世界の広告費、2018年予測を6,135億ドルに上方修正。米中が牽引【電通イージス・ネットワーク予測】
電通の海外本社である「電通イージス・ネットワーク」は、世界59カ国・地域から収集したデータに基づき、「世界の広告費成長率予測」を取りまとめた。この予測は年に2回公表されており、今回は2017年実績の確定と2018年予測の改定、2019年の新規予測が行われている。
- 2018年1月に公表された前回の予測はこちら:https://webtan.impress.co.jp/n/2018/01/29/28154
地域・国別:米中が好調。ラテンアメリカを除く全地域が上方修正
電通イージス・ネットワークは2018年の世界の広告費を過去最高の6,135億ドル(2017年比3.9%増)と予測。2018年1月に公表された予測(5,895億ドル、3.6%増)から上方修正している。
2018年の上方修正の背景には、主要広告市場における堅調な成長、とりわけデジタル広告のさらなる拡大と、「2018年平昌冬季オリンピック・パラリンピック競技大会」「2018 FIFAワールドカップ・ロシア大会」「米国の中間選挙」など大型イベントによる貢献があるとのこと。
2019年についても前年比3.8%の堅調な伸びを予測している。これにより世界の総広告費は、リーマンショックの影響を受けた2009年以来、10年連続でプラス成長となる見通し。
地域別にみると、市場規模で世界1位、2位にある米国と中国に加え、西ヨーロッパの英国やフランス、また東ヨーロッパのロシアなどが堅調であることから、ラテンアメリカを除く全地域が上方修正されている。
なお、世界第3位の広告市場である日本については、2018年の成長率を1.5%と見込んでいる。前回予測の1.6%から下方修正した理由として、前年実績が予想を超えて着地(予測は1.0%、実績は1.6%)したことが挙げられている。
媒体別:デジタルは好調を維持し、2019年は11.3%増。中心は動画とソーシャル
媒体別にみると、デジタル広告費は堅調を維持し、今後も二桁成長が続く見通し。世界の総広告費に占めるデジタル広告費のシェアは、2018年にはテレビ広告費を上回る38.4%となり、2019年には40%を超えると予測されている。
デジタル広告費の成長のけん引役はオンライン動画広告とソーシャルメディア広告であり、2018年の成長率はそれぞれ24.6%(前回予測は24.5%)、21.6%(同23.5%)となる見通し。デジタル広告費をデバイス別にみると、モバイル向けがひきつづき伸長し、2018年には52.2%に達すると予測されている。
また2018年には、調査対象の59カ国・地域のうち21カ国・地域において、デジタル広告が媒体別広告費でトップになると予測されている。
調査概要
- 【調査対象】主要59カ国・地域
- 【調査方法】同社の世界ネットワークを通じて収集した情報に基づき、独自に分析・推計
- 【発表時期】2018年6月
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