Moz - SEOとインバウンドマーケティングの実践情報

クロスドメインの「rel="canonical"」をうまく使ってコンテンツのSEO価値を最大化するには

異なるドメイン名の間でのrel="canonical"についてあらゆる側面からランドが考察している今回のホワイトボード・フライデーは必読だ

同じコンテンツを、別サイトにも掲載している? そんな場合に使えるタグがある。「rel="canonical"」を使用すると、複数のドメイン名上に類似のコンテンツまたは同じコンテンツが存在することをグーグルに通知できる。

そしてこのタグは、さまざまな方法で賢く応用できる。所有する複数のドメイン名にわたってコンテンツをクロス投稿することもできるし、自分の作ったコンテンツを他の人に再公開してもらうことで恩恵を受けることもできる。また、他のサイトのコンテンツをレンタルしたり購入したりできるほか、Mediumなどサードパーティーの配信ネットワークを安全に利用してクチコミで広めることもできる。

異なるドメイン名の間でのrel="canonical"についてあらゆる側面からランドが考察している今回のホワイトボード・フライデーは必読だ。

クロスドメインのURL正規化タグ「rel="canonical"」――SEOの価値を最大化するには
リンクオーソリティやランキングシグナルの90%以上
複数のドメインやページから、任意のURLを参照できる
一致させる必要がある要素(理想としては)
□ページコンテンツ(テキストや画像など)
□見出し
□(コンテンツ内の)リンク
一致させる必要がない要素
□URL
□タイトル
□ナビゲーション
□サイトのブランディング
rel="canonical"プロトコルの使い方
(1) 複数のドメイン名を運営していて、コンテンツをクロス投稿したい場合は、SEOの利点や検索順位決定要因を獲得させたいコンテンツを選択する。
(2) パブリッシャーが自らのドメインに君の記事を再公開したがっている場合は、リンクバックではなく(またはリンクバックに加えて)、「rel="canonnical"」の設定を依頼する。
(3) 他のドメイン名のコンテンツを削除させることなく、そのサイトからコンテンツを購入またはレンタルする。
(4) 重複コンテンツの問題を引き起こすことなく、Mediumをコンテンツ配信ネットワークとして利用する。

Mozファンのみんな、こんにちは。ホワイトボード・フライデーにようこそ。今回は、クロスドメインの「rel="canonical"」タグを取り上げよう。

rel="canonical"」については以前に少し話したことがある

そのときは「重複コンテンツの問題に対処するための使い方」について、つまり「類似のコンテンツまたはまったく同じコンテンツを共有している可能性のあるサイト内の他のページから、正しいページをグーグルに参照させるための使い方」について説明したことがある。

しかし、クロスドメイン(別サイト間での)の「rel="canonical"は、特有というか他に類を見ない強力なツールだ。要は、「実は他のドメイン名にも同じコンテンツがあるんだけどね」とグーグルに伝えるためのものだ。

他のドメイン名のコンテンツから被リンクやオーソリティの評価をそのまま渡せる

まずは単純化した例で示そう。

僕が作ったアオウミガメ(green turtle)に関するコンテンツが、僕のサイトにあるとする。

それを気に入った友人が、自分のサイトでも同じコンテンツを掲載したいと言った。僕は「もちろん、再公開してもらってまったく問題ないよ」と言い、僕のアオウミガメ記事は友人のサイトにも掲載(転載)された。

しかし、僕としてはSEO的な問題が起こるのは望んでいない。

重複コンテンツも望んでいない。検索結果で、友人のサイトが自分のサイトより上位に表示されるのも困る。友人のサイトの方が、優れたリンクなどのランキングシグナル(検索順位決定要因)を備えているかもしれないからだ。それに、友人のサイトが獲得するランキングクレジットやリンクまたはオーソリティシグナルはすべて、僕のサイトのものになってほしいと考える。元のコンテンツを作ったのは僕なのだから。

それができる方法がある。それがクロスドメインの「rel="canonical"で、グーグルが2009年に導入したものだ。

左が友人のサイトに転載したコンテンツ、右が僕のサイトにあるオリジナルのコンテンツ

基本的には、“評価を渡す元”ページ(この場合は友人のサイトのページ)のhead要素内に、次のようなタグを追加する。

<link rel="canonical" href="XXX">

リンクタグなのでhrefを入れるが、そこ(上の例では「XXX」の部分)には、“評価を渡す先”ページ(この場合は僕のサイトのページ)のURLを指定する。

するとグーグルは、rel="canonical"のhrefで指定したURLに評価を移動する。

これは推測だが、主にSEOの世界では、301リダイレクトとほとんど同じように機能すると考えられている。そのため、リンクオーソリティやランキングシグナルのほぼ9割以上はFriendsSite.comからMySite.comに引き渡されることになる。

