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AIに人格を!キャラ付&プロ目線サジェストが可能な『SENSY bot』のスゴイ可能性

『SENSY』の人工知能がすごいことになっています。個人の好みを学習してプロ目線でサジェストしてくれるチャットbot。その真価と可能性について聞いてきました。

唐突ですが人工知能「SENSY」って、皆さんご存知でしょうか?

元々ファッションコーディネートを提唱してくれるAIアプリ『SENSY』に搭載される形でリリースされた人工知能なんですが、ちょっと最近すごいことになってるらしいんですこれが。

  • IBM Watson の言語解析エコシステムパートナーの国内第一号に認定
  • 画像やtxt・味覚物質・行動ログなどをディープラーニングにより解析可能
  • 強力な言語解析に加え、独自の『感情解析エンジン』で個人の好みを学習
  • コミュニケーション時に「誰かを演じる」キャラクター設定を可能に
  • 既にFBやLINEなどマルチプラットフォームに対応済み

ね。ちょっとすごくないすか?これ。

で、そんなSENSYが色々なソリューション展開可能なチャットbot「SENSY bot」をリリースしたらしく…。

もう気になって気になってしょうがなかったので、直接「SENSY」の提供元、カラフル・ボード株式会社のCEO 渡辺さんに話を伺ってきました。

そもそもSENSYとは何か。人間の感性を学習するメイドインジャパンな人工知能エンジン

SENSY自体は、元は慶応大発AIベンチャー「カラフル・ボード株式会社」が開発する ユーザーの「感性」を学習する人工知能プラットフォームの総称。

同社が最初に出したAIファッションコーディネートアプリ『SENSY』が結構評判になったため、多くの人にとっては「ああ、ファッションAIのアプリね」って感じかも?

実はファッションコーデの自社アプリ開発だけでなく、人気スタイリストのセンス学習済みAIコンシェルや、ファッションサイトへの導入超パーソナライズDM食の人工知能プロジェクトなどなど…。

ソリューションとしてのAIエンジン提供元としても有名なSENSY。

今回リリースされた『SENSY bot』が一体どんなもんなのか?ユーザーの好みを学習するチャットbotの真価と、マーケ的可能性について 早速聞いてきました。

お相手:カラフル・ボード株式会社CEO 渡辺 祐樹
2005年慶應義塾大学理工学部卒。同年 株式会社フォーバル入社。2007年IBMビジネスコンサルティングサービス株式会社(現・日本IBM)へ入社、戦略コンサルタントとして従事。在籍中に公認会計士試験取得。2012年4月より、エスモードジャポン非常勤講師就任。

感情を解析し学習し蓄積する?人工知能『SENSY』の実力

―SENSYが得意とする「個々人の好みを学習する」って、具体的に何がどうなって可能になってるんですか?

―渡辺
一言で説明するのは中々難しいんですが、例えばECサイトなどで服を選ぼうと思った時。『カジュアル』のカテゴリを選べば「カジュアルカテゴリに、サイト運営側が勝手に分類した服のリスト」が出てくるじゃないですか?

でも、実際『どんな服までがカジュアルという認識なのか』って判断は、人によって大きく異なってるんですよね。

―渡辺
言い換えれば『一人ひとりに情報の整理の仕方がある』ということになるんですが、SENSYが得意としているのがこの情報整理の仕方(好みの偏り)の可視化と個別学習なんです。

より個々人によりそったコミュニケーション…と言えるかもですね。

な、なるほど。

一気に本格的な話になってしまい一瞬アタマが真っ白になりかけましたが、つまりこれまでの画像解析や対話系のAIが得意としてきた『これは(一般的に見て)何か?』という考え方ではなく

『これは(この人にとって)どんな意味を持つのか?』を学習 ⇒ 対話に活かすことが可能である。と。

確かにこれなら、「好き」をより詳細に可視化してコミュニケーションすることが可能になりますね。

―渡辺
ですね。例えば無数にある洋服の画像を対象にしたとして。
個人の好みにあわせて可視化した感性特徴量空間を分析していくと、かなりの偏重が発生するんですよ。

そういって渡辺さんが見せてくれたのが以下の図(ちょっとそのままは公開できないので編集部でボカしてます)。

左の人は『色の明度』でアイテムを捉えていて、どうやらパステルカラー系の服が「好き」に寄りやすい傾向がある。で、右の人は『シンプル度合い』でアイテムを捉えているらしくシンプルなほど「好き」に寄りやすい…と。

これを人工知能が個々人に対し学習可能…となると。かなりマーケティング的な活用幅は広そうですね。

個人の好みが大きな意味を持つフィールドにおける人工知能の可能性

―渡辺
色や画像的な特徴だけでなく、『データ化可能で個人の好みが意味を持つ領域』であればほぼ何でも可視化と学習が可能なので、様々な業種に活かせると思っています。

三越伊勢丹でも実施された「接客AI」、三菱食品さんと取り組んでいる「ワインや日本酒をレコメンドする食の人工知能プロジェクト」など。幅は確かに広いですね。

ワインと日本酒のレコメンド!

