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Web 2.0ケーススタディ/続々リリースされるYouTubeの新サービス

YouTube

続々リリースされるYouTubeの新サービス

※8月9日にmixiとの連携機能について加筆をしました。詳細はこちら

田口 和裕
ITライター

サービスの概要/特徴
  • 動画配信サービス
  • 2005年2月・スタート、2005年5月・公開プレビューを開始、2005年12月・正式発足、2006年11月・グーグル傘下に、2007年6月・日本語版がスタート
  • 日本からの月間利用者数:1000万人強(2007年3月時点、ネットレイティングス調べ)
  • 日本からの利用者の月間平均利用時間:1時間強(2007年3月時点、ネットレイティングス調べ)
  • 提携パートナー・Apple、BBC、CNN、Universal Music、Sony Music、Warner Music、EMI Music、NBA、SkyPerfecTV!、東京メトロポリタンテレビジョンなど
  • 容量100MB、長さ10分までの動画ファイルを公開可能。公開動画に対するタグ付け機能。評価・コメント機能。プレイリストの作成・共有。カテゴリやチャンネルによる分類。コミュニティでのメンバー間動画共有機能など。

世界中のユーザーが動画を共有するCGMサービスの大本命YouTube。米国発のサービスにもかかわらず日本からのアクセスが非常に多く、6月19日には待望の日本語版サービスが開始された。他にも6月には多くのサービスがリリースされておりYouTubeの攻めの姿勢がうかがえる。今回は一連の新サービスについて簡単に検証してみよう。

6月中旬になってYouTubeは、立て続けにいくつかのサービスをスタートさせた。現在も細かい機能追加やレイアウト変更などが頻繁に行われている。

まずは6月15日、開発者による試験的サービスのテストが行われる「TestTube」にて「YouTube Remixer」というウェブアプリのサービスがスタートした。これは簡単なビデオ編集をブラウザ上で行えるもので、Adobe社の映像編集ソフト「ADOBE PREMIERE EXPRESS」がベースになっており、アップロードしたビデオにキャプションやイラストなどを合成したり、複数のビデオをワイプやフェードなどのトランジションエフェクト(移り変わり効果)を使用して連結したりする機能が用意されている。編集したビデオはリアルタイムでプレビューでき、完成したらすぐにアップロードすることも可能になっている(図1)。

図1 ムービー編集ツール「YouTube Remixer」
図1 ムービー編集ツール「YouTube Remixer」

また、同日「WATCH 3.0」と呼ばれる新しい動画閲覧画面のレイアウトも公開された。これは従来より動画のサイズを大きくし、関連ビデオの表示などを改良したもので、現在は旧レイアウトと選択制になっている。他にも、検索の結果を従来の縦一列表示以外に横4列でより多く表示するレイアウトも追加された(図2図3)。

図2 新しい動画閲覧レイアウト「WATCH 3.0」
図2 新しい動画閲覧レイアウト「WATCH 3.0」
図3 横に4個のサムネイルが表示される新しい検索結果表示レイアウト
図3 横に4個のサムネイルが表示される新しい検索結果表示レイアウト
図4 携帯版YouTube。今のところ米国のキャリア向けだがPCからも「m.youtube.com」でアクセスできる
図4 携帯版YouTube。今のところ米国のキャリア向けだがPCからも「m.youtube.com」でアクセスできる

翌日の6月16日には、米国で携帯電話向けのサービスが開始された。動画は3GPフォーマットにて提供され、ランキングや検索機能なども提供されている(図4)。

そして6月19日、待望の日本語版サービスの開始が発表された。日本語版の機能は英語版とほとんど変わっておらず、ユーザーインターフェイスだけがほぼすべて日本語化されている。このことにより、従来はユーザー登録せずに閲覧だけ行っていたユーザーが、ユーザー登録を行い、より積極的にYouTubeを利用するようになると予想される(図5)。また、同日「SKY PerfecTV!公式ページ」が公開され、番組プロモーションやJリーグの映像などがアップロードされている(図6)。

図5 YouTube日本語版。ほぼすべてのインターフェイスが日本語化されている
図5 YouTube日本語版。ほぼすべてのインターフェイスが日本語化されている
図6 「SKY PerfecTV!公式ページ」には、現在52本の動画が登録されている
図6 「SKY PerfecTV!公式ページ」には、現在52本の動画が登録されている

いまだトラフィックや法務方面の整備、ビジネスモデルの確立やコンテンツホルダーとの交渉など、多くの問題を抱えているGoogleのYouTube事業だが、どうやらここにきて、開発に多くのリソースをかけられるようになってきたようだ。

マルチリンガル化をはじめとするUIの充実や映像編集ツールの提供などの、今回の新機能群。これらを見ていくと、“YouTubeは、アップロードされている動画をただ検索して閲覧するだけのサイトではなく、自ら動画を撮影しアップロードすることによって自分自身を表現する「Broadcast Yourself」を実現する、Web2.0の最先端を行くサイトであってほしい”という、運営側の強い意志をあらためて感じる。

まだまだこれからも驚きの展開が控えていそうな予感もある。引き続き注目していきたい。

YouTubeがmixiと連携した新機能をさらに追加

この原稿を執筆した直後の8月2日、またもやYouTubeに新機能が追加された。

日本のSNS大手「mixi」に直接動画を投稿できる機能だ。

ただし、純粋な新機能というわけではなく、以前からあった「動画の投稿」機能に「mixi」を追加したというのが正確なところだ(図7)。YouTube側で「mixi」アイコンをクリックすると、自動的にmixiの日記投稿画面にジャンプし、日記の本文欄に該当するムービーをエンベッドするタグが追加されるという仕様だ。

同時にmixi側にもYouTubeボタンが用意され、YouTube動画のURLを入力するだけで日記に投稿できるようになっている(図8)。

以前から外部サービスとの連携機能はあったものの「blogger」や「del.icio.us」など米国のサービスに限られていた。「mixi」との連携機能はYouTube日本版独自のものだ。今後も地域独自のニーズに応えたサービスが増えていくことが予想される。

図7 YouTubeの「動画の投稿」画面に新しくmixiのアイコンが用意されている
図8 mixiの日記投稿画面に追加されたYouTubeのボタン。押すとYouTubeの動画URLを貼り付けるためのフォームが表示される
図9 Youtubeの動画はmixi内ではこのように表示される
用語集
CGM / SNS / Web 2.0 / YouTube / mixi / アップロード / キャリア / 動画
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