"Facebook Messages"の動向に注視せよ

メールマーケターなら知っておきたいFacebook Messagesの5つのポイントを解説!
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Facebookの躍進が続いている。世界のFacebookユーザーは7億5千万人と言われ、日本国内のユーザー数も、現時点で推定400万人と、すでにビッグSNSのひとつだ。また、企業によるFacebookページを使ったキャンペーン、対顧客とのコミュニケーションも積極的に行われている。例えばこの記事を書いている時点でも、UNIQLOのFacebookページは26万人、無印良品では22万人のファンが形成されている。企業がウォールに何かを投稿した瞬間、20万人以上のタイムラインに自社のメッセージが瞬時に配信されるということは、プロモーションツールとしては大変重宝するに違いない。

そんな巨大SNSのFacebookが、2010年11月、リスト内の友達とチャットやメッセージのやり取りが行えたり、ファンになったFacebookページからのお知らせを受け取ることができる「Facebook Messages」を発表した。すでにご存じの方、あるいは積極的に利用している方も多いだろう。なかでもこの機能で特徴的なのは、各ユーザーに「~@facebook.com」というアドレスが発行され(設定によって取得することが可能)、そのアドレスがHotmailやGmail、yahooメールなど他の電子メールシステムと互換性を持っているということだ。試しに筆者が、Outlookから自分のFacebookアドレス宛にメールを送ったところ、何の問題もなく届いた。また、WordやPowerPointデータを添付して送ってみたところ、フリーメールと同じように、ごく普通にファイルを展開することもできた。これは、mixiやTwitterといったSNSにはない、画期的な機能であると言える。もし近い将来、Facebookがインターネットの舞台でgoogleやyahooと並んでイニシアティブをとることになれば、gmail.comやyahoo.co.jpのように、「@facebook.com」を使用するユーザーの割合も増えてくると想定される。そのため、メールマーケターとしては、予めそうした情報を事前にキャッチし、今後増えるであろうその新しいドメインのために何をすべきなのか、しっかりと準備しておく必要がある。

そこで、エイケア・システムズが業務提携を行い、Eメールマーケティングの分野で様々なビッククライアントを抱える世界最大規模の情報サービス企業Experianがまとめた、Facebook Messagesをメールマーケティングで活用するためのポイントをいくつか紹介したい。

ステップ1:プラットフォームを理解する

まずはFacebook Messagesの仕組みを理解する必要がある。Facebookアカウントを持っている方は、実際に使ってみるのが一番の近道だろう。Facebook Messagesにメッセージが送信されると、友達からのメッセージは「メッセージ」フォルダへ、それ以外は「その他」に自動で分類される。非常にシンプルだ。また、Facebook Messages上では「件名」や「本文」といったくくりが存在しない。受信メールの一覧ページでは、送信者のFrom名のほか、件名と本文は全角48文字以内で、同じフォント、色、サイズで同列に表示される。このように、通常のフリーメールとは仕様が異なるため、その違いを理解しておく必要がある。

ステップ2:当面の目標は「メッセージ」フォルダへ格納させること

友達からの連絡は「メッセージ」フォルダに届くため、当然、ユーザーの受信トレイの優先度は、「メッセージ」の方が圧倒的に高い。つまり、開封率やクリック率を上げるためには「その他」から「メッセージ」へ自社のメールをいかに移行させられるかが、マーケティング上の当面の目標となる。移行させるためには、ユーザーが「アクション」メニューの「メッセージへ移動」を実行する必要がある。

この行動はユーザーの行動心理、つまり、ユーザーが“ここ(From)からのメールは優先度が高い”と認識したときに初めて実行される。一度「メッセージ」フォルダへ格納されれば、その後のメッセージはすべて優先フォルダである「メッセージ」に配信されることになるため、理論的には開封率、クリック率などの指標は格段と高くなるはずだ。また反対に、「メッセージ」から「その他」へ降格することもあるので注意が必要だ。送り過ぎると嫌がられるし、ずっと送らないでいると忘れられてしまう。通常のメールマーケティングと同様、適切なタイミングと配信頻度で送ることが求められる。ちなみにExperianのメールマーケティング専門チームは、今後Facebook Messageは改良が加えられ、新たに「お気に入り」フォルダができるだろうと推測しており、今後の動向をチェックしておく必要がある。

ステップ3:HTMLの場合は必ずマルチパートで配信する

最も注意しなければならないのが、Facebook Messagesでは、HTMLであっても、基本的にはすべてテキストで表示されるということだ。そのため、テキスト版をもたないHTMLの場合、表示が崩れる可能性があり、HTMLメールを送る際は、マルチパートで配信することが求められる。HTMLのみを作成している場合は、早急に対応を検討する必要がある。また、HTMLの画面をFacebook Messages上で表示するには、メールの右上に配置されている“拡張表示”をクリックする必要がある。“拡張表示”をクリックして初めて、ポップアップでHTML画面が表示される。

その際に注意すべきことは、幅の制限が950ピクセルということだ。それ以上になると、水平スクロールバーが表示される、あるいは途中で切れてしまう可能性があるため、ブランディングを強く意識する企業にとっては注意したいポイントだ。また縦幅については、ユーザーのモニターサイズに依存するため基準を設けることは難しいが、Above the fold(スクロールしないで見ることができる画面の領域)は420ピクセル以内が推奨値とされている。ちなみに、フォーム機能はFacebook Messages上で動作させることはできないので注意したい。

ステップ4:メールアドレス変更フォームに対応しておく

多くの米Facebookユーザーが、個人用Facebook.comアドレスを持てることに興奮しているようだ。そうした潜在的なニーズを考えると、現状の普及率はかなり低いものの、今後認知度が上がり、利便性が向上するにつれて、@facebook.comへのシフトも加速することが考えられる。なかには、GmailやHotmail、Yahooメールでは受け取りたくないが、facebookでは受け取りたいという需要も出てくるかもしれない。そうした様々なケースに備えて、配信停止のフォームや設定画面等で、受信アドレスを変更するためのフォームを用意しておく必要がある。退会阻止にも一定の貢献ができるため、実施していない場合はぜひとも検討したい。

ステップ5:Facebookドメインをベンチマークせよ

上記に挙げた項目は、あくまで来るべきFacebookドメインの爆発的な普及に備えた準備である。最も重要なことは、Facebookドメインが一定の割合で普及することであり、マーケターとしてはその普及率を定常的に観測する必要があるだろう。そのためには、調査会社やマーケティングコンサル会社のレポートを参考にするよりも、自社の顧客リストのドメインを見るほうが一番手っとり早い。現在の普及率は恐らく1%にも満たないだろうが、Facebookが今後どのようなサプライズを私たちに提供するかによって、その数値は大きく上昇する可能性がある。今から本腰を入れて取り組む必要はないかもしれないが、出遅れないうちに、Facebook Messagesを視野に入れてみても、決して損ではない。

吉澤 和之
記事はこちら>>
http://mailpublisher.jp/2011/08/facebook-messages.html

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