今日は、企業がWebサイトで何かを行うときに、より効果的に行えるようにするための「POSTメソッド」を紹介しましょう。
基本的かつ必要十分な検討要素がうまく入っていて、あらゆるアクションの基本として考えられるメソッドです。
「POSTメソッド」とは、企業がソーシャルメディアをビジネスに活用するときに考えるべき要素をまとめたものとして、フォレスター・リサーチが提唱しているものです。「POST」とは、次の4つの要素の頭文字なのです。
- P(People、人)――どんな人が対象なのか
- O(Objective、目的)――何のビジネス目的を達成する必要があるのか
- S(Strategy、戦略)――成功したら以前と何が変わるのか
- T(Technology、技術)――どんな技術を使ってアクションを実行するのか
ソーシャルメディアを活用するということは、企業がコミュニティと積極的にかかわるということ。そのときに、上記の要素を明確にするのが成功への近道、というわけです。
ユーザーを正しく理解するべきだというのは、ユーザーの生活やメディア接触の態度が急速に変わっている現在は、非常に重要なもの。先日のイベントもテーマは「御社のユーザー視点、それは本物ですか?」でした。Webサイトにとってペルソナが有用なのも、ここに根があります。
達成すべきビジネス目的を明確にすることの重要性は、私がセミナーでも繰り返し言っていること。ソーシャルメディアへのかかわりで言えば、リサーチなのか、アイデア出しなのか、クチコミなのか、などですね。
戦略が「成功したら以前と何が変わるのか」というのは、意外に思えるかもしれませんが、それを定義したら、自ずと何をすべきなのかは明らかになるだろう、ということ。
そして、P/O/Sの3つが明確になったら、それを実現する手段として、どの技術を使うのかを決めるべし。間違っても、技術ありきで施策を考えないこと。
フォレスター・リサーチは、この「POST」を企業とソーシャルメディアとの接点というテーマで扱っていますが、この要素は、コーポレートサイトのリニューアルであれ、広告キャンペーンであれ、Webを使ったインタラクティブな施策全般に通用するものではないでしょうか。
企業サイトなのに評価の指標がないというのは、そもそもの目的をちゃんと設定できていないことの証ですし、「流行してるから自社SNSを立ち上げよう」「Flashでクールなクリエイティブを」「こんなコンテンツが手元にあるから、それで何かを作れないか」など、POSTで考えると再検討が必要になるような施策の話もよく目にします。
何かのアクションをする場合に、考慮すべき要素を簡単に思い出せる「POST」のキーワード、常に頭においておきたいものです。
- POSTに触れているフォレスター・リサーチJosh Bernoff氏の記事(英語)
→ http://blogs.forrester.com/groundswell/2007/12/the-post-method.html
この記事は、メールマガジン「Web担ウィークリー」やINTERNET Watchの「週刊 Web担当者フォーラム通信」に掲載されたコラムをWeb担サイト 上に再掲したものです。
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