ないキャストも利用しやすくなっています。また、このSNSは、過去USJで働いたことがある30,000以上の元従業員も使えるようにする計画だそうで。こうなってくると、まさにOBを含めたUSJファン(?)のセミクローズドソーシャルです。


OBを含めた数万人の方々は、一歩外に出ればエバンジェリスト(ときにはアンチUSJ)に変身する可能性があります。社内と社外を結ぶのは、機械ではない、そこで働く人間です。人間がミツバチのように社内ソーシャルと社外ソーシャルの架け橋になるわけです。


オープン化、ソーシャル化の流れは、社内ナレッジの共有や従業員満足向上活動、会社OBなどとの関係性も変えていく可能性があります。そして、それはうまく活用すれば、コアコンピタンス(競争力の源泉)の維持・向上や独自技術・ノウハウなどの継承、さらにオープンソーシャルとの化学反応など、様々なメリットが享受していけるポテンシャルを持っていると思います。


なーんて、楽しい撮影中のスタジオでモヤモヤと考えたのでした。

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