ECサイトの解析レポート作り方マニュアル [アクセス解析tips]
今回から数回にわたって、アクセス解析のデータをどのような定期レポートにして見ていったらよいかを、サイトの種類別に解説していく。第1回はEC(電子商取引)サイトを取り上げる。
まずは、レポートに掲載する指標の選択方法についてお話ししたい。はやり言葉で言うとKPI(重要業績評価指標)ということになる。KGI(経営目標達成指標)と分けて話をする場合もあるが、ここではまとめて何が管理すべき指標として必要かということを考察していきたい。
また、レポートは誰に向けてレポートするかによって、レポート頻度と内容が変化するので、
- マネジメント層向けレポート
- 現場向けレポート
の2つのパターンで考えてみたい。
「サイトの売上」を分解してみる
ECサイトに限らず、どんなサイトにも共通することだが、レポートする指標は、サイトの目的から逆算して設定していくべきである。
ECサイトの目的は、サイトで売上を立てること、すなわち、売上を上げ、適正な利益を得て、サイトでのビジネスを継続的に成長させることだ。
とはいえ、いきなり「サイトの売上」に関係する指標をピックアップするのは、いささか距離があり過ぎる。そこで、売上を次のような要素に分解して考えてみよう。
図1は売上を構成する要素に分解してみたものである。たとえば、月次の売上を回数ベースで考えた場合は、
となる。
売上はこのように3つの要素の掛け算になるので、売上の上下動の要因はこれらに分解して分析し、レポートすれば、非常にわかりやすい。当たり前だが、集客を増やし、訪問回数が増えなければ、ビジネスチャンスは広がらない。また集客ができていても、買ってくれる顧客の割合が増えなければ売上は上がらない、ということになる。
訪問回数を分解する
さらに訪問回数はどのように分解できるだろうか。ここでは、「無理やり集客しなくても来る人たち(自然流入)」と「キャンペーンなどで能動的に集客してくる場合(広告流入)」に分けてみた。
広告流入回数と自然流入回数をさらに分解してみよう。広告の種類は主にディスプレイ広告と検索連動型広告に分けられる。ディスプレイ広告の広告流入回数は、広告の掲載媒体別、クリエイティブ別に分けられ、検索連動型広告の広告流入回数は、検索エンジン別、キーワード別などの軸で成果を評価できる。
また、自然流入として集客できている部分に関しては、参照元なしの割合や、具体的な参照元ドメイン名、自然検索からのキーワードといった項目に落とし込んで見ていくことが有効だ。
このようにして、最後は流入分析のさまざまな指標まで落とし込んで評価可能にすることが大事だ。
もちろんサイトによって集客戦略は違う。各サイトによってどの指標が重要なのかは違うのが当たり前なので、すべてを並列に見る必要はない。
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