「コンテンツマーケティング1,000人実態調査」 他社の予算は? 人員は? 外注は?
コンテンツマーケティングが注目されているが、その具体的なやり方や目的は企業によって千差万別だ。オウンドメディアを中心に展開するのか、ソーシャルメディアを活用するのか、ブランディングに活用するのか、直接的なコンバージョンにつなげるのかなど、実に幅広い。
そこで今回は、Yahoo! JAPANがコンテンツマーケティングの実施者/非実施者1,030人に対して行った、日本におけるコンテンツマーケティングの実態調査の結果を紹介する。
取り組みが成功している企業、期待していたような結果が出なかった企業、まだ検討中で情報を集めている企業、すでに取り組みをやめてしまった企業などさまざまだと思われるが、ぜひこの調査結果を参考にしてほしい。
※各項目のリンクをクリックすると、調査結果データと解説にジャンプ。
- 01:コンテンツマーケティングの実施期間
- 3年以上の取り組みが28.3%
- 02:コンテンツマーケティングの実施目的
- 51.8%が「顧客獲得」目的
- 03:コンテンツマーケティングの予算の出所
- 42.3%がウェブコンテンツ制作予算から
- 04:コンテンツマーケティングの運用費用
- 10万円未満が20.4%、100万円未満が62.1%
- 05:コンテンツマーケティングの実施先
- 企業向けの実施が41.6%
- 06:コンテンツマーケティングの実施内容
- 商材は「無形財」が42.7%と最多
- 07:コンテンツマーケティングの実施手法
- ソーシャルメディアが66.6%でトップ
- 08:活用しているソーシャルメディア
- Facebookの活用が84.8%と圧倒的
- 09:コンテンツ作成のアウトソース有無
- コンテンツ作成は「すべて自社内」が最多
- 10:アウトソースしている内容
- 外注は「デザイン」が60.8%でトップ
- 11:作成したコンテンツを拡散する手法
- ソーシャルメディア経由が圧倒的多数
- 12:コンテンツマーケティングの効果
- 75%以上が効果を実感
- 13:コンテンツマーケティングの効果指標
- 半数以上がトラフィックを効果指標に
- 14:コンテンツマーケティングの課題
- 企画力や制作スキル不足が課題
- 15:コンテンツマーケティングの非実施理由
- 効果の不明瞭さとリソースが課題
- 16:コンテンツマーケティングの実施意向
- 非実施者内では今後の実施意向はさまざま
- まとめ
- 回答者プロフィール
- 調査概要
本稿ではコンテンツマーケティングを「消費者に“有益なコンテンツ”を作り、適切な消費者層にそのコンテンツを提供することで、ブランドやサービスへの理解や信頼感を高め、潜在顧客を獲得し、購買層へと育てる手法」と定義する。
したがって、コンテンツの掲載場所はオウンドメディアに限定されず、広告(ペイドメディア)やソーシャルメディア(アーンドメディア)も含む。
3年以上の取り組みが28.3%、1年未満が半数
今回の調査の対象者において、コンテンツマーケティングへの取り組みを始めてから「3年以上」と回答した人が約30%存在した。一方で、1年未満という企業が約半数を占めており、実施期間にはばらつきがあることがわかる。
51.8%が「顧客獲得」を目的に実施
コンテンツマーケティングの実施目的として、もっとも多かった理由は「顧客獲得」(51.8%)。これに「売り上げ」(41.4%)、「ブランド認知」(39.4%)が続いた。
「会員獲得」(25.8%)や「コンバージョン」(20.8%)も含めると、直接的な成果を目的とする傾向が強いといえる。
42.3%がウェブコンテンツ制作用の予算から捻出
コンテンツマーケティングを推進するうえでの予算の出所について、「ウェブコンテンツ制作費」から捻出している実施者がもっとも多かった。コンテンツマーケティング用として「新たに設定した予算」と回答したのはわずか5.8%であった。
注目はされているものの、まだまだ個別の予算が設定されるケースは少ないと見られる。コンテンツマーケティングを実施するにあたって増額されていればよいが、そうでない場合は限られた予算をどう割り振るかが担当者の課題となる。
予算10万円未満が20.4%、100万円未満が62.1%
実際の運用費用について、「10万円未満」がもっとも多い回答となっており、「100万円未満」までで60%以上を占めている。これは外注費を含む額であり、コンテンツマーケティングにあまり費用をかけていない実態が浮かび上がってきた。
企業向けの実施が41.6%
コンテンツマーケティングは企業間での商取引が41.6%を占めており、もっとも多くなっている。個人向けよりも、企業向けにサービスを展開している企業での実施が多いことがわかる。
商材は「無形財」が42.7%と最多
実際にコンテンツマーケティングを実施している商品・サービスについては、「無形財」のものがもっとも多く、「無形財と有形財の両方」がこれに続いている。
実施手法はソーシャルメディアが66.6%でトップ
コンテンツマーケティングの実施手法については、「ソーシャルメディア」が抜きん出ており、アーンドメディアの活用度合いが高いことが明白となった。
そのほか、「自社ブログ」(49.1%)、「メールマガジン」(38.6%)など、コストをあまりかけずに実施する手法が上位になっている。
Facebookの活用が84.8%と圧倒的
実施手法としてもっとも回答割合が高かった「ソーシャルメディア」であるが、そのなかでも「Facebook」を活用している実施者が84.8%と圧倒的多数であった。
コンテンツとしてややハードルが高い動画の「YouTube」(40.8%)や「ニコニコ動画」(12.5%)が挙げられている点にも注目したい。
コンテンツ作成は「すべて自社内」が44.1%で最多
