YouTubeの日本の利用率は77%とGoogleが発表(2016年調査結果)
Googleは、YouTubeがどんな状況で、どんな感情で利用しているのかという視聴実態を明らかにする定量調査と定性調査を実施して、その結果を発表した。
定量調査の結果から次のようなことがわかった。
- YouTubeを使ったことがあると回答したユーザーは77%
- 男女とも年代別に比較すると10代の利用率が一番高い
- YouTubeユーザー、オンラインユーザーの年代別構成比では、20~34歳、35~49歳の割合が高い
日本におけるYouTubeの利用率は77%
月に1回以上ネットにアクセスする15~59歳までの8510人を対象に、ネットアンケートで調査を実施した。対象者のうち、YouTubeを1回でも利用したことがあると回答したユーザーは77%だった。男女とも10代(15~19歳)の若年層の利用率が最も高く、男性では90%、女性では89%が利用したことがあると回答した。
オンラインユーザーとYouTubeユーザーの構成比
YouTubeの利用率だけを比較すると、10代の若年層の利用率が高かった。一方で、オンラインユーザー、週に1回以上YouTubeを利用するYouTubeユーザーの年代別の構成比では、20~34歳、35~49歳の利用率が高く、男女ともに30%を超えていた。
調査にあたった、グーグル合同会社マーケットインサイトマーケティングリサーチマネージャー多田翼氏は、この調査結果について次のように述べた。
YouTubeは若年層が利用者の中心だという概念があった。しかし、それ以外の層でも利用率が高いことがわかった。そのため、時間に制約がある人(次に紹介する3セグメント)は、どういった利用をしているのかもっと深掘りして調べる必要がある。
3セグメントで深掘り調査
利用実態を深掘りするため、次の3つのセグメントに対して1対1のインタビュー調査(定性調査)を実施した。
- 母親
- 有職者の20~34歳の女性
- 有職者の20~34歳の男性
それぞれのセグメントで共通している利用目的として、次の3つが挙げられた。
- 気分を変えるため
- 自分の学びを得るため
- 仲間や子供とのコミュニケーションのため
これらの調査結果から、GoogleはYouTubeの価値を次のように分析する。
定性調査の結果に関して、「利用するタイミング」や「どんな動画をどのように視聴するのか」に加え、「YouTubeを利用するコンテキスト」「利用したことによって得た体験」「そこから読み取れるYouTubeの価値」という軸で、それぞれのセグメントを分析している。順に説明していこう。
母親のストーリー
母親たちがYouTubeを利用する時間帯は、主に家事が終わったタイミングだという。子供とのコミュニケーションの1つとして利用したり、気分を上げるために利用したりするという。
利用方法としては、検索キーワードを打ち込んで目的の動画を視聴することもあるが、トップページの急上昇から発見を得ることもある。
母親のストーリーでは、2つの具体的なストーリーが紹介された。
ストーリー① 子供とのコミュニケーションとしてYouTubeを利用する
子供が学校であったことを聞いてもなかなか話してくれないという母親は、子供と気軽に接したいというコンテキストでYouTubeを利用し、学習に関する動画を見ているという。教科書では、わかりづらい天文学に関する動画や自分では教えられない理系の動画などを視聴。その動画をきっかけに、子供との会話が広がるといった内容が紹介された。
ストーリー② 気分を上げるためにYouTubeを利用する
家事の中で特にガスコンロなどの細かい掃除が苦手だという母親は、苦手な掃除を行う前に気分を変えるために動画を視聴するという。ミュージックビデオなど自分が好きな動画を集中して見ることで、前向きになり、苦手な掃除でも意欲が湧くという内容が紹介された。
フルタイムで働く20~34歳の女性のストーリー
次に、有職者の20~34歳の女性のストーリーが紹介された。
働く女性がYouTubeを利用するタイミングは、通勤などの移動中や帰宅してからだという。利用方法は、母親たちと同じく検索キーワードから自身が好きな動画を視聴したり、急上昇から探し関連動画を視聴したりするようだ。視聴動画は、英会話や動物の動画、最新家電を紹介する動画などが紹介された。
仕事や人付き合いに疲れた自分を癒すというコンテキストで、自分が一番リラックスできる状態で20~30分動画を視聴。動画を見ることで、素の自分になれ、自分だけの時間を楽しめるという。
フルタイムで働く20~34歳の男性のストーリー
最後に、有職者の20~34歳の男性のストーリーが紹介された。
働く男性がYouTubeを利用するタイミングは、出勤中や昼食時、仕事を終えてリラックスした時間だという。スポーツやライブ動画、トレーニング動画などを視聴する。
自分が見つけたおもしろい動画を友人に共有し、相手の反応を伺うといった利用状況が説明された。
今回の調査では、デバイスによる利用実態の違いは、対象となっていない。動画視聴はするが、コメントやいいねなどの積極的な利用は見受けられなかった。また、コミュニケーションツールとして利用するが、それはフェイスtoフェイスでの会話やメールアプリでの利用であり、他のソーシャルメディアで活発に情報を共有するといった利用実態も得られなかったという。
定量調査の調査概要
- 調査目的:YouTubeの利用実態を明らかにする
- 調査手法:ネットアンケート
- 調査対象者:日本のネットユーザー15~59歳
- サンプル数:8510(日本のネットユーザー人口を反映するようウェイトバック)
- 調査実査期間:2016年11月25日~28日
- リサーチ会社:ニールセンデジタル株式会社
定性調査の調査概要
- 調査目的:YouTubeの利用実態を明らかにする
- 調査手法:1対1のインタビュー(60分)
- 調査対象者:YouTubeの利用者(1日に1回以上かつ1日に3時間未満利用)
- 母親
- フルタイムで働く20~34歳の女性
- フルタイムで働く20~34歳の男性
- サンプル数:12
- 調査実査期間:2016年12月1日~3日
- リサーチ会社:株式会社イード
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