たしかに、画像やテキスト、楽曲や動画、行動ログなどと同じく「味覚物質の含有比率」だって立派な “データ” ではありますし、「個人の好みが大きな意味を持つ領域」でもありますもんね…。

そうか。そういう観点でもAIのサジェストは活きてくるんですね。

―渡辺
ええ。そういった「嗜好」の部分は本当にユーザー一人ひとりで大きく異なりますし、どれだけプロモーションサジェストをされても揺らぎにくい所だったりしますから。

「これを買った人はこれも見ています!」より、「あなたの好みだとこういうの好きでしょ?」と、ソムリエのようにAIが教えてくれたほうが、ずっと心に刺さりやすいんですよね。

と、そういってここで渡辺さんが各ジャンルにおける通常一覧からのユーザー心理変様とSENSYによるサジェスト結果からの心理変様を比較したグラフを見せてくれました。

ちょっとそのまま載せることはできないんですが、いやはや、結構ビックリしますこれ。

好みの可視化と学習。それができるようになるだけで、大きくサジェストの精度が変わっていくもんなんだってのがよく理解できました。(※気になった方はぜひSENSYへ問い合わせを

キャラ付と嗜好トレースOK?SENSY botのトンデモな可能性

―すでに結構ビックリしてますが、さらなるSENSYの展開など。公開できる範囲で良いのでお聞かせいただけたり…しますか?

―渡辺
個々人の好みを学習することができる…という強みを『1to1』だけではなく『1toマス』で活かすソリューションへも展開していく想定です。

ワインソムリエなんかが近いですが、つまり「その道の有名な専門家」の好みを学習したAIが「○○さんならこれを選ぶよ」という一種お墨付きなサジェストを行っていくようなイメージですね。

おお。。。なるほど。

確かに個人の好みを学習できるのであれば、そういった展開も可能になっていきますね。

パッと考えつくだけでも、芸能人、アニメや小説・映画など既存人気作品内のキャラクター…。可能性は果てしない感じがします。

―渡辺
ですね。例えば化粧品のセレクトで超人気の個人YouTuberさんが化粧品を選ぶ際のアドバイザーになってくれたり、人気スタイリストさんの目をもったファッションサービス…なんてことも可能になっていきます。

それこそ、先ほど出てきたような「嗜好」のフィールドであれば全てに応用可能ですし、芸能の世界にとっても次の事業として見えてきやすい話なんじゃないかな?なんて考えていますよ。

うーむ。すごい。

例えばタ○リさんの嗜好を学習した旅行サービス、お○ぎの嗜好をトレースして映画をおススメしてくれるエンジン…とか。

なんかそんな感じの「一人ひとりに合わせるわけではないけど価値ある個人の嗜好」を、その人本人が常に提供する必要なくAIが代行できる…ってことですよね。

―渡辺
そんな感じですかね(笑)ただもちろん、そこにはサジェストする商品なり情報なりが存在しないと意味がないので。

先日のSENSY botを始め、ECサイト上にて使えるSENSY Closet、リアル店舗で活用しやすいSENSY DMなど。AIと商品とユーザーをつなぐチャネルプロダクトはしっかり提供していく予定です。

情報の流通量が増えすぎたことで発生した「人と情報のミスマッチ」をどんどん少なくしていくこと。それが僕達の理念ですから。

最後の最後に「SENSY」の理念『全ての人々に、人生が変わる出会いを。』を絡めたいい感じの〆コメント、ありがとうございます。

おわりに:中村の編集後記

実はまだここに書けないほどの最新情報を聞かせていただくことができた本インタビューでしたが、これ以上書くと怒られるので我慢します。

今後のカラフル・ボード株式会社「SENSY」からのリリース、そして多分そこに相乗りするであろうデジマラボからの続報を、ぜひお楽しみに!ですね。

ということで渡辺さん、お忙しい中本当にありがとうございました!次はコラボ企画持ってまた来ます!

ではまたー。

中村 健太 by 中村 健太
数多くのメディアコンサルとコンテンツクリエイティブに関わってきた経験を持つ株式会社ビットエーのCMO。KaizenPlatformのグロースコンサルとしても知られ、2014年より一般社団法人日本ディレクション協会の会長を務める。主な著書に「Webディレクターの教科書」「Webディレクション最新常識」など。

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