失敗しないためのCMS導入事例

サイトの目的を明確にして具体的なリニューアルを検討

[Sponsored]

サイトの目的を明確にして
具体的なリニューアルを検討

「まずはサイトの目的を明確にしなければいけないとして、2004年10月に社内でチームを立ち上げました。訪れるお客様が何を求めているのかを考えて、ディスカッションを重ねたのです。お客様は目的を持って訪れるはずです。その目的が達成できるサイトでなければ、存在意義がありません」(石川氏)

パイロットコーポレーションの事業の主軸は筆記具・文具だが、ほかにも宝飾や産業資材など、いくつかの事業部がある。これらの事業部は独自性が強く、サイトも各自が作成したコンテンツが混在していた。

「サイト上でどのコンテンツを前面に出すべきなのかが問題となりました。しかし、ホームページを訪れるお客様の多くは、パイロットを筆記具のメーカーとして認識されています。となれば、筆記具・文具のコンテンツをきっちりと打ち出すことが重要だという結論になりました。つまり、筆記具の情報を求めている人や、書くことに興味のある人に対して、適切な情報を伝えるのがサイトの目的であると。それを明確にしたうえで、サイト全体のリニューアルを具体的に検討し始めました」(石川氏)

リニューアルの内容を検討するにあたっては、コンサルティングサービスを行っているキノトロープも加えて議論した。リニューアルの大きなポイントとして挙げられたのは、“基本的な構造となる仕組みを作ること”と、“更新ワークフローの改善”の2点だった。スピードが遅いと指摘された更新を、自社でリアルタイムに行えるようにする必要があったのだ。しかも、サイト全体としてのデザインを保ち、ユーザーにとって最適な動線を保った状態で更新できるようにしなければいけない。

リニューアルと同時にCMSを導入
選んだCMSはFatWireの製品

「ディスカッションで具体的な案を煮詰めていったわけですが、キノトロープさんからいただいたのがCMSの導入という提案でした。これまでは制作会社による手作業で更新していた部分を自社で簡単に更新できて、構造デザインの統一感を得られる点で条件に合致していました」

サイトにはさまざまな事業部のコンテンツがあるが、今回はリニューアルの第一弾として、筆記具・文具関連のページをCMS化することにしたと石川氏は言う。

「筆記具・文具以外の事業部を含めたサイト全体をCMS化するという構想はありました。しかし最終的には、今回は見送ることにしました。まずは基幹である筆記具・文具のCMS化に全力を注ぎたかったのと、会社情報やIR情報は更新も半年に一度の頻度なのでCMS化の必要はないという理由です。今後のステップでは、周辺事業も含めてトータルで考えていく予定です」

2004年10月に開始したディスカッションには約半年の時間をかけた。導入することになったCMSはFatWireのContent Serverだ。このCMSが選定された背景には、HTMLの知識がないスタッフでも自分で文字の修正をできるだけでなく、さらに高度な修正もできることが望ましいという要望があった。この要望にContent Serverの「インサイトエディタ」機能が適していると評価されたのだ。インサイトエディタとは、ページのプレビュー画面からブラウザでそのままページ上のコンテンツを編集したり、ドラッグ&ドロップで画面上のパーツを移動したりできる機能だ。キノトロープでは、積極的にインサイトエディタを使えるようにして利便性を高めるなどの工夫をした。

CMSの導入が開始されたのは2005年5月。導入準備作業と導入作業にそれぞれ約2か月の時間をかけて、リニューアル第一弾が公開されたのが8月。その後も作業を続けて、最終的にリニューアルが完了したのが10月だった。

「Content Serverを使ったリニューアルにあたって、デザインやサイト構造に関しては新規で構築しましたが、商品データは既存のコンテンツから流用することになりました。既存のコンテンツとしてすでに筆記具・文具のページがありましたし、商品の写真やスペックの内容自体は変化はありませんから。でも、既存ページのコンテンツの流し込みは、アナログ的な作業なんですね。もっとデジタル的に処理できるかと思っていたので意外でした。入力はキノトロープさんに任せたので詳細はわかりませんが、入力にはずいぶん力技が必要なようでした」(古謝氏)

FatWire Content Serverには既存のHTMLなどを自動的に取り込むFlexImportがあるが(図1)、当時はまだこのツールがリリースされておらず、作業も大変だったようだ。

商品の機能紹介には、詳細を掲載できるものと簡易なものなど、必要なフォーマットパターンを作成した。パイロット側でCMS導入に携わったスタッフは3人だったが、内容チェックなどの校正作業には10人ほどが参加した。

図1 2006年7月6日にリリースされたFlexImportを使えば、既存のHTMLをディレクトリ構造そのままにFatWire Content Serverのコンテンツ管理システムに取り込める。取り込んだコンテンツは、Content Serverのインターフェイスからサイトの一部として管理・編集・ワークフロー管理・配信できる。FlexImportの価格は70万円/CPU。

ディレクトリ構造1
既存のHTMLファイルが置かれているディレクトリ構造
ディレクトリ構造2
ディレクトリ構造そのままにContent Serverに取り込める
[Sponsored]
この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

リファラー
ブラウザがWebサーバーに送信する情報(アクセスログ)のひとつで、ユーザーがリン ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]