コンテンツの作成については、「すべて自社内」との回答が44.1%でもっとも多く、「すべてアウトソース」の3.1%と対照的な結果となった。これは、[04]の運用費用が比較的少ないことからも想像できるだろう。
外注は「デザイン」が60.8%でトップ
コンテンツの作成をアウトソースする場合の内容として、「デザイン」が60.8%でもっとも多く、これに「コンテンツ配信」「戦略・企画」が続いている。
「原稿執筆」は36.1%とあるが、6割以上は社内で用意しているということになる。
ソーシャルメディア経由が圧倒的多数
作成したコンテンツを拡散する手法として、回答割合がもっとも高かったのは「ソーシャルメディア」。広告よりも、メディアへの依存が高いことが判明した。
なお、広告の中では「ソーシャルメディア広告」が「メールマガジン」をわずかに抜いて回答率が高い。また、広告以外にも外部メディアから誘導させる手法を用いている実施者が10.9%存在した。
75%以上が効果を実感
コンテンツマーケティングの手法ごとにその満足度を見てみると、すべてにおいて75%以上の実施者が「大いに効果を感じている/効果を感じている」と回答しており、実施者の満足度が高いことが明らかとなった。
コンテンツマーケティングの手法のうちでもっとも実施されている「ソーシャルメディア」については、82.5%の実施者が効果を感じている。
他の調査結果から考えると少々意外な印象ではあるが、[13]で示す効果指標に対してなら納得できる。現状で満足した取り組みができているわけではなく、限られた予算や社内リソースでやれることという前提での評価ととらえるべきだろう。
半数以上がウェブサイトのトラフィックを効果指標に
コンテンツマーケティングの効果指標を「ウェブサイトのトラフィック」とする実施者が半数以上存在。作成したコンテンツへの直接的なアクセス数や閲覧数などを重視していることがわかる。
企画力や制作スキル不足が課題
コンテンツマーケティングの効果を感じているものの、その課題としてあげているのが「企画力不足」や「コンテンツ制作スキル不足」など。[04]での限られた予算や[09]でのコンテンツ制作内製率の高さなどと深く関連している部分といえる。これらをどう解消していくかで、今後の満足度にも変化が出てくるだろう。
効果の不明瞭さとリソースが課題
非実施の理由については、「売上効果が期待できない」(27.0%)がトップ。[12]や[13]の結果と照らし合わせると、直接的な収益(売上)を目的にした場合、他の手段(リスティング広告など)のほうが適しているという判断があるのかもしれない。
また、「実施するだけのリソースがないから」(21.7%)や「実施する予算がないから」(19.0%)からは、実施したくてもできないという切実な悩みが見える。
非実施者内では今後の実施意向はさまざま
非実施者に聞いた今後のコンテンツマーケティング実施意向は、44.5%が「実施は考えていない」との回答。「実施を検討しているが、特に何もしていない」(14.8%)を除く、それ以外は何らかの検討や行動を起こしている。
多くの企業にとって重要となる売上や集客のための施策は、ほかにも数多くの選択肢が存在する。それらに比べると、優先度が低かったり、取り組みのハードルが高いと感じたりしているということだろうか。
まとめ
コンテンツマーケティングの実施目的の上位3は「顧客獲得」「売り上げ」「ブランド認知」。その運用費用は「100万円未満」までで60%を占め、あまり費用がかけられない実態が垣間見られる。
コンテンツマーケティングの実施手法については、「ソーシャルメディア」の活用度合いが圧倒的。また作成したコンテンツを拡散する場合にも、「ソーシャルメディア」が使われる。
コンテンツの作成は自社内で行う割合が高い。アウトソースする場合には「デザイン」「コンテンツ配信」「戦略・企画」を委託する場合が多い。
コンテンツマーケティングの手法ごとにその満足度を見ると、すべての手法において実に75%以上が「大いに効果を感じている/効果を感じている」と回答。実施者の満足度の高さが浮き彫りとなった。
「ウェブサイトのトラフィック」をコンテンツマーケティングの効果指標とする実施者が半数以上。作成したコンテンツへの直接的な数値を重視している
回答者プロフィール
調査概要
- 調査企画・設計: ヤフー株式会社自主調査
- 調査目的: 企業におけるコンテンツマーケティング実施の状況を把握するため
- 調査方法: マクロミルモニタを利用したインターネット調査
- 調査機関: 株式会社マクロミル
- 調査対象地域: 全国
- 有効回答数: 1,030サンプル(コンテンツマーケティング実施者:605サンプル/非実施者:425サンプル)
※総務省・経済産業省実施の経済センサスのデータ(資本金)に官公庁・団体数を考慮してウェイトバック集計
※単一回答の設問では、各回答割合の値を四捨五入している関係で、集計データの合計が100.0%にならない場合がある - 調査実施時期: 2015年12月24日(木)~2015年12月25日(金)
コメント
[04]コンテンツマーケティングの運用費用は年額/月額どちらでしょうか?
ご多忙中失礼致します。
[04]コンテンツマーケティングの運用費用は年額/月額どちらでしょうか?
差支えなければ、ご教示いただけますでしょうか。
大切な事なので知りたい人は多いと思います。
宜しくお願い申し上げます。
月額です
お返事が遅くなり失礼しました。
データは月額でございます。本文にも追加しておくようにいたします。
お手数をおかけしてしまいすみませんでした。
お手数をおかけしてしまいすみませんでした。
そして、ありがとうございました。
いえいえ。お問い合わせありがとうございます。
いえいえ。お問い合わせありがとうございます。
今後ともWeb担をなにとぞよろしくお願いいたします。