検索エンジン時代だからこそ改めてドメイン名の価値を知る/独Sedo社インタビュー
●編集部 では、これまでにも出ていた「良い」ドメイン名とは、どんなものを指すのでしょうか?
●マティアス 「良い」ドメイン名の基準はいくつかあります。
まず、一般的であること。だれでも、それが何を意味するのかわかる用語という意味ですね。そして、短ければ短いほうがいい。覚えるにも、キーボードから打つにもいいですよね。あとは、1単語であること。単語をハイフンでつないだ形はあまり好ましくなく、1つの短い単語が望ましいです。
あとは、TLD(トップレベルドメイン名)にもいくつかのランクがあります。価値のあるドメイン名を「良い」ドメイン名とするならば、やはり.comが最も人気があり、値が付いています。あとは、状況にもよるのですが、.co.ukのように2レベルあるよりも、.comや.jp、.deのような短いもののほうが良いでしょう。
さらに、ドメイン名とTLDがセットで同じ言語になっているべきです。つまり、.deならばドメイン名部分もドイツ語を使うべきですし、.comならば英語のドメイン名にするべきです。さきほどの例で言うと、fahrrad.deやbicycles.comは良いけれどもbicycles.deはよろしくないということです。
ちなみに、Sedoには、ドメイン名の価格査定を行う部署があります。そこでは、さまざまなドメイン名を分析し、いくらくらいの価値があるか判断しています。自分のもっているドメイン名が良いドメイン名なのか、高額で売れそうかどうか、判断できなくても、Sedoに依頼していただければ、さほど高くないお値段で価格査定を行います。つまり、そのドメイン名の相場感を判断してお教えするのです。前述した「良い」ドメイン名の基準は、Sedoが価格査定をするときに判断の指標となっているものなのです。
●編集部 それらの基準は、日本語の市場でも同様だと考えていいのでしょうか?
●マティアス 概してそうだと考えられるでしょう。一般的な用語で、短い単語でといった基準は日本市場でも同じでしょう。
とはいえ、Sedoとしても日本市場での経験はまだ長くないので、日本市場で「良い」ドメイン名に関しては、まだ調査が必要ですが。我々としても、日本は重要な市場だと考えていますので、日本語を話すスタッフを雇用するなどの投資を続けています。
●編集部 Sedoではどれくらいのドメイン名が売買されているのでしょうか?
●マティアス 最近のデータですと、1か月あたり1900件以上の売買が成立していて、その取引額は450万ユーロ(約6億円弱)にのぼります。
年間の総取引数でいうと、2006年の1万7850件で、2007年は2万7000件ほどでした。
ちなみに、平均のドメイン名売買単価は2,500ドル~2,600ドル程度(約25万~26万円)でした。ただし、これは平均だという点に注意が必要です。100万ドルや25万ドルで売買されたものも含んだうえでの平均ですから。つまり、そういった極端に高額なものを除けば、500ドル~1,000ドル(5万~10万円)で購入できる良いドメイン名もたくさんあるということです。
ドメイン名に5万円や10万円を支払うというと、以前ならば非常に高い買い物に思えたものでしょう。しかし、そもそも、ドメイン名とはレジストラで登録すれば数百円~2,000円ほどのものです。それが5万円で売買されているということは……それだけの価値があるということなのです! だれもがドメイン名に1億円を支払う必要はありませんが、ビジネスを有利に進められるツールとして値段に見合う価値があるならば、そこに投資をするのは不思議なことではありません。ビジネスを始めるのに必要な、コピー機やコンピュータの費用を考えると、ドメイン名が数十万円程度というのは「高すぎる買い物」でしょうか?
●編集部 まだSedoの日本法人はないのですよね?
●マティアス そうですね。すぐに日本にオフィスを開設するという予定はまだありません。というのも、Sedoでは、「全世界すべての国にオフィスを作っていく」という戦略はとっていまないのです。
ドイツ以外では、Sedoは米国と英国にオフィスがあります。米国のオフィスはボストンにあるのですが、現在では50人以上のスタッフがいます。それ以外にも、各国のカントリーマネージャがいますし、25か国以上の人がSedoで働いていますので、世界中のどの国から問い合わせがあっても、Sedoには必ずだれかコミュニケーションできる人がいるというのは、大きな強みだと思っています。
●編集部 SedoのWebサイトも、日本語の説明ページや資料があるんですね。
●マティアス このビジネスでは、物事をちゃんと説明することが重要ですからね。サイト全体や取引システムを日本語にするのはまだ時間がかかりますが、多くのサービスの説明に日本語の資料を用意しています。
●編集部 Sedoでは「ドメインパーキング」というサービスも提供していますね。ドメインパーキングになじみの少ない人もいると思いますので、簡単に説明していただけますか?
●マティアス ドメインパーキングは、取得したもののそこでWebサイトを作る予定がないドメイン名を使って利益を出すための仕組みです。
ドメインパーキングとは、そのドメイン名にブラウザでアクセスすると、ドメイン名に応じた広告を自動的に表示する仕組みです。たとえば、hotel.comというドメイン名をパーキングすると、ホテルに関する広告が表示されるのです。広告は主にグーグルのもので、だれかが広告をクリックするとグーグルから広告費が我々に支払われますので、それをドメイン名の所有者の方とSedoで分ける形となります。ドメインパーキングは、米国やヨーロッパではごく一般的なものになっています。
ドメインパーキングを利用できるのは、Webサイトに使っていないドメイン名です。たとえば、メールアドレスにだけ使っているドメイン名や、投資のためにドメイン名を購入した場合ですね。そういう場合は、ドメインパーキングを利用することで、そのドメイン名から利益を得ることができるのです。
レジストラの事業者にとっても、ドメインパーキングは興味深い仕組みのはずです。登録されたドメイン名にコンテンツがアップロードされていなければ、アクセスしても通常は404(ページが見つかりません)エラーのページが表示されます。しかし、その状態で広告が表示されるようにもできるのです。エラーページや工事中の画像を表示するよりも、何らかのコンテンツが表示されるほうがステキですよね。それに、ドメインパーキングのページもグーグル検索でキーワードにヒットしますし。
●編集部 ドメインパーキングを利用している間も、もちろんドメイン名の登録料はかかるんですよね?
●マティアス そうですね。パーキングを利用している間も、ドメイン名はあなたのものですから、レジストラに支払う登録料は必要になります。しかし、パーキングを利用するために追加の費用はかかりません。初期費用も月額費用もありません。あなたはただ、DNS設定かリダイレクト設定を少し変えるだけです。それ以外の広告を表示するためのサーバーなどの費用はSedoが負担します。さらに、パーキングで表示されるページのカスタマイズやアクセス解析などの機能も提供していますよ。
●編集部 ドメイン名の取得に関しては、レジストリで新規に登録するよりも、Sedoのような売買市場での取引のほうが、規模が大きくなってきているようですね?
●マティアス そうですね、ドメイン名の売買は大きな市場になっていくでしょうね。断言はできないのですが、ドメイン名の新規市場と売買市場が1つに合わさってきているようです。成功しているレジストラはドメイン名の新規登録も売買もどちらもサポートしています。つまり、顧客が求めるドメイン名を、できるだけ簡単に入手できるような仕組みに向かっているということですね。
もしかすると、最終的には、ドメイン名を取得する人は、それが新規登録なのかだれかから購入したものなのかすら気にしなくなるのかもしれません。単に値段が違うというだけの話になるということですね。もちろん、新規登録がメインの市場であることは確かなのですが、新規登録と売買市場とでドメイン名のエコシステムができるということです。
繰り返しますが、Webサイトを作ろうとしている人にとっては、ドメイン名が新規登録であろうが売買市場から買ったものであろうが関係ないのです。大切なのは、ビジネスに価値をもたらすドメイン名を適切な価格で入手できるかなのです。
●編集部 日本では「中古」というとあまり印象が良くないと考える人もいますが。
●マティアス 中古といっても、モノとドメイン名では大きな違いがあります。
たとえば中古カメラですと、使い込まれた古いものになってしまいますが、ドメイン名は売買市場で購入した中古でも、ドメイン名としては何も変わりはありません。
さらにいうと、ドメイン名では中古のほうが良い場合もあるのです。というのも、トラフィックが確保できている可能性があるのですから。中古のカメラでも非常に高価なものがあるのと同様に、ドメイン名も中古だからこそ価値がある場合もあるのです。
そういう意味では、Sedoとしてもみなさんにドメイン名の質や価値といった情報をもっとお届けしていく必要があるのかもしれませんね。ドメイン名によっては、あなたのビジネスを強力にプッシュしてくれる場合もあります。
ちなみにドイツのドメイン名(.de)登録は約1200万件と、非常に多いのをご存じですか? ドイツのレジストラはドメイン名の登録を非常に簡単にしていて、だれでも安い費用で.deドメイン名をもてます。レンタルサーバー事業者も、サーバーを借りればさらに.deドメイン名がついてきて、さらにWebサイトを簡単に開けるコンテンツ管理システムもついてくるパッケージを提供しています。たとえばあなたが何かパーティを開くとしますよね。そうすると、「webtan_party_2009.de」といったドメイン名でサイトを開いて、招待状にはそのドメイン名を示すのです。それくらい簡単にできるようになっているのです。日本では携帯電話が普及しているので、もっとおもしろい活用ができるのではないでしょうか?
●編集部 最後に、日本の読者にメッセージをお願いします。
●マティアス 何よりも、Sedoは日本の市場に対して非常に興味をもっていて、我々がドメイン名に対してもつ熱意を共有したいと考えていることを知っていただければと。ドメイン名はヨーロッパや米国などでうまく回っているビジネスなので、日本でウェブに携わる方にも興味深いものになると思います。
もちろん、その際にSedoのサービスを使ってもらえるとありがたいです。正直なところ、Sedoの情報やサービスすべてが日本語で提供されているわけではないのですが、日本語を使えるスタッフもいますし。ドメイン名を売ったり買ったりする際に、Sedoを検討していただければ、お役に立てるはずですよ。
私はデュッセルドルフの出身なのですが、デュッセルドルフにはしっかりとした日本人コミュニティがあります。ですから日本の方とのやりとりにも慣れていますし、そもそも、日本人とドイツ人ではメンタリティに共通点があると思います。
最初に申しましたように、私のミッションは日本のレジストラやレンタルサーバー事業者、ドメイン名を使う人たちとのパートナーシップを結ぶことです。我々は、短期的な利益が目的ではありません。長期的な視点で信頼できるパートナーシップを結んで互いにビジネスを成長させていくことが我々のビジネスのうえでのスタイルなのですから。
●編集部 ありがとうございます。
Sedo GmbH社
- 本社所在地 ● ケルン(ドイツ)。ほかにケンブリッジ(米国マサチューセッツ