こうしておくことで、グーグルの検索結果に表示されるのは、友人のサイトに置いてあるアオウミガメのページではなく、僕のサイトにあるアオウミガメのページになる可能性が高くなる。リンクなどのランキングシグナルを獲得するのは僕のページなので、そうしたオーソリティやリンクは僕のページに引き渡されるのだ。

これは、さまざまな面で理想的な状況だ。

複数のドメイン名やページから、任意のURLを参照できる

“評価を渡す元”のページが複数あっても、さらにはそれが複数のドメイン名にあっても、まったく問題ない。FriendsSite.comでもできるし、TurtleDudes.comやLeatherbackFriends.net、SeaTees.com、NatureIsLit.comでもできる。どのサイトでも、クロスドメインの「rel="canonical"」を追加して、ぼくのページを参照させられる。

これは、SEOの価値を一切損なうことなく、他のサイトにコンテンツをライセンス供与して他者が再公開できるようにする素晴らしい方法だ。

一致させる必要がある要素:

  • ページコンテンツは、必ず一致させる必要がある

    これには、テキストや画像、動画を埋め込んだ場合は動画など、ページ上のあらゆる要素が含まれる。

  • 見出し

    メインとなる大見出しは、理想的としては、一致させる必要がある。ページコンテンツよりやや重要性は低いが、できれば大見出しは一致させたい。

  • (コンテンツ内の)リンク

    これも一致させる必要がある。

以上の3つをチェックしよう。これは、グーグルに「rel="canonical"」を正しく認識してもらう優れた方法だ。

一致させる必要がない要素:

  • URL

    URL(のパターン)が違っても問題はない。上の例のなかに次のようなURLがあるのに気づいただろうか。

    NatureIsLit.com/turtles/p?id=679

    これも問題ない。オリジナルのページも他の転載サイトもURLのパス部分が「green-turtles」だが、それと同じである必要はない。他者のサイトとは異なるURL構造にできる。グーグルも問題視しない。

  • ページタイトル

    多くの場合、クロスドメインの「rel="canonical"」は異なるページタイトルで使われる。そのため、たとえばSeaTees.comで違うタイトルのコンテンツを公開したければ、そうしていい。

    僕は一般論として大見出しは同じにしておくことを推奨するが、タイトルは違っていても問題ない。

  • ナビゲーション

    サイトのブランディング

    これらは、コンテンツの周りにあるあらゆる要素だ。

    仮に僕のページ上で、ある場所にナビゲーション要素があり、別の場所にもナビゲーション要素があり、下部にフッターがあり、左上に小さく素敵なロゴが入っていたとする。

    そして、クロスドメインの「rel="canonical"」を指定している転載した他のページでは、僕のサイトとまったく違うナビゲーションや周辺要素を掲載していたとする。

    大丈夫だ。こういった要素は一致していなくても構わない。問題なのはグーグルが参照する要素、つまりページ内のコンテンツなのだから。

rel="canonical"プロトコルのさまざまな使い方

クロスドメインの「rel="canonical"」の素晴らしい使い方を、いくつか紹介しよう。

1. 複数のドメイン名でサイトを運営していて、コンテンツをクロス投稿する場合は、SEOの利点や検索順位決定要因を獲得させたいコンテンツを選んで指定できる。

何らかの理由で複数のドメイン名でサイトを運用しているとする。そして、ある1件のコンテンツをこれらの複数のドメイン名公開したいとしよう。要はコンテンツの再利用やマルチポスト(クロス投稿)だ。

ただし、重複コンテンツの問題には悩まされたくないし、ランキングシグナルを受け取れるのは1つのサイトだけにしたいとする。

こういう場合は、クロスドメインの「rel="canonical"」が味方だ。グーグルに対し、「このコンテンツで評価されるべきはサイトAでもサイトCでもない、すべてのクレジットはサイトBが得るべきだ」と伝えられる。

ただし注意点がある。rel="canonical"での指定先を複数のドメイン名にばらけさせようとしてはいけないということだ。つまり、「サイトAはサイトBに正規化し、サイトCはサイトDに正規化し、検索結果で2つのサイトが上位に表示されるようにしよう」と考えてはいけない。それはやめよう。

すべてのサイトから1つのページを参照させる必要がある。それこそが、グーグルにクロスドメインの「rel="canonical"」を適切に認識してもらえる最善の方法だ。

2. パブリッシャーが自らのドメイン名に君の記事を転載したがっている場合は、リンクバックではなく(またはリンクバックに加えて)「rel="canonical"」の設定を依頼する。

パブリッシャー(メディア)から連絡が来て、「この記事は実に素晴らしいですね」などと言われたとする。

実際に僕の妻ジェラルディンは、(著名なシェフの)マリオ・バタリ氏がセクハラについて謝罪した書簡と、彼がその謝罪のなかでなぜかシナモンロールのレシピに言及したことについて、記事を書いた。

