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リスティング広告の専門家がチェック! YDNサイトリターゲティング4つの機能強化

リスト管理が複雑化して運用者の負担は増える一方なので、広告管理ツールにはサポート機能が必須
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ターゲットリストの作成は100件まで。
「コンバージョンしなかった人リスト」のような条件を除外した集合リストを作ろうとすると手間がかかる。
リストの数が増えると広告管理ツールでの管理が大変。

これは、Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)のサイトリターゲティングを利用する担当者の間でよく聞かれた意見だ。

そんな悩みを抱えた運用担当者に朗報だ。

2014年12月に行われた以下のYDN機能強化によって、これらの課題は解消された。

  • ターゲットリスト登録上限数の引き上げ
  • ターゲットリストの「除外設定」機能を追加
  • ターゲットリストの条件に「参照元URL」を追加
  • ターゲットリスト管理の画面変更

具体的にどう変わったのか、活用のポイントは何か。本記事では、インターネット広告会社である株式会社アイレップの前田直哉氏による解説とともに紹介したい。

アイレップの前田直哉です。

Yahoo!プロモーション広告をはじめとする各社の広告サービスを日々運用し、成果改善のノウハウを立案しています。

今回は専門家の視点から強化されたYDNの機能を解説します。

機能強化その1
ターゲットリスト登録上限数の引き上げ

効能:運用効率の改善

YDNのサイトリターゲティングにおいて、1アカウントに登録可能なターゲットリスト数の上限が、これまでの最大100件から最大300件に変更された。

以下すべての種類のターゲットリストを合計300件まで登録できる。

  • 条件リスト
  • 組み合わせリスト
  • 類似リスト
  • デフォルトリスト

専門家はこう見る

以前の「100件」という数字は、他の広告サービスと比較すると少なく、現場の担当者からも「もっと増やしてほしい」という声があがっていました。

100件までだと、「もっと細かくリストを分けたいのだけど、分けられないからここまでにしておくか」という、やりたいことが機能的な制限でできないというジレンマがありました。

どうしても細かくリスト分けをしたい場合は、リスト用のアカウントを新たに設ける方法もありましたが、その手間をかける必要がなくなりました。

最近のリターゲティングは、セグメントをどんどん細かく切って運用しないと獲得効率が上がらない状況になっています。担当者は、これを機に300件上限まで使って取り組んでみるのもよいでしょう。

機能強化その2
ターゲットリストの「除外設定」機能を追加

効能:未訪問リーチに対するアプローチが可能

ターゲットリストを「除外対象」として、広告グループに設定できるようになった。

従来は、ターゲットリストに含まれるインターネットユーザーへの広告配信のみ可能だった。今回の機能強化により、デフォルトリストを除外設定にすることで、サイト未訪問者へのターゲティングが可能となる。

媒体訪問者
サイト未訪問者
サイト訪問者
広告表示対象
広告表示対象から除外
「サイトに訪問した人」は除外した集合、Yahoo!タグマネージャーを利用すれば「2回訪れた人でコンバージョンしなかった人は除外」といった高度な設定も可能だ。

任意のターゲットリストを除外設定したり、その他のターゲティング設定と掛け合わせたりすることで、コンバージョンが見込める新規顧客層へのアプローチがさらに詳細に行えるようになった。

広告グループ作成画面の「ターゲティング設定」>「サイトリターゲティング」の設定で「配信」か「除外」を選択できる。
※画面はサンプルです。

専門家はこう見る

今回の4つの中では一番の注目機能です。これまでYDNのサイトリターゲティングでアプローチできるのは「サイトを訪問した人」だけでした。この機能強化によって「一度来た人は除く」という指定が可能になりました。

サイトリターゲティングやサーチターゲティングなど、さまざまなメニューを組み合わせている広告主は多いのですが、複数の施策が複雑に絡み合っていて相互除外が難しかったのです。

サイトリターゲティングでアプローチしていきたいのに、サーチターゲティングで広告が表示されることもありました。たとえば、AとBのリストがあるとして、両方に該当する人だと、どちらのリストからの成果か判断できません。そのため、リストを相互除外すると、セグメントの切り分けが明確になります。しっかりしたデータが得られることで、適切なクリック単価やかけるべき運用工数がはっきりして、運用の効率化とともに成果の改善にもつながります

また、無駄打ちも減らすことができる。既存顧客やリピーターにアプローチしていくことは簡単でしたが、新たに新規顧客層だけにアプローチすることもできるようになりました。

