スマホ対応を中途半端な変換でやり過ごそうとするWeb担当者に喝! レスポンシブですべて解決するわけがない!
スマホ対応をPCサイトの変換でやり過ごそうとするWeb担当者に喝!
レスポンシブデザインですべてが解決するかのように吹聴するツールベンダーや制作会社にも喝!
ユーザーの導線はデバイスごとに最適化すべき!
「スマートフォン対応お願いします!」とWeb担当者は言うけれど
イマドキの業界キーワードといえば、「スマートフォン対応」である。
最近は、ほぼすべての案件に含まれているし、スマートフォン対応そのものも、多くの問い合わせを受けるようになった。
これ自体はすばらしいことだ。しかし、その問い合わせ内容がイケてない。
社長がスマホで閲覧できないと騒いでるんで、大至急!Web担当者A
とにかく、すばやく、簡単に、低価格でスマホ対応をお願いします!Web担当者B
運用に手間がかからないようにしてください!
PCのサイトの運用だけでもいっぱいいっぱいの状況ですから……。Web担当者C
ほとんどの依頼がこんな感じだ。
ソフトウェアベンダーやWeb制作者の態度も、こうなってしまう一因だ。
このCMSツールは、マルチデバイス対応です!
このCMSツールは、レスポンシブデザイン対応です!!ソフトウェアベンダー
PCサイトからスマホサイトへ簡単に変換できます!(キリッ)ASPツール提供事業者
レスポンシブデザイン対応のWebサイトを制作すれば、すべて解決できますよ!(ドヤッ)Web制作会社
これらの説明は、決して間違ってはいないし、私も同じようにお勧めすることがある。ただし、ある一文を加えればの話だ ―― それは「直近の緊急対応であれば」という一文である。
PCサイトとスマートフォンサイトの導線が同一でもかまわない企業も、確かに存在する。
しかしほとんどの企業では、別の導線を提供するほうがユーザーにとってより有益になる場合が多い。
それによって運用の負荷は増えてしまうが、知恵を絞れば、ある程度は軽減できる。
そもそも、ユーザーへのサービスメニューが増えることで負荷が増すのは、ビジネスサイトとしてしかたのないこと。お客さま(ユーザー)により良いサービスを提供して喜んでもらえるのであれば、むしろ企業として受け入れるべき負荷だといえるのではないか?
それを見合わないと判断するなら、スマートフォン対応なぞ、端からしなければいいだけの話である(PCサイトをそのまま閲覧した方が、100倍マシなスマホサイトも結構存在する)。
“スマートフォン対応とは何か”を根本から見直すべし
みなさんがスマートフォン対応に興味を持ち始めた一番の理由は、スマートフォンからのアクセスが劇的に増えてきたからだろう。
弊社のクライアントでも、平均して36%のユーザーがスマートフォンからアクセスしている。この数字が50%を超える日もそう遠くないだろう。
さらに重要な点は、スマートフォンのみからアクセスしていると推測されるユーザーが、現時点でも10%近くいるという事実だ(購買などの出口アクションから推測した数値)。
今後2年以内に、この層が30%に達することは間違いないと確信できる。
さらに、タブレットや新しいデバイスの出現も視野に入れなければならない。TVやゲーム機からの閲覧も考慮しなければならない時代が来るだろう。
だから、考えるべきことは、「スマートフォン対応をどうしよう?」ではない。そうではなく、ユーザーが多様なデバイスで自社のサイトを閲覧するようになった現状を幸せに思うことだ。そう考えてこそ初めて、正しい対応策を発想できるようになる。
“昔と比べて良い時代になった、いや本当にすばらしい時代になった”
“企業にとっても、私たち制作者にとっても、これは喜ばしいことである”
この発想からスタートして、この流れを活かすにはどうすべきか考えるべし!
“視点を変える絶好のチャンス”だと思って取り組むべし
こんな時代を嘆くのではなく、逆にチャンスだと考えれば、やるべきことは明白だ。
PCによる閲覧が中心だったWebサイトが、多様なデバイスからも閲覧できるとなれば、「いつでも」「どこでも」というキーワードが浮上してくるはずだ。
さらに、PCのようなスキルやリテラシーを必要とせず、PCよりも多くのユーザーが利用するとなれば、「誰にでも」「簡単に」というキーワードも重要になる。
「いつでも」「どこでも」「誰にでも」「簡単に」
これこそが、スマートフォンサイト構築のためのキーワードだ。
私は、Webサイトを「問題解決ツール」と位置付けている。
Webサイトがさまざまなデバイスに対応する時代になれば、「いつでも、どこでも、誰にでも、簡単に、問題解決できるツール」になるはずだ。
これを成し得るためには、まずデバイスを利用しているユーザーのシチュエーションを理解すること。そして、それぞれに最適化されたコンテンツ<情報>を、最適化されたフォーマット<デザイン>で提供する必要がある。
これが「いつでも」の対応。
さらに、どんなステージ(購入前から購入後まで)でも、同じデバイスが最適とは限らない。
ユーザーが置かれているステージを理解し、利用シーンを想定すること。
これが「どこでも」の対応。
SEOもLPOも内包したWebサイトの構築で、アクセスするユーザーごとに最適な情報を、デバイスにも最適化された形で提供すること。
これが「誰にでも」の対応。
さらに、ユーザーに必要なものを選択して提供する。つまり、少ないクリック、シンプルな導線、そんな自然な連動が必要不可欠である。
これが「簡単に」の対応。
このように、スマートフォンサイトだけでなくPCサイトも含めて、上記のキーワードに対応するための再構築が必要な時代がやってくるのだと認識しなければいけない。
どんな場所で、どんなデバイスでインターネットにアクセスするのか?
スマートフォンやタブレットを筆頭に、ユーザーがWebサイトを閲覧するデバイスは多様化しており、また1人のユーザーが複数のデバイスを併用している。
個々のユーザーごとに必要な情報を、必要なタイミングとデバイス向けに提供することで、「ユーザーの利用シーンに応じた最適化」が可能となる。
マルチデバイス対応が目指すゴールは“顧客視点”での発想
ここまで説明してきたことを効率よく実行するためには、CMSツールの有効活用が必須となる。
- コンテンツは一元管理され、入力作業は1回だけ
- サイトは各デバイス向けの最適な構造を持っていて、最適なUIのテンプレートも用意されている
- ユーザーがアクセスに使うデバイスやそのリファラー情報をもとに、最適なテンプレートに最適なコンテンツを出力する
これらを満たせば、ユーザーにとっても、運用側にとっても、非常に「やさしい」サイトが完成するはずである。
もちろん、いきなりこんな理想のサイトができるはずがない。そもそも「出し分けに必要なコンテンツが存在するのか」という、根本的な問題にすぐに直面することだろう。
だから、できるところからでかまわないので、マルチデバイス対応のサイトを目指してほしい。
ユーザーが求めているのは、決して「社長に言われたから、とりあえず工数を減らすために行うPCサイトの変換」ではないはずだ。
本日のまとめ
これからのWebサイト構築のためのキーワードは、「いつでも、どこでも、誰にでも、簡単に」。
マルチデバイス対応は、サイトを利用する「お客さまのための施策」でなければ、なんの意味もないし、Webサイトで成果を出すことはできない。
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