過去の自分に向けて書く/大橋悦夫さんのブログ論(第7回)
ブログを7つ失敗して体得したキャラ設定のコツ
いしたに このインタビューは、おもに企業のWeb担当者が読むことを想定しています。今回は前回の小林さんからご指名をいただきました、大橋悦夫(おおはし・えつお)さんです。
大橋 はい、大橋悦夫と申します。ネット上では「シゴタノ!——仕事を楽しくする研究日誌」というブログを主宰しています。ネット外では「シゴタノ!」のコンテンツをベースに、書籍の執筆やセミナー、企業向けの研修などをなりわいとしています。2008年4月からはデジタルハリウッドで「業務の能率を2倍にするビジネスHack」という講座を担当させていただいています。
ブログ名 | シゴタノ!——仕事を楽しくする研究日誌 |
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一言で言うとどんなブログ? | 「毎日の仕事を楽しくする!」を合い言葉に、研究日誌という形で、仕事を楽しくするためのアイデアや具体的な方法を紹介するブログ |
運営者略歴 | 大橋悦夫。1974年、東京生まれ。ブロガー、セミナー講師、デジタルハリウッド講師。ブログ記事の執筆を中心に、仕事のスピードアップ・効率アップ・やる気アップをテーマとしたセミナーや研修を手がけ、20~30代のビジネスパーソンに人気を博す。著書に『「手帳ブログ」のススメ』(翔泳社)、『スピードハックス』『チームハックス』(ともに日本実業出版社)、『成功ハックス』(青春出版社)、『LIVE HACKS!』(ゴマブックス)、『Life Hacks PRESS Vol.2』(技術評論社)などがある。 |
開始年 | 2005年6月 |
1日のアクセス数 | 平日およそ10000PV |
RSS登録数 | 4433フィード(livedoor Reader調べ) |
いしたに 毎回、みなさんにお聞きしているのですが、そもそもブログを始めたきっかけ、理由は何だったのでしょうか?
大橋 今やっているブログは実は8つめになります。そして、一番長く続いているブログです。始めたのは2005年6月。もともと文章を書くのが好きで、きっかけは90年代に始めたパソコン通信。それからインターネットの時代になり、最初に入ったSIerを4年で卒業してから始めたブログ(当時はWeb日記でしたが)が2001年。そこからいろいろなテーマや方向性を改めながら、ようやく今の形になりました。2001年当時というのは、いわゆるテキストサイトの時代で、「侍魂」とか「日記猿人(ばうわうさん)」とか、人気サイトがたくさんあって、自分でもいつかそういうサイトの管理人になりたいな、という想いがありました。でも、結局それに憧れてブログを始めても、続かない。7つのブログをつぶして、ようやく見つけたのが今のブログで、要は未来の自分のために、今日の自分が仕事で得た気づきとか方法を残しておこう、という目的で始めました。備忘メモですね。
いしたに やっぱり、試行錯誤あるんですね。徳力さんもそうだったけど、みんなけっこういくつかの失敗を経て、今のスタイルになってますね。大橋さんのエントリーはなんというかじっくり練られているというか、裏に素振りがあってできあがっている印象がありますけど、そもそもブログを7つもつぶしたっていうこと自体が試行錯誤の歴史ですね(笑)。今のスタイルに固定できたのは、それまでと何か明確な違いってあるんですか?
大橋 逆説的なのですが、自分のキャラを抑えたことでしょうか。それまでは、自分はこういう人間なんだー、聞いてくれー、という必死さがあったんです。必死なだけに、今から読み返すと、痛い。そこで、仕事術に徹して、中の人のキャラは、仕事術オタクか仕事術マニアか、とにかく普段の生活を感じさせないようにしていました。素の自分に自信がなかった、ということでもありますけど……。
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