スマートフォンレポート

スマホでECを楽しむ女子急増中! 全体としてはスマホよりパソコンから購入したいユーザーが2割多い

スマートフォンでECをどのくらい使うのか? 男女での利用率や年代別の調査結果を紹介する。

この記事は、ドコモ・ドットコムが発行するモバイルビジネス・マーケティング情報誌「スマートフォンレポート」の一部を、Web担当者Forum向けに特別公開したものです。

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スマートフォンでECをどのくらい使うのか? 全体としては依然としてパソコンからの購入が多いものの、女性に限ってはスマートフォンからの購入が多い結果となった。 男女での利用率や年代別の調査結果を紹介する。

今回は2014年3月に発表された「スマートフォンレポート vol.11」から、調査報告3「スマートフォンにおけるECサービス利用実態に関する調査~スマートフォンならでは! パソコンとは違うECサービスの使われ方~」の調査レポートをお届けする。

今回は、スマートフォンにおけるECサービスの利用実態についての調査結果を紹介する。2012年8月にも同テーマの調査は実施しているが、あれから約1年半、スマートフォンの普及は更に進み、ECサービスの利用もとどまることなく増加し続けている。改めて現在のスマートフォンにおけるECサービス利用実態について掘り下げてみた。

ECサービスにおけるスマートフォンの利用状況について

まずECサービスの利用状況についてだが、スマートフォンユーザーのうち約3割がスマートフォンから利用した経験があった。パソコンから利用した人は約5割なので、いまだパソコンからの利用が上回っている状況ではある。

しかし、性年代別に分解してみると、10~20代の若年層ではその割合がほぼ同数という結果になっており、若年層においてはスマートフォンからのECサービス利用が比較的多いことがわかる。

更に、スマートフォンでECサービスを利用したことがある人に対し、スマートフォンとパソコンではどちらをメインに利用しているか聞いてみると、全体ではパソコンをメインに利用している人(以下、PCメイン)が多かったものの、女性においては結果が逆転し、スマートフォンをメインに利用している人(以下、スマホメイン)の方が多い結果となった。

特に10~20代女性では、スマホメインのユーザーが約6割にまで達している。このような結果から、ECサービスにおいてもスマートフォン利用は着実に高まっていることがうかがえ、スマートフォンへの最適化がより重要になっていることが明らかといえよう。女性や若年層をターゲットとするサービスにおいては、特に意識する必要がある(図1)。

図1:ECサービスの利用はスマートフォンとパソコンどちらが多いか

スマホメインユーザーの特徴とは

スマホメインの特徴をもう少し掘り下げてみよう。まずは、スマートフォンをメインで利用する理由についてみると、「時間と場所を選ばない」「手軽に利用できる」といった回答が約7割を占める他、女性を中心に「パソコンよりも起動が早い」「パソコンを利用するのが手間」など、スマートフォンならではの携帯性や手軽さを理由に挙げる人が目立った。

逆にPCメインユーザーに対し、スマートフォンからの利用が少ない理由を聞いてみると、「画面が小さくて見づらい」が約8割で突出し、その傾向は年代が高くなるほどに強まる。また、商品検索や情報入力が「面倒だから」という理由を挙げる人も目立った。

このことから、すぐにサービスを利用できるようわかりやすい構成を意識すること、すなわち、画面サイズを配慮した画像やコメントの表現、情報量の調整、入力項目やフローの簡略化などは、スマートフォン最適化において避けることができない課題と言えそうだ(図2)。

図2:スマートフォンでECサービスを利用する機会が多い理由

次に、利用の多いECサービスジャンルについてみてみると、「食品・飲料・酒類」「書籍・雑誌」「衣料品・下着」「日用品・雑貨」といったジャンルの利用が高い。スマホメインのユーザーに限ってみると、「衣料品・下着」「化粧品・香水・ヘアケア用品」などの購入が高くなっている。これは、前述のとおりスマホメインに女性が多く含まれていることが影響していると思われる(図3)。

図3:直近半年間で購入した商品

利用の多いサービス名を具体的に挙げると、「楽天市場」「Amazon.co.jp」が突出しており、この2強状態は以前から変わることなく続いている。それ以外では「ヤフオク!」「Yahoo! ショッピング」「楽天トラベル」「じゃらん.net」「UNIQLO ユニクロ」「ローチケ.com」など、旅行、オークション、チケット、衣類などのサービスが高い利用率を示している。

またグラフ掲載はしていないが、調査結果から決済手段の利用状況を見ると、全体的にはクレジットカード払いの利用が最多であるが、未だクレジットカードを持つことができない10代においては、コンビニ払いや代引き、銀行振り込みなどの利用率が高く出現している。この傾向は、10代を多く含むスマホメインにおいて、より強く出現している。

