スマートフォンレポート

スマホサイトへの最適化要望は高くない? 不満を抱えつつ利用するユーザーの姿

2012年9月発表の調査レポートから「スマートフォンの購入状況/ブラウジングの不満点について」の内容を届ける

この記事は、ドコモ・ドットコムが発行するモバイルビジネス・マーケティング情報誌「スマートフォンレポート」の一部を、Web担当者Forum向けに特別公開したものです。

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今回は2012年9月に発表された「スマートフォンレポート vol.2」から、調査報告1「スマートフォンの購入状況/ブラウジングの不満点について」の調査レポートをお届けする。

スマートフォンからスマートフォンへ買い替えが増加

ドコモ・ドットコムの独自調査から、2012年6月、7月におけるスマートフォン端末の購入状況をみると、各キャリアによる夏の新モデル発売効果が目立つ結果となっている。4月、5月同様、ドコモ端末が最多シェアを記録したものの、6月においてはauの新モデル購入者が目立ち、ドコモに9pt程の差まで迫る勢いを見せている。特に10代ではau端末が最も売れており、若年層に対する訴求力の強さがうかがえる。

しかし7月に入ると一転、6月下旬より順次販売開始されたドコモ2012夏モデルが好調な売行きを示し、全世代で最多シェアを記録、全体でも5割を超えるほどの勢いを見せた。各キャリア共に、新モデル発売がユーザーに与えるインパクトは依然として大きいことが明らかとなっている(図1)。

図1 2012年6、7月のスマートフォン購入状況[3キャリアのシェア]
図1 2012年6、7月のスマートフォン購入状況[3キャリアのシェア]

7月における人気機種の内訳を見ると、相変わらず「iPhone 4S」が最も売れているものの、同様の売行きを記録したのが、6月末より発売開始されたドコモの「GALAXY S III(SC-06D)」である。「GALAXY」シリーズはこれまでも高い人気を誇っていたが、ひとつのブランドとして認知された感もあり、その最新モデルは「iPhone 4S」にも匹敵する勢いを見せている。

それ以外では、ドコモとauの新モデルが占めている状況であるが、メーカー別で見ると、海外メーカー端末の人気が目立つ。国内端末メーカーモデルが圧倒的シェアを誇っていたフィーチャーフォン時代とは異なり、ユーザーはあまり端末メーカーにこだわることなく、機能やデザインなどをより重視する傾向にあるのではと推測される(図2)。

図2 購入機種TOP10(7月を基にソート)
図2 購入機種TOP10(7月を基にソート)

スマートフォン購入のパターンについてだが、依然としてフィーチャーフォンからスマートフォンへの買い替えが過半数を占める状況ではあるものの、以前に比べてスマートフォンからスマートフォンへ買い替えるユーザーの増加が目立つ。4、5月では各キャリア共に2割以下にとどまっていたものの、新モデルが相次いで発売された6、7月には、特にドコモとauのユーザーにおいて20%を超えるユーザーがスマートフォンからスマートフォンへ買い替えている。今後は、フィーチャーフォンからの買い替えのみならず、より新しい機能、高度な機能などを求めてスマートフォンを買い替える動きが加速しそうである(図3)。

図3 スマートフォン購入形態
図3 スマートフォン購入形態

ユーザーはブラウジングに何らかの不満を感じている

次に、スマートフォンでの使い勝手について、ユーザーがどのように感じているかを見てみたい。インターネットを見る際の不満点を聞いてみたところ、不満を感じていないユーザーは全体の10%しか存在せず、多くのユーザーは何らかの不満を感じている、という結果となった。

最多回答となったのが、「リンクボタンが小さくて押しづらい/押し間違いが多い」という項目で、半数以上のユーザーが回答している。フィーチャーフォンやPCのサイト構成を流用したスマートフォンサービスを数多く目にするが、小さな文字リンクをそのまま設置していたり、リンクが複数隣接しているケースが散見される。このようなサイトを利用する際に、前述のような不満を抱くケースが多いのではないかと推測される。

また「PC向けのWebサイトがそのまま表示されると、スクロールや拡大・縮小などの操作が面倒」「画面が小さく見にくい」といった回答も多く、PCサイトを閲覧する際に不満を感じるケースも多いことがうかがえる。見方を変えると、相当数のユーザーがスマートフォンでPCサイトを閲覧利用していることがわかる(図4)。

図4 スマートフォンでブラウジングする際の不満点
図4 スマートフォンでブラウジングする際の不満点

不満を抱えながらも現状にある程度満足している

ではPCサイトに対して、多くのユーザーがスマートフォンへの最適化を望んでいるかというと、決してそうとは言い切れない模様である。「パソコンで見る時とそれほど変わらず便利に使えている」という回答はさすがに少ないものの、「最適化までは必要ない」という回答と「最適化して欲しい」という回答がほぼ同数となっており、最適化への要望は決して多数を占めるとはいえない状況である。普段利用しているPCサイトが、スマートフォン上で閲覧できる時点で、現状ある程度満足しているユーザーの姿が浮かんでくる。とはいえ前述の不満点を考慮すると、今後は使い慣れたサイト構成を維持しつつも、スマートフォンに最適化する必要性が生じると思われる(図5)。

スマートフォンでPCサイトを閲覧した際の印象
スマートフォンでPCサイトを閲覧した際の印象

全体的にみると、スマートフォンの使い方においては、多くのユーザーはまだあまり慣れていない、使いこなせていないように感じられる。この状況は、スマートフォンの普及率を考えると今後しばらく続くことが予想されるため、サービス提供側は、まずはリンクの押しやすさや配置への工夫、PCサイトの構成を意識したスマートフォンへの最適化などに十分配慮する必要がありそうである。

調査対象15~69歳の男女60,000サンプル
※性年代別人口構成比に合わせて60,000サンプル抽出
調査地域全国
調査実施期間2012年8月1日~8月4日
調査方法インターネットリサーチ
調査実施機関株式会社マクロミル

この記事は、ドコモ・ドットコムが発行するモバイルビジネス・マーケティング情報誌「スマートフォンレポート」の一部を、Web担当者Forum向けに特別公開したものです。

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