キャッシュレス決済利用のヘビー層vs.ライト層、特に感覚が異なるのは「自身の生活との相性がいいかどうか」【インテージ調べ】

利用頻度で5段階に分類し、年齢や世帯年収との関係を分析。

インテージは、「ポイント還元制度でキャッシュレス化はどれだけ進んだ?~買い物行動ログで追う利用実態~」と題した調査の結果を発表した。インテージの消費者パネル「SCI Payment」のデータを利用し、キャッシュレス決済の実態について分析している。

キャッシュレス決済「ライト層~ミドル層(3段階)~ヘビー層」での違いを見る

まず「日常の買い物における現金/キャッシュレス決済の比率」を見ると、ポイント還元制度が導入された2019年10月前・後を境に、キャッシュレス決済の比率が45%→約60%まで上昇し、2020年6月の制度終了後も数値は下がらず、定着していることが明らかとなった。

さらに細分化し、「1週間の日常の買い物における現金/カード決済/電子マネー/コード決済/その他の比率」を見ると、「現金」が最多ながらわずかに下降しており、代わりにカード決済/電子マネー/コード決済が大きく増加している。特にコード決済は3倍以上の伸びを示した。

買い物におけるキャッシュレス決済比率で、「ライト層~ミドル層(3段階)~ヘビー層」の5段階によりユーザーを分類し、キャッシュレス・ポイント還元事業の前後での変化を見ると、年代別ではどの年代でもライト層が減少しヘビー層が増加していた。特に50代での入れ替わりが顕著だ。世帯年収別では年収が少ない層ほどヘビー層の伸びが大きい。

 

さらに詳細に、キャッシュレス決済に対する意識を探るため、28の意識項目について当てはまる度合いを5段階で割り当てたところ、キャッシュレス決済に関わる考え方は、おおむね9つの要素に集約されたという。それについて、「ライト層~ミドル層(3段階)~ヘビー層」の5段階を当てはめると、ライト層とヘビー層とで対照的な動きになっているほか、「自身の生活との相性がいい」では、特に当てはまるか当てはまらないかで顕著な差が現れた。

ライト層ほど当てはまりヘビー層ほど当てはまらないとなったのは、「支出管理が難しくなる」「セキュリティリスクを感じる」といった意識で、こうした感覚を持つ層ほどキャッシュレス決済を避けていると考えられるが、ポイント還元キャンペーンなどでは払拭が難しいだろう。今後業者は、異なる施策を打ち出す必要があると考えられる。

調査概要

  • 【調査対象】全国15~79歳の男女
  • 【調査方法】インテージの消費者パネル「SCI Payment」から対象者を抽出しアンケート配信
  • 【調査期間】2020年10月9日~11月3日
  • 【標本サイズ】n=2,854
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