最近は「ユーザビリティ」という言葉もそれなりに一般的になり、Webサイトが「使いやすい」ことの重要性は理解されつつある。しかし、Webサイトは使いやすければそれでいいのだろうか?
Webサイトに限らず、「良い」モノを作るのに必要な要素が3つあると言われる。
- 役に立つこと(useful)
- 使いやすいこと(usable)
- 魅力的である(好ましい)こと(desirable)
これは、『Creating Breakthrough Products: Innovation from Product Planning to Program Approval』という書籍(2002, Prentice Hall PTR)の冒頭で述べられているものだ。
Webサイトを作るとき、企業は一般的にまず「役に立つサイト」であることを追求し、それが達成されたら次に「使いやすいサイト」になるようにする。ここまでは、最近のWeb担当者ならだれでも考えることだろう。しかし、B2Cはともかくとして、「魅力的なサイト」であるように努力する例は少ないのではないだろうか。
どれだけ役に立つコンテンツがあっても、その人にとって好ましいものでなければ、また、使いづらいWebサイトならば、ユーザーはイヤになってどこかへ行ってしまう。どれだけ使いやすいサイトでも、その人にとって好ましく役に立つ内容がなければユーザーはそっぽを向いてしまう。
ユーザーがあなたのWebサイトに来て、何を感じて何を成すかの体験は、前述の3つの要素のバランスが大切なのだ。つまり、3つの要素は順に達成していくのではなく、同時に達成しているべきなのだ。
ここで注意しなければいけないのは、何が「魅力的である(好ましい)」かは、人によって異なるという点だ。そのため、実際のユーザーのニーズを調査してみなければ、本当の意味でのユーザー視点で魅力的なWebサイトは作れないのだ。
あなたの会社のWebサイトは、役に立ち、使いやすく、魅力的な(好ましい)ものになっているだろうか。改めてこの3本柱を見直してみてはいかがだろうか。
ちなみに、ユーザー視点のWebサイト作りを実現するための手法には、「観察法」「ワークモデリング」「ペルソナ」「シナリオ」など、さまざまな方法がある。
それぞれについてここでは詳しくは解説できないが、Web担当者Forumで解説しているものもあるし、10月17日に開催されたイベント「Web担当者ForumミーティングWAIS JAPAN」では、メインテーマを「御社のユーザー視点、それは本物ですか?」として、基調講演ではフォレスター・リサーチのシニアアナリストであるジョナサン・ブラウン氏にお話しいただいた。
興味を持たれた方は、今後もぜひWeb担をチェックしてみてほしい。
この記事は、インターネットマガジン Weekly Mailに掲載されたコラムをWeb担サイト 上に再掲したものです。
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