愛知県日進市
+DBPS(パナソニック ネットワークサービシズ株式会社)
取材・文:加藤さこ
URL | http://www.city.nisshin.lg.jp/ |
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目的 | 行政情報の提供 |
総ページ数 | 約1600ページ(2006年8月現在) |
PV数 | 約3万5,000PV/月 |
ビジター層 | 市民や日進市への訪問者、勤務者など |
オープン | 1999年 |
更新頻度 | 平日ほぼ毎日 |
- 新規サイトを立ち上げて全体をリニューアル
- 導入準備期間: 約7~8か月(検討・選定期間を含む)
- 導入期間: 約4か月(デザインは別途先行して作成)
- CMS導入/リニューアル費用: 約1,800万円(CMS導入費と移行作業費の合計)
- プロジェクト人数: 13人(利用製品の選定における選定委員10人と事務局3人)
- 既存コンテンツの扱い: 利用できるコンテンツは再利用し、移行が難しいコンテンツは旧ドメイン名で運用し、新サイトからは外部リンクとしてリンク。
アクセシビリティを徹底させて
ワークフローで作業効率もアップ
市販のホームページ作成ソフトに限界を感じてCMS導入を検討
愛知県日進市が運営するウェブサイトでは、環境、福祉をはじめとして、暮らしに関するあらゆる情報を市民に提供している。また、公共のサイトに必須であるアクセシビリティに対しての配慮では、高いクオリティを維持しているという評価を得ており、日経パソコンによる「e都市ランキング2006」では、アクセシビリティの得点で愛知県内2位を獲得している。これらのことは、CMSを導入することで実現することができたと日進市の情報化推進係係長、赤坂義宏氏は言う。
日進市がウェブサイトを立ち上げたのは、1999年1月。ADSLが世に出始めたばかりの頃だった。情報化推進係としては、当時から各課でページの作成を行ってもらいたかったのだが、スキルを持つ職員がほとんどいなかったため、情報担当職員がすべてのページを作っていた。
「立ち上げ当初は、市販のホームページ作成ツールを使って、情報担当職員がすべて作っていました。基本的には、広報がリリースした情報をサイトで公開する形です。サイトのコンテンツは、各課の紹介から各課のコンテンツへと流れる仕組みで、縦割りのサイト構成になっていました」(赤坂氏)
しかし、担当職員の作業では更新のスピードにも問題が生じてしまう。そこで、各課に自分で更新する流れを作るという体制に切り替えた。2002年のことだ。課長補佐以下の職員すべてのPCにホームページ作成ツールをインストールし、ツールの使い方の講習も行った。最終的には、市役所内の50人ほどの職員がホームページ作成ツールを使って更新するようになったが、それによって問題も生じてきた。
「ITに詳しい職員がいる課では、更新もスムーズで立派なページを作っていました。しかし、中には1ページだけの情報しかないという課もあり、職員にスキルがあるかないかでページに格差が生じてしまいました。
また、市民窓口、環境、年金、福祉、教員委員会など、市民向けに情報の多い課は更新が頻繁に行われるようになりましたが、その他の部署などでは更新頻度が少ないという差もありました。当時から、市長がウェブサイトへ積極的に情報発信せよという方針をとっていましたので、更新を促すなど指導する必要がありました」(赤坂氏)
スキルのある職員に任せていたので、更新担当の職員が異動すると、突然更新できなくなることもあったという。
「更新担当者が異動になると引き継ぎをするわけですが、うまくできていなくて情報担当職員が走り回って対応することもありました。臨時講習会を開いて、やらなければいけない最低限のことを伝える方法で対処しました」(赤坂氏)
各課から均等に情報がでるように最低限のバランスをとっていたが、アクセシビリティという新たな問題が発生したとき、市販のホームページ作成ツールで作成するワークフローに限界が訪れた。というのも、愛知県内の自治体が集まって「あいち電子自治体推進協議会」を発足し、サイトのレベルをアップするために「アクセシビリティの向上に向けたホームページ作成ガイドライン」を設けたのだ。日進市もこれに準じたページにしたいが、現状のままでは到底できない。そこで2005年度の事業として、アクセシビリティのガイドラインを守る体制作りのためにサイトのリニューアルを企画した。
市販のホームページ作成ツールでは作り方に手間がかかり、デザインから考えていかなければならない。情報のみを更新して、スキルのない職員でも簡単に作れる方法はないか。現場の作業負担を減らすと共に、管理者側の負担も減らすにはどうするか。以上のような問題点を解決するため、日進市ではリニューアルに際して『ホームページ研究会』を発足し、さまざまな検討を行った。その結果、CMSの導入が最適であるという結論に至った。
CMS機能要求書を作成し一次と二次に分けて選定
CMSを導入することが決まったら、次はどのツールを使うのがいいのかの検討だ。市が運営する公共サイトなので、カタログから1社を決めるわけにはいかない。まずは市の助役がトップとなり選定委員会を設けた。県の情報企画課も入って、現場のホームページ研究会の委員を含めた10名で検討することになった。
CMSへの機能要求の例
- テンプレート作成・管理機能
- ユーザー登録・認証機能
- コンテンツ作成・管理・公開制御機能
- ワークフロー管理と文書管理システムへのコンテンツ保存機能
- 静的HTMLファイル生成機能
- アクセシビリティ(JIS X 8341-3)対応機能
- コンテンツ・メタデータ入力機能
- WYSIWYGエディタの搭載
- 既存コンテンツの移行作業
- 非PCデバイスへの対応
- 所在地や部署名などの一括変換機能
- メールなどとの連携
など
「CMS製品の選定にあたり、『日進市ホームページ作成支援ツール機能要求書』を作りました。おおまかな内容として、CMSの機能要求として13項目、システムの機能要求として7項目、CMS構築の技術方針として8項目、CMSのライセンス関連で4項目程度を挙げました。これを元に、ベンダーさんのプレゼンをチェックしていったんです」(内田氏)
プレゼンでは社名がわからないようにロゴを消し、ブランド力に左右されないように配慮した。選定は一次、二次と2回に分け、一次検討では情報化推進係の職員で機能などを選定し、二次検討では選定委員で使いやすさなどの点をチェックした。
「選定のハードルは、かなり高いものでした。選定業務は2005年4月から開始し、決定したのが11月でした。その間、選定委員会もCMSについて勉強し、7か月かけて最適なものを選んでいったわけです。一次選定で4社まで絞り、最終的にプレゼン内容を得点化したときに一番高得点だったのが、パナソニックネットワークサービシズのDBPSでした」(内田氏)
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