これは、多くのSEOにとっては使い古された手口のように感じるかもしれないが、クライアントとの話し合いの席で持ち出せば、絶対に「なるほど!」と肯いてもらえること間違いなしの情報だ。
ベースになるのは、いたって簡単な考え方だ。どんなSEOキャンペーンであろうと、自分のサイトが検索結果の上位を制するのに理想的で、高い検索トラフィックを持ち、(検索エンジンの認める)高い価値も兼ね備えたキーワードを手に入れなければならない。たとえば、SEOmozのようなサイトなら、そのキーワードは、「SEO」や「Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)」といった非常に競争率の高い語句だろうし、BuddyTVの属しているような分野ならば、「テレビ番組」だとか「TVニュース」となるかもしれない。
問題は、こういう簡単に思いつけそうなキーワードで高い検索順位を獲得しようと思ったら、コンテンツの面でも、リンクビルディングの面でも、多大な労力が必要となりかねない点だ。そうしたリソース投資を正当化するためには、ビジネスの面から見て、高い検索順位には金銭的な見返りが伴うことを知っておく必要がある。
そのためのすぐれた方法の1つが、有料検索を使って、これらのキーワードによるトラフィックから期待できそうなROIを調べることだ。数週間から1か月ほど、キーワード広告を使うことで、キーワードごとの追跡キャンペーンを展開して、ビジターの動向を計測してみよう(これについてもっと詳しく知りたい人は、行動追跡に関するこの記事をチェックしてみて)。これらの検索トラフィック由来のコンバージョン率が高く、価値を生み出す場合は、大きな投資に対する見返りが約束されているとわかる。一方、これら検索トラフィックによるビジターが単なるひやかし客で、利益を生みにくい傾向にあれば、もっとROIの高いキーワードに目を転じるのも良いだろう。
こうした調査を行うにあたり、覚えておいた方が良い有益な情報がいくつかあるので紹介しておこう。
有料検索のトラフィックは、オーガニック検索のトラフィックと挙動が異なる可能性がある。したがって、得られた数値が100%正しいと捉えてはいけない。多少の誤差を想定しておけば、より優れた見通しが立つ。
テスト目的でPPCキャンペーンを行うときは、ロングテール気味のトラフィックや、検索クエリのバリエーションから発生したトラフィックを偶然拾ってしまわないように、必ず正確に一致するクエリだけに限定して測定すること(完全一致を指定する)。
ちゃんとしたPPCキャンペーンをやるのなら、ロングテール検索や検索クエリのバリエーションも含めて測定することは、すばらしいことなのだが、SEO目的の試験的キャンペーンでは、それぞれをきちんと特定し、ターゲティングしない限り、同じ検索語句のバリエーションで自然と高い順位を獲得することはできない。
地域はきちんと絞り込んでおこう。キーワードに地域性を示唆する言葉や地域を表す修飾語を含む場合はなおさらだ。そうでないと、著しい過大評価や過小評価を招きかねない。
季節要因に基づく変動と流動性を常に把握しておこう。マイクロソフトのKeyword ForecastやGoogle Insights for Searchが役に立つ。
一般に検索トラフィックの変動は、検索意図の変化を示すものでもある。したがって、トラフィックの冷え込んでいる時期のキーワード購入は、正しい予測の妨げとなりかねない。
ところで、見逃した人がいるといけないので念のために付け加えておくと、ダニーが書いた鋭い記事「インターネットのトップブログを分析:成功例に学ぶ」を読んでみて。少々目立たない記事だけど、徹底的に検証してみる価値はあるよ。
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