【企業担当者に聞くSMM最前線】リーデル(RSN JAPAN 株式会社) 西村 敏雄氏(2/2)
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こんにちは、SMMLab研究員の藤田です。
ソーシャルメディアマーケティング(以下SMM)に積極的に取り組まれている企業の担当者に、現場でのSMM活動の実際についてお聞きするインタビューシリーズ【企業担当者に聞くSMM最前線】。前回に引き続き、250年の歴史を誇る世界的な名門ワイングラスブランド「リーデル」を展開するRSN JAPAN 株式会社で、マーケティングを担当する西村敏雄氏に、Facebookを中心としたSMMについてお聞きします。
コミュニケーションの基盤となるファンを獲得するためにキャンペーンを開催
ーーFacebookのご運用を開始されて約半年になりますが、スタートから今までの運用状況を教えていただけますか?(8月下旬インタビュー時Facebookページファン数約3,600人の段階。9月末現在は6,400人超)
西村:開設から2ヶ月ほどでファンが50人になりましたが、告知もメルマガのみでしたし、運用も試行錯誤だったため、思った程ファン数は増えませんでした。その後のアプローチに少し悩み始めた時に、モニプラファンアプリ( http://fan-app.monipla.jp/ )を知り、キャンペーンを開催しました。「Facebook広告」との相乗効果でファンが一気に1,300人を越え、活動の下地が出来たと実感しました。
ーー以降順調にファンを増やし、活発なコミュニケーションを展開していらっしゃいますが、予算的な事も含めて、マスメディアとソーシャルメディアの社内でのバランスに変化はありましたか?
西村:担当が複数にまたがっていますし、予算も結局いくら掛けたらどうなるかというのがまだ明確ではないので、はっきりとしたことはいえませんが、ソーシャルメディアに対しての社内のモチベーションが上がって来ているのは確かで、多分もう少ししたら予算も取りやすくなるのではないかなという感じですね。ただ、販売の現場である店舗で聞くと、直接的な反応というのは実感としてまだ少ないという感じなので、色んな意味でこれからなのかなとは思っています。
(追記:この後約一か月でファン数は6,400人を超え、9月末の段階ではFacebookを見たという方からの、セミナー申し込みや店頭での購買につながる例が多くなってきたとのことです!)
ーー御社ではソーシャルメディアでの取り組みを、どのくらいのスパンで考えていらっしゃいますか?
西村:スタート段階ではっきりと計画していた訳ではないのですが、感覚的に言うとまずひとつ年内で何かしらの結果であったり、目に見える成果が欲しいとは思います。
ーーSMMは一定の評価が可能になるまでに時間がかかるということを、企業の上層部の方々にご理解いただくのはなかなか難しいと聞きますが、御社は海外資本ということで、その辺りに理解がおありになるということでしょうか?
西村:オーナーはSMMをあまり評価しておらず、実際に売り上げにどれだけ結びついているかも分からない状況で、SMMに積極的なオーナーの息子とは意見が分かれていたようなんですが、そこに今、日本側から一石を投じることが出来たという感じです。
たとえば、Facebookページのファンが増えて来て、あれだけ反応が出て来ているとか、今まで東京でしか出来なかったお客様とのコミュニケーションが、全国規模で実現し始めているとか、そういった現象を見て、今3,000人のファンが十倍の30,000人になったらどんなことが起こるのだろうかという期待感が高まって来ていて、ブランディング的にSMMはやっぱり重要なんだなということをやっとオーナーが感じ始めてくれたようです。(笑)
ーーソーシャルメディアのポテンシャルをオーナーが評価しつつあるとのことですが、そのための材料は「数値」ではなかったということですね?
西村:逆に具体的な「数値」といっても、どれくらいが「良い」のか、評価の基準が見えてない部分が多いですし、そう言う意味では「数値」よりも、まだ「雰囲気」や「感覚」の部分が大きいですね。
ーーSMM先進国であるアメリカのリーデルFacebookページのファン数(取材時ファン数約5,600人)を越えるのが当面の目標でいらっしゃるとの事ですが、海外支社からの日本のSMMに対する評価はいかがですか?
西村:成熟からやや停滞しつつあるようにも感じられるアメリカと違い、急速に発展しつつある日本での変化はとても大きいので、この状況の変化が海外支社から驚きを持って評価されているという感じがしています。
マスメディアとは違う角度でのブランディングできるのがソーシャルメディア
ーー御社では現在、Facebookはマーケティング・広報・PR的な部分でご活用されていますが、これだけ反響が大きくなってくると、営業的なアプローチについてご検討されることはありませんか?
今後の展開として直接的な営業アプローチを取り入れていくのか、それともソーシャルメディアはコミュニケーションの場として、営業とは切り離して運営していくおつもりでしょうか?
西村:まずは直接グラスを売るというよりは、ブランドの本質的な理解と魅力を伝えていく取り組みとして実店舗で開催している有料のグラス・エデュケーションセミナーに来ていただきたいと考えています。その際には、以前アメリカで評判となった「TOY STORY3」のチケット販売のようにFacebookでお友達を誘いあって楽しんでいただけるような形にしたいと思っています。ただ、まだその段階ではないですね。
ーー導入検討のポイントとしては、やはりファン数1万人ぐらいの規模になった時点でとお考えですか?
西村:そうですね、1万人ぐらいが一つのポイントで、そのぐらいになったら本格的に検討してみようかと社内では話しています。
ーーファン数1万人は新しいステージへの転換点になるかもしれませんね。
それまでは「ブランディング」での活用となると思いますが、ソーシャルメディアとマスメディアとでは伝わるイメージに違いがあるとお感じですか?
西村:マスメディアはブランドの表玄関として、歴史と伝統の重厚感を大切にしたブランドイメージの確立を目指していますので、時として敷居が高く感じられてしまう事もあります。それに対して、人と人とのコミュニケーションを中心とした、よりリアルに近いソーシャルメディアだからこそ、作り上げたブランドイメージを毀損する事無く、その上に「親しみやすさ」を訴求出来るのだと思います。ソーシャルメディアで人間的な「側面」を見せる事で、ブランドイメージに深みを増すことが出来ていると感じています。
ソーシャルメディアは時間と場所の制限を超えたコミュニケーションを可能にする
ーー最後にFacebookマーケティングに取り組まれて良かったことを教えてください。
西村:今までは実店舗に足を運んでいただいた限られたお客様としか出来なかったコミュニケーションが、Facebookページを開設した事で全国のFacebookユーザーとの間で実現しつつあるということですね。その中から一人でも多くの方にリーデルのグラスで美味しいワインを飲んでいただけるように活動していきたいと思います。
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西村敏雄氏 プロフィール
RSN JAPAN 株式会社
マーケティング&ウェブ担当
RIEDEL リーデル公式サイト http://www.riedel.co.jp/
RIEDEL Facebookページ https://www.facebook.com/riedeljapan
インタビュアー :藤田 和重(アライドアーキテクツ株式会社 SMMLab)
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