更にスマホメインならではの傾向としては、キャリア決済の利用が挙げられる。ECサービスにおいてキャリア決済を導入しているケースは、クレジットカード導入ケースほど多くはないものの、今後キャリア決済が利用可能なサービスが増えれば、その利用機会も更に拡大することが予測される。

決済手段の利用理由としては、どの決済手段においても「普段から使っていて慣れている」が最多理由だが、コンビニ払いや代引きを利用する人は「クレジットカードを持っていない」という理由に加え、「使いすぎを防止できる」という理由が高いのが印象的だ。利用ユーザー属性と決済手段のアンマッチは購入機会の損失にもなりかねないので、ターゲットユーザーの状況に配慮した決済手段を用意することが重要である。

Webサイトとアプリで利用理由を比較

スマートフォンならではの展開として挙げられるのが、アプリの存在だ。最近では、Webサイトとアプリの両方でサービス展開するケースが増加している。ここではWebサイトとアプリにおける利用傾向の違いを検証してみた。

まず、Webサイトとアプリではどちらをメインに利用するのかを調査してみると、全体ではWebサイトをメインで利用している人の割合が約7割と高い。特に女性はこの傾向が強くなっており、アプリの利用に抵抗を感じる人は少なくないようだ。

その利用理由として、Webサイト及びアプリともに商品検索がしやすい事が共通しているが、Webサイトメインのユーザーでは「慣れているから」という理由が目立っている。

逆に、アプリメインのユーザーでは「ホーム画面からアクセスしやすい」「購入までの流れが簡単だから」「読み込み速度が速い」「操作性が良い」など様々な理由が挙げられている。

アプリは利用自体にまだ慣れておらず、利用に抵抗のあるユーザーが存在する一方で、一旦使いだすとその良さを実感する人も多いようだ。パソコンやフィーチャーフォンでWebサイトに慣れ親しんでいるユーザーを新規で獲得する際には、Webサイトをランディングとして用意し、スマートフォンに慣れたリピーターにはアプリを訴求する、などといった訴求を検討するのも良いのではないだろうか(図4)。

図4:ECサービスでアプリをメインに利用する理由

スマートフォンでもっと購入してもらうために

スマートフォンでもっとユーザーを獲得し、売り上げを増加させるためにはどんな事を工夫するべきなのだろうか。ここでは、ECサービスをスマートフォンで展開していく上での効果的な施策について考察してみたい。

まず、デバイスを問わず重要視されるのは「送料」で、商品購入の決め手と断念理由の両方において最も反応の高い要素となっている。

スマートフォン独特の傾向ではないが、ECサービスを展開する上で、送料を軽減するなどといった施策は抑えておくべきポイントと言えそうだ。また商品購入の決め手として、送料以外で反応の高かったのが「ポイントの付与率が高い」「希望日に配送してくれる、即日配送してくれること」などである。

特に、「希望日に配送してくれる…」はスマホメインの方に強い傾向が出ており、場所を選ばずいつでも利用できるスマートフォンが急ぎの需要にもマッチしていることからも、この結果は頷ける結果といえよう。

逆に、商品購入を断念した理由としては「ユーザーレビューの内容が悪い」「利用したい決済手段が使えない」といった回答が高く、加えてスマホメインは「会員登録が必要だったから」「ID・パスワードを忘れた」などの理由も高く出現している。

決済手段を充実させるなどといった施策とともに、会員登録の必要性、ID・パスワードを忘れたユーザーへのフォローなど、わかりやすく手軽にサービス利用できる環境を整えることは非常に重要であるといえよう(図5)。

図5:ECサービスにおける商品購入の決め手

デバイスは変化しても、ユーザーの価値観やライフスタイルには普遍的な部分も多いため、スマートフォン向けECサービスにおいてもPCサービスとの共通点は多い。

しかし今回の調査結果からは、スマートフォンならではの特徴も数多く出現した。特にユーザーインターフェースに関連する部分については、スマートフォンユーザーの利用環境や行動特性を改めて認識し、ただPC用サイトを簡易化するだけでなく、専用の最適化を検討する必要があるだろう。

調査対象15歳以上69歳までのスマートフォンを所有する男女個人
/直近半年以内にスマートフォンからECサービスを利用した人
調査地域全国
有効回答数600サンプル
※事前調査における「直近半年以内におけるスマートフォンにおけるECサービス利用者の性年代別出現割合」を構成比として、下記の割り付けにて回収
※60代の出現割合は非常に低かったため、除外
10代20代30代40代50代
男性1979897537299
女性35100915124301
5417918012661600
調査実施期間2014年2月7日(金)~2月10日(月)
調査方法インターネット調査
調査実施機関株式会社ドコモ・インサイトマーケティング

この記事は、ドコモ・ドットコムが発行するモバイルビジネス・マーケティング情報誌「スマートフォンレポート」の一部を、Web担当者Forum向けに特別公開したものです。

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