さらにもう1つ注目すべきは、リストの節約になります。いままでは「コンバージョンしなかった人のリスト」などを作る必要がありましたが、それが手間なく設定できます。

機能強化その3
ターゲットリストの条件に「参照元URL」を追加

効能:ターゲティング対象増加によるサービスの活用方法の拡大

ターゲットリストの条件で、URLとラベルでの指定に加え、「参照元URL」を設定できるようになった。インターネットユーザーが自社サイトに訪問する経路によって、広告の出し分けや入札価格の調整が可能になる。

※「参照元URL」とは、インターネットユーザーがサイトリターゲティングのタグ設置ページへアクセスする直前に閲覧していたWebページのURLのこと。

専門家はこう見る

特定のメディアからの流入などを把握したい広告主には、おすすめの機能です。リストを「○○のメディアを経由してきたユーザー」のようにメディア(URL)ごとに分けておいて、それぞれ異なるランディングページへ誘導やクリエイティブを表示させるというターゲティング施策ができます。

ユーザーの属性を考える際の1つの手助けになるので、Web解析を細かくやっている広告主にはぜひ取り入れてもらいたいですね。

解析データで気になるメディアがあれば、まずは「アタリを付けてリストをためる」だけでもいいでしょう。「○○のメディアから来た人」というリストが100~200とある程度の大きさになったら、別のアプローチ方法を考えることもできます。

機能強化その4
ターゲットリスト管理の画面変更

効能:ユーザーインターフェイスの改善による運用効率の向上

ターゲットリスト管理画面において、利便性向上を目的に以下の変更を実施。

  • 「広告グループに設定」ボタンを追加

    選択したターゲットリストを、複数の広告グループに配信対象または除外対象として設定できる。

  • ナビゲーションパネルを追加

    表示階層(アカウント、キャンペーン、広告グループ)の選択画面から、直接対象のコンポーネントに移動できる。

  • ターゲットリスト編集方法を変更

    ターゲットリストの内容を変更する場合は、ターゲットリスト名をクリックすると、ターゲットリストの編集画面に遷移する。

    ターゲットリスト名を変更する場合は、ターゲットリスト名にマウスオーバーし、鉛筆アイコンをクリックすると、ターゲットリスト名を変更できる。

  • ターゲットリストが配信・除外設定されている広告グループがリストで参照可能に

    ターゲットリスト管理画面の一覧上で、「広告グループ」項目の吹き出しアイコンをクリックすると、ポップアップが立ち上がりそのターゲットリストが配信・除外設定されている広告グループがリストで参照できる。

    ※画面はサンプルです。

専門家はこう見る

リスト上限数の増加や除外設定の追加など、サイトリターゲティングにおけるリスト管理は高度になりつつあります。

複数の運用担当者がいる場合、「このURLとこのURLを踏んで、このURLを踏まなかった人」のような、リスト作成者以外の担当者がひと目見て理解しにくいターゲティング設定がよくあります。

あるいは、リストを作成した本人でも、少し前に設定したものだと混乱することも少なくありません。今回のユーザーインターフェイスの改善で、ターゲットリストが配信・除外設定されている広告グループがリストで参照できるようになったのでそういった点が把握しやすくなったと思います。目立った機能強化ではありませんが、現場の担当者にとってはターゲットリスト管理の効率が上がって助かるでしょう。

まとめ:運用担当者が恩恵を受ける現場向けの機能強化

前田 直哉 氏
株式会社アイレップ
第2コミュニケーション本部
チームマネージャー

―― 今回紹介した4つの機能強化の全体的な印象は?

「運用効率が上がる」「いままでできなかったことができる」など、運用担当者のニーズに応えた良い機能改善だと思います。

業界全体を見ても、リターゲティング施策のトレンドは、成果向上と効果測定のためにセグメントを細かく切り分ける方向へ進んでいます。運用担当者にとっては複雑化するリスト管理が負担になるので、広告管理ツールにはそれをサポートするための機能が求められています。今回の機能を理解したうえで活用すればより運用の幅が広がり、広告主にもご満足いただけるでしょう。

※この記事の内容は、2015年2月現在の情報に基づいています。

用語集
キャンペーン / クリエイティブ / コンバージョン / ナビゲーション / リスティング広告 / リターゲティング / 訪問 / 訪問者
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