この記事はかなり拡散されて、影響力が強く密なネットワークを築いている膨大な数の人々にシェアされ、多くのパブリッシャーからもシェアされた。

そして、英ガーディアン紙から連絡が来たのだ。オーストラリアの新聞からも連絡が来て、「あなたの記事を再公開したいのですが」と言われた。ジェラルディンはエージェントと相談して、料金などを決めた。

こうした場合に、転載料を受け取るのに加えて、さらにそこから恩恵を受けるためにできることがある。ガーディアンなどの新聞からリンクを獲得するのも良いことだが、次のように頼んでみるといい。

掲載してもらえるなら嬉しいです。差し支えがある場合には、著者のクレジットやリンククレジットを追加していただかなくても構わないのですが、「rel="canonical"」は非常に重要なのでぜひ設定をお願いします

これは、自分の記事を他の人のサイトで公開してもらう場合に、SEOの効果を最大限に高める素晴らしい方法だ。なぜなら、1件のリンクを獲得するだけではなく、その記事が生み出し得るすべてのリンクからクレジットを受け取ることになるからだ。

3. 他のドメイン名のコンテンツを削除させることなく、そのサイトからコンテンツを購入またはレンタルする。

次に、逆の立場になったとしよう。僕はパブリッシャー(メディア)側の人間だ。あるコンテンツを見て気に入り、そのコンテンツを手に入れたくなった。

そこで、こう考える。

このコンテンツは素晴らしい。ただ、思っていたほど話題にはなっていないようだ。これを僕たちのサイトに掲載してうちのオーディエンスに広めたら、驚くほどうまくいくはずだ。

記事の執筆者に連絡して、コンテンツを購入できるか、または一定期間レンタルできるか確認してみよう。たとえば今後2年間、著者のサイトにクロスドメインの「rel="canonical"」を追加して僕たちのサイトを参照するように設定してもらい、コンテンツは僕たちがホスティングするんだ。

2年後にはコンテンツを返す。「rel="canonical"」を削除すれば、また著者のものだ。

著者のサイトからコンテンツを削除してもらう必要はない。パブリッシャーは著者に対して次のように言えばいい。

サイト上にコンテンツを置いておいてもらっていい。僕たちは構わない。僕たちはただ、「rel="canonical"」タグを設定してもらって、僕たちのサイトで再公開する権限が欲しいだけだ。

これで、君はそのコンテンツが持つSEOの利点を得られるし、著者の側はそれと引き換えにいくらかの報酬を得られる。君のサイトは相手に報酬を送って、相手のサイトは君に、正規化によるランキングオーソリティやリンク資産など、あらゆる素晴らしいものを送ってくれるのだ。

4. 重複コンテンツの問題を引き起こすことなく、Mediumをコンテンツ配信ネットワークとして利用する。

4つ目の活用方法は、Mediumだ(Mediumは、日本でも利用が増えているメディアプラットフォーム)。

Mediumはコンテンツを公開するのに素晴らしい場所だ。広範なネットワークを有しているし、ユーザーはコンテンツを消費することに心から関心を抱いている。

しかし、素晴らしい配信ネットワークであるMediumにも、1つ課題がある。「Medium.com」というドメイン名が非常に強力で、検索結果でも特に上位に表示されることが多いということだ。

そのため人々は、「Medium上で記事を公開すると、同じ記事を自分のサイトに公開できない(しても意味がない)」と懸念してしまう。Medium.comと競争することになるからだ。重複コンテンツが問題となり、検索から得られたはずのランキングシグナルやトラフィックをMediumに取られる可能性が高いというのは、面白くない。

しかし、Mediumは素晴らしいものを用意している。インポートツールに、クロスドメインの「rel="canonical"」が組み込まれているのだ。

Mediumアカウントにログインした状態でMedium.com/p/importにアクセスすると、URLを指定する画面が表示される。

そこで自分のサイトに公開したコンテンツのURLを指定すると、MediumはそのコンテンツをあなたのMediumアカウントで再公開してくれるのだが、そのページにはクロスドメインの「rel="canonical"」が自動的に指定されている。

これで、重複コンテンツの問題に起因するペナルティや問題なしに、Mediumを本質的には配信ネットワークとして利用できるようになる。本当に素晴らしいツールだ。

Mediumがこのツールを提供してくれていることは本当に素晴らしい。これからも提供し続けてくれることを願っている。

クロスドメインの「rel="canonical"」とその使い方について、他にも優れたアイデアはあるだろうか? 良い使い方を知っていたら、ぜひ教えてほしい。

この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

EC
「EC」は、Electronic Commerce(電子商取引)の略。Eコマース ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]