コンテンツマーケティングで成果を上げる企業、「新規記事制作予算」や「専任メンバー数」は成果と関連なし!【WACUL調べ】
WACUL(ワカル)の社内研究所であるWACUL Technology&Marketing Lab.は、「コンテンツマーケティング」について調査分析した結果を発表した。Googleアナリティクスより得られる定量データに加え、運営コストや評価方法に関するアンケート調査による定性データから、各企業の運営体制を考察している。
なおコンテンツマーケティングは、「自社が運営するブログ・記事メディア(オウンドメディア)においてコンテンツを公開し、リード獲得・売上創出を狙う施策」と定義されている。また本調査の有効回答数は41社で、調査母数がきわめて少ない点に留意してほしい。
コンテンツの売上への貢献は6割超、ただし1年以上の長期取組は必須
まず「ブログ・記事メディア経由で獲得したリードが売上につながっているか」を聞くと、「まだ売上につながっていない」とした企業は15社(36.6%)で、残る6割超が反応を得ていた。「売上につながり始めたタイミング」では「6か月以上~1年未満」24.4%が最多ながら、「3か月未満」あるいは「3年以上」と回答した企業も存在する。全体では「2年未満」が過半数を占めている。
そこで「すでに売上につながっている企業」と「そうでない企業」を比較してみた。「ブログ・記事メディアの主たるターゲット」「メディアを立ち上げた年」について明確な差はなかったが、「新規売上の3~10割がメディア経由」と答えた成功企業11社のうち10社が「2018年以前」と答えており、売上への貢献には1年以上の長期的な取り組みが必要だと考えられる。
コンテンツの実際の運営状況、PVをいかにリード獲得につなげるかがカギ
「直近1年の新規公開記事の月間平均本数」「直近1年のリライト記事の月間平均本数」を聞くと、新規は「月4本(≒週1本)」リライトは「月0本」と回答した企業が多かった。新規記事公開本数は成果と関連性がなく、1日1本以上公開していても売上につながっていない企業もあったという。
ただし同社の過去の研究では「累計の記事本数が、PVやリード数に相関する」とされている。「記事のリライト」について、全体では半数が未着手な一方、すでに売上につながっているとした企業では約7割がリライトに取り組んでおり、成果を上げていた。
売上につながっている企業とそうでない企業では「直近1年の平均月間PV」に明確な差があり、「直近1年の平均月間リード獲得数」では、14倍の差があった。
ただし、月間10万PV以上獲得していても売上につながっていない企業もあり、リード数ほどは売上に直結しない指標であるという。PVをいかにリード獲得につなげるかが、大切であると言える。
新規記事制作予算や専任メンバー数は、成果と関連なし!
続いて運営コストを計るべく、「1本の新規記事制作にかけている予算」「運営に携わっている社内メンバー数」「社内メンバー数のうち、専任の人数」を聞くと、中央値は、20,000円、運営メンバー2人、専任メンバー1人だった。専任メンバー0人という企業が43.9%(18社)で、兼任体制が主流のようだ。一方、新規記事制作予算や専任メンバー数は、成果との関連性がなかった。
また効果検証の頻度も「週に1回~月に1回」が7割以上ながら、成果との関連性はあまり見受けられなかった。
運営メンバーの評価については、売上につながっている企業ほど、「PV」だけではなく「リード数」「記事公開本数(リライト含む)」を評価項目に入れていた。
なおブログ・記事メディア運営を「経営陣が立ち上げを主導した」のは18社(43.9%)、「経営陣自ら記事執筆をおこなっている」は15社(36.6%)など、積極的に関わろうという姿勢が見受けられた。パートナー会社との関わりでは、「パートナー会社はいない(内製)」41.5%が多い一方、パートナー会社がある場合は「SEO記事執筆業務」34.1%が最多だった。
本調査の結果に対し、ベイジ代表の枌谷力氏は、「マーケティング施策の精度を突き詰めようとすると、『良質なコンテンツが必要だ』という結論になります。(中略)不確実性が高い領域を扱う場合、『信じて突き詰められるか?』は、成功を左右する大事な条件になってきます」とのコメントを寄せている。
調査概要
- 【調査対象】製品/サービスへの送客を目的としたブログ・記事メディアを運営している、もしくは運営していた企業(本業としてブログ・記事メディアを運営している企業は除く)
- 【調査期間】2020年5月29日~6月8日
- 【有効回答数】41社
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