検索連動型広告を成功に導くSEM戦略
Google「アドワーズ広告」オーバーチュア「スポンサードサーチ」
で利益を生み出すプロの秘策!
この記事は、第2章「費用対効果を最大化するキーワードの方程式」の記事です。
損益分岐点から運用の条件を見つけ出す
本章のまとめとして、あるパソコンショップを例として、検索連動型広告の費用対効果を考えてみましょう。ここでは前項の予算、つまり「まず予算を決め、その範囲内で最大の効果を目指す」という目的で出稿します。
月商 | 1,000万円 | |
商品 | 売値 | 100,000円 |
粗利 | 10,000円(売値の10%) |
1.予算を決める
予算の決め方としては、現状の売上をベースに考えるのが一般的です。このショップでは月商の3%程度なら現実的と判断し、そのすべてを検索連動型広告に使います。
月商の3%を予算として見積もると……
1ヵ月あたりの広告予算は30万円
2.損益分岐点を考える
検索連動型広告の出稿によって、既存客のリピートや周辺機器などの増販も期待できる。ここでは単純化するため、それらの効果をすべて無視して算出している。
検索連動型広告を経由して売れた分で広告費を回収できなければ、出稿するだけ損です。そこで損益分岐点、つまり費用をペイするために必要な効果を考えます。
月間30万円のコストを粗利で回収するには……
1ヵ月あたり30台以上の拡販につながれば回収可能
3.損益分岐点を超えるための条件を考える
では、その損益分岐点を超えるには、検索連動型広告の運用でどのような条件が求められるのでしょうか?
コンバージョン率は1%、つまり
1コンバージョンに必要なクリック数は100回なので……
1ヵ月あたり30台以上の拡販には、
1ヵ月あたり3,000回以上のクリック数が必要
クリック率は5%、つまり
1クリックに必要なインプレッション数は20回なので……
1ヵ月あたり60,000回以上検索される
キーワードへの出稿が必要
4.予算から入札可能なクリック単価を考える
実際にクリック単価が100円になったとすると、1コンバージョンに必要な広告費は10,000円となり、粗利と同じになる。損益分岐から考えれば収支が揃うが、原価率としては高いので、売上のすべてを検索連動型広告に頼る場合は、さらなるコスト圧縮が求められる。
運用に必要な条件が分かったら、それを予算の範囲で行えるかどうかを考えます。入札可能なクリック単価まで落とし込んで考えましょう。
月間30万円の予算で3,000クリックを獲得するには……
1クリックあたり100円までなら入札可能
条件によっては予算の増額も検討
以上が、検索連動型広告の費用対効果を見積もる上での、ごく基本的な考え方となります。
ただ、この例ではクリック率5%、コンバージョン率1%という前提があります。ですから、入札額100円の掲載順位ではクリック率5%が確保できない場合などは、予算も含めて再検討が必要になってきます。
また、例えば「○ヵ月間で会員数を○人増やす」といった投資的な戦略をとる場合は、その目標を達成するための条件を先に考えることになります。自分の戦略にあわせて、適切な見積もりを行っていきましょう。
この記事は、書籍『検索連動型広告を成功に導くSEM戦略』の内容を、Web担向けに特別にオンラインで公開しているものです。
検索連動型広告を成功に導くSEM戦略
成長を続けるネット広告の中でも、もっとも注目なのが検索エンジンを使った「検索連動型広告」。その代表例であるGoogle「アドワーズ広告」、オーバーチュア「スポンサードサーチ」のキーワード選びやメンテナンスを通し、費用対効果を最大化していくSEMのセオリーとノウハウを、ネット専業代理店のSEMストラテジストが解き明かします。さらに、SEMのニュートレンドであるコンテンツ連動型広告、モバイルリスティング広告の新章を追加。検索エンジンを活用したプロモーションで成果を出したい人には必読の1冊。
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