凸版印刷がICタグ「SMARTICS-U」シリーズでプラスチックを使わない環境配慮型ラベルを販売

環境課題に対応、森林認証制度のFSC認証を受けた紙をアンテナ基材に利用、通信性能は維持

凸版印刷は、流通・小売店や製造業、施設管理向けに展開する商品情報が管理できるUHF帯ICタグ「SMARTICS-U(スマーティックス・ユー)」シリーズで、プラスチックを使わない環境配慮型ICタグラベルの販売を10月に始める、と10月4日発表した。森林認証制度「FSC(森林管理協議会)認証」を受けた紙をアンテナ基材に利用した。従来品と比べ、100万枚で約110Kgのプラスチック樹脂が削減できる。

環境配慮型ICタグラベル用の紙のアンテナ基材

インフラ、製造、物流など社会・経済システムのDX(デジタル変革)によって、ICタグを活用して業務の効率化、生産性・品質の向上を目指す取り組みが進んでいる。その一方、企業には温暖化や海洋汚染など環境課題への対応が求められることから、アンテナに紙基材を利用する環境配慮型ICタグラベルを開発。SMARTICS-Uの新たなラインアップとしてプラスチックフリーの製品を提供することにした。

ICタグのアンテナは基材上に導電性インキで印刷して形成するが、基材に紙を使うと通信距離が短く十分な通信性能が得られなかった。しかし独自技術で通信性能を維持した紙のアンテナを開発し、環境配慮型ICタグラベルを実現。適正に管理された森林から産出した木材などが対象のFSC認証紙を使った。従来品より20%薄く、ICタグラベルを貼った書類を重ねてもかさばらないなど利便性も高めた。

環境配慮型ICタグラベル(左)、紙製のアンテナ基材(右)

さらに、物品などに貼り付けたICタグラベルをはがそうとすると、ラベルが壊れて通信不能になる設計にすることで、ラベルの再利用による偽造を防ぐ。価格は仕様や数量で異なるが、紙のアンテナではない従来のICタグラベルより約10%高い。凸版印刷は、この環境配慮型ICタグラベルを含むSMARTICS-Uシリーズを「第23回自動認識総合展」(10月6~8日、東京ビッグサイト)の自社ブースに展示する。

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