平均閲覧PV数をセグメント分けして考えよう - アクセス解析
今日は、アクセス解析の項目である「平均閲覧PV数」を突っ込んで調べてみましょう。単に「平均閲覧PV数」といっても、ユーザーの状態ごとに分けて考えると、またユーザーの違った姿が見えてくるものです。
アクセス解析の項目に「平均閲覧PV数」というものがあります。多くのツールではセッションあたりの平均閲覧PV数を出してくれていると思います。これは、1回サイトに来て何ページくらい見ていくのかのデータです(ちなみに「セッション」とは「訪問」と表現されることもあり、一連のアクセスを指すものです。ページとページの間が30分くらい空いたら別セッションとして扱うツールが多いようです)。
たとえばECサイトで商品の購入フローが「商品ページを見る」→「商品をショッピングカートに入れる」→「配送先や支払い条件を入力して送信する」→「入力した情報を確認して購入ボタン」→「購入完了」と最低でも5ページある場合、平均閲覧PV数が3ページだと購入に至らずサイトを去っている人が多いなどがわかります。
全体の平均閲覧PV数
通常は、平均閲覧PV数は次の式で求められます。
全体の平均閲覧PV数=総ページビュー数÷総セッション数
たとえばGoogle Analyticsでは、サイト全体の平均閲覧PV数は[ユーザー]>[ユーザーの傾向]>[平均ページビュー数]で確認できます。
しかし、このデータはあくまでも「全体の平均」でしかありません。
新規/リピート別の平均閲覧PV数
ここでさらに、一見さんとリピートユーザーさんで分けて見てみましょう。
Google Analyticsのメニューで[ユーザー]>[新規ユーザーとリピーター]を選び、表示された表の上のドロップダウンリストを「セッション」から「平均ページビュー」に変更します。
新規ユーザー(初めてあなたのサイトに来た人)とリピーター(以前にもあなたのサイトに来たことのある人)で、かなり数値が違うのではないでしょうか。
しかし、実はこの数値もあくまでも「平均」でしかないのです。
非直帰ユーザーの平均閲覧PV数
もう少し突っ込んで見てみましょう。直帰ユーザーと非直帰ユーザーに分けてみるのです。「直帰」とは、主に検索エンジンや他サイトのリンクから来た人が、最初の1ページだけ見て他のページは見ずにサイトを立ち去ることです。「自分の求めているサイトではない」と思ったのか、見たページの内容で求めていた情報が得られたのかはわかりませんが、サイトのページをいろいろと見る人とは動きが異なることは確かなので、分けて考えるのも手でしょう。
全体の非直帰ユーザーの平均閲覧PV数は次のようにして求められます。
非直帰ユーザーの平均閲覧PV数=
( 全体の総PV数 - ( 全体の総セッション数 × 全体の直帰率 ) )………(A)
÷ ( 全体の総セッション数 - ( 全体の総セッション数 × 全体の直帰率 ) )………(B)
それぞれのデータはGoogle Analyticsでは次の場所で見られます。
・全体の総PV数:[ユーザー]>[ユーザーの傾向]>[ページビュー数]
・全体の総セッション数:[ユーザー]>[ユーザーの傾向]>[セッション数]
・全体の直帰率:[ユーザー]>[ユーザーの傾向]>[直帰率]
非直帰ユーザーに絞って平均閲覧PV数を知りたいのであれば、最初の式のように、非直帰ユーザーの総PV数と総セッション数がわかればいいので、それを求めています。
直帰ユーザーの総セッション数は「全体の総セッション数×全体の直帰率」で求められます。直帰ユーザーの平均閲覧PV数は「1」ですから、直帰ユーザーの総PV数は直帰ユーザーの総セッション数と同じになります。そうして求めた直帰ユーザーの総PV数を全体のPV数から引けば非直帰ユーザーの総閲覧PV数がわかります(A)。
あとは、非直帰ユーザーの総セッション数を求めればいいだけです。前述のように、直帰ユーザーのセッション数を全体の総セッション数が引けばいいだけですね(B)。計算してみたら、全体の平均閲覧PV数とだいぶ違う数値になっているのではないでしょうか。
「新規で非直帰」「リピーターで非直帰」それぞれの平均閲覧PV数
さらに、新規ユーザーとリピーターそれぞれについて、非直帰ユーザーの限定して平均閲覧PV数を見てみましょう(繰り返しますが、直帰ユーザーの平均閲覧PV数は「1」です)。
まずは新規の非直帰ユーザーから。表記が複雑になるので、最終的に平均閲覧PV数を求める元となる総セッション数と総PV数の計算方法を先に出します。
新規ユーザー(非直帰)の総PV数=……………(C)
( 新規ユーザーの総セッション数 × 新規ユーザーの平均閲覧PV数 )
- ( 新規ユーザーの総セッション数 × 新規ユーザーの直帰率 )
新規ユーザー(非直帰)の総セッション数=……………(D)
新規ユーザーの総セッション数
- ( 新規ユーザーの総セッション数 × 新規ユーザーの直帰率 )
新規ユーザー(非直帰)の平均閲覧PV数=
新規ユーザー(非直帰)の総PV数(C)
÷ 新規ユーザー(非直帰)の総セッション数(D)
それぞれのデータはGoogle Analyticsでは次の場所で見られます。
・新規ユーザーの総セッション数:[ユーザー]>[新規ユーザーとリピーター]
・新規ユーザーの直帰率:上記画面で表の上のドロップダウンリストを「セッション」から「直帰率」に変更
同様に、リピーターに関しても次の式で調べられます。リピーターの総セッション数やリピーターの直帰率に関しては、上記の新規ユーザー用のデータと同じ場所で見られます。
リピーター(非直帰)の総ページビュー数=……………(E)
( リピーターの総セッション数 × リピーターの平均閲覧PV数 )
- ( リピーターの総セッション数 × リピーターの直帰率 )
リピーター(非直帰)の総セッション数=……………(F)
リピーターの総セッション数
- ( リピーターの総セッション数 × リピーターの直帰率 )
リピーター(非直帰)の平均閲覧PV数
リピーター(非直帰)の総PV数(E)
÷ リピーター(非直帰)の総セッション数(F)
こうして説明するとわかりづらいですが、Excelで各要素を入力する欄を作っておいて、まとめて計算すると楽に出せます。
さて、あなたのサイトでは新規ユーザーとリピーター、それぞれで平均閲覧PV数はどう違ったでしょうか? たとえばWeb担のある時期のセッション平均閲覧PV数をユーザーのセグメントごとに計算してみると、次のとおりでした。
全体 | 2.54 PV |
---|---|
全体(非直帰) | 5.09 PV |
新規ユーザー全体 | 2.24 PV |
新規ユーザー(非直帰) | 4.82 PV |
リピーター全体 | 2.80 PV |
リピーター(非直帰) | 5.25 PV |
「平均閲覧PV数2.54は少ないなー」という印象も、こうして見てみるとだいぶ違ってみえますよね。
この記事は、メールマガジン「Web担ウィークリー」やINTERNET Watchの「週刊 Web担当者フォーラム通信」に掲載されたコラムをWeb担サイト 上に再掲したものです。
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