直帰率をSEO観点で下げる超シンプルな7つの方法【前編:直帰率が高いのは悪いこと?】
直帰率が高いのは悪いことだろうか?
答えは状況によるが、悪い場合もある。しかし、問い掛けを次のようにすると問題は少し複雑になる。
直帰率が高いのはSEOにとって悪いことだろうか?
今回のホワイトボード・フライデーでは、直帰率に対処し、エンゲージメントと満足度を高めてユーザーをより幸せにするSEOの7つの超シンプルなヒント(方法)をサイラス・シェパード氏が紹介してくれる。
Mozファンのみんな、ホワイトボード・フライデーにようこそ。僕の名前はサイラス・シェパード。今回は直帰率について、具体的には直帰率を下げる超シンプルな7つの方法について取り上げる。
7つの方法に入る前に、前提となる基本的なことを解説しておこう。
「直帰率(ちょっきりつ)」とは何か、多くの人はすでに知っているだろう。よく知らない人のために説明すると、直帰率とは分析上の用語だ。「直帰」とは簡単に言えば、次のようなアクセスのことだ:
- 1ページだけの訪問
- インタラクション(ボタンのクリックなど)を伴わない訪問
グーグルなど別のウェブサイトから来た訪問者が、ある1ページだけを訪問して、インタラクションもなく帰ってしまうと、それは直帰と見なされる。直帰率が高いということは、全体の訪問のなかで直帰が多いということだだ。
では、直帰率が高いのは悪いことだろうか? これはよくある質問だ。答えは、「確かに、悪いこともある」だ。
たとえば、多くの人が君のホームページを訪問していて、これらのユーザーを購入ページや申し込みページに誘導したい場合、直帰率は高くあってほしくない。そうした場合、直帰率の高さが悪いことであるのは間違いない。
しかし、直帰率が高いのはSEOにとっても悪いことだろうか? こう聞かれると、話は少し複雑になる。
ここではっきりさせておきたいのだが、グーグルは検索順位の決定に直帰率のデータそのものは利用していない。直帰率はグーグルの検索順位決定シグナルではない。
とはいえ、グーグルが、僕たちにはアクセスできない何らかのSEOのエンゲージメントシグナルを利用していることを示す証拠がたくさんあることはわかっている。
したがって、そういう意味で直帰率はエンゲージメントや満足度を表すシグナルだと考えることができるし、まさにこれこそが、ぼくたちが把握したいことだ。ぼくたちが本当に知りたいのは「どれぐらい直帰したか」ではなく「ユーザーがどれほど満足しているか、どれだけページにエンゲージしているか」なのだ。場合によっては、これがSEOの役に立つという証拠がある。
直帰率を下げるだけで、自動的にグーグルでの検索順位が上がるわけではない。そんな話ではない。しかし、直帰率を下げると、プラスの効果が得られることもある。実際、訪問者の満足度が高まる可能性がある。
7つの方法を詳しく見ていく前に強調したい:
直帰率の数字を下げることは、目的ではない。それは単なる数字だ。何の意味もない。
真の目的は、エンゲージメントを高め、満足度を高め、ユーザーをより幸せにすることだ。
直帰率を下げるだけでは何の意味もない。しかし、ユーザーをより幸せにして、ユーザーが探している情報を提供できれば、それこそ僕たちやろうとしていることだ。それをどれぐらいうまくできているかを測るために、
- サイト滞在時間
- 訪問したページ数
- 直帰率
といった指標を併せて使うのだ。
僕たちはユーザーをより幸せにしようとしている。それにはどうすればいいだろうか? どうすれば、直帰率を下げられるだろうか?
ここで、7つの簡単なヒントを示そう。SEOにおいてはごく基本的なものだ。
直帰率を下げる超シンプルな7つの方法①
ページの表示速度
まず、ページの表示速度だ。そこまで魅力的な解決策というわけではないが、ここに含めたのは、すべてのヒントのなかでページの速度を改善することが、おそらく直帰率の低下を保証する第1の方法だからだ。
僕は何百件ものサイトで、その効果を見てきた。サイトを高速化すると直帰率は下がる。なぜか?
1つは、コンテンツにすぐにアクセスできる人が増えるからだ。ページが読み込まれるのを待つ必要はない。地下鉄の中でスマホからアクセスしていても、すぐに読み込まれる。
第2に、たとえば画像が表示されるのを待っているだけよりも、良い体験ができるからだ。
ページの表示速度を上げれば、直帰率はほぼ確実に下がる。これこそが、ウェブサイトの表示速度を改善する第1の理由だと思う。そう、表示速度はグーグルの検索順位決定要因だ。グーグルの検索順位決定要因として認められている。ただし、ほとんどの場合、それはごく小さな要素にすぎない。
だが、表示速度を改善することでエンゲージメントや満足度を高めれば、そこから派生した効果によるSEOへの影響ははるかに大きく、広範囲に及ぶ。表示速度を改善する1番の理由はこれであり、検索順位のためではない。これには、やがて本格的な運用が始まるコア ウェブ バイタルも含まれており、近く検索順位決定要因になるだろう。これを改善する方法に関するリソースへのリンクも付記しておく。
直帰率を下げる超シンプルな7つの方法②
対応する検索意図の幅を広げる
第1のヒントは「表示速度を上げる」だった。そして第2のヒントは、対応する検索意図の幅を広げることだ。
どういうことかと言うと、「そもそも君のサイトは、ユーザーがサイトに来るときに抱いている意図に応えているか」ということだ。
たとえば、誰かがグーグルで次のキーワードを検索したとるする:
- 「Nike shoes」(ナイキ シューズ)
僕たちは「Nike shoes」に対して表示されるようにしたいのだが、検索した人の意図はよくわからない。ユーザーは、
ナイキのシューズを購入したいのか?
さまざまなナイキのシューズのレビューを探しているのか?
ナイキのシューズの写真を探しているのか?
どれもあり得ることだ。そうした意図に対してページ内でより幅広く対応したり、他のリソースにリンクしたりできるほど、エンゲージメントや直帰率は改善する。
綿密な競合分析
では、どうすればいいか? まず、競合分析を徹底して行いたい。次のようなアクションだ:
狙っている検索キーワードでいま検索上位を獲得しているページを確認する。
すべての検索結果とうまくいっているコンテンツをよく見る。
そこから想定されるユーザーの検索意図に、自分のサイトのコンテンツが応えられているかを確認する。
上位10件の検索結果と同じタイプのコンテンツを提供していないのであれば、おそらく君はその意図にうまく対応できていない。したがって、コンテンツを手直しするほうがいいかもしれない。
質問に答える
次にやるべきことは、質問にもっと突っ込んだ回答を返すことだ。
長いコンテンツは一般に検索結果でのパフォーマンスが高いことがわかっている。コンテンツが長いこと自体は検索順位決定要因ではない。だが、質問への答えが完全であればあるほど、通常は効果も高くなる。そのため、質問にうまく答えるだけで、意図をより満足させられる。
関連コンテンツへのリンク
最後にやるのは、関連する意図にリンクを張ることで、これは僕のいちばんのテクニックだ。
例で説明しよう、MozではSEOのさまざまなトピックについて書かれた記事が大量にある。たとえばcanonicalタグに関する記事だけでも何十本もある。記事ごとに少しずつ異なる検索意図を想定しているのだが、これらのページにアクセスしてくる人は、canonicalタグに関する情報を求めているだろう。であれば、canonicalタグに関する他のすべてのページへのリンクを各ページの目立つ場所に表示するといい。
最近では、記事の最後に小さなウィジェットのような形で関連記事が記載されているのをよく見かける。しかし僕なら、総じてコンテンツのもっと上のほうに配置することで、ユーザーの目に触れるようにして、リンクを確認したりクリックしたりできるようにしたい。そのページだけでは意図を完全には満たせないかもしれないが、あらゆる関連リソースにリンクすることで、意図を満たせるようになるからだ。
ユーザーがリンクをクリックして他のページを見に行った時点で、相手の意図を満たすことになり、直帰率は下がる。だから、自分のサイトに関連する記事を見つけて、目立つようにリンクしよう。きっとうまくいくはずだ。
この記事は、前後編の2回に分けてお届けする。今回は直帰率に関する基本的な考え方と2つのヒントを紹介したが、後編となる次回は、残る5つのヒント、「スマートCTA」「逆ピラミッド型の文章構成」「サイト内検索」「メディアの追加」「レイジクリック/デッドクリック」について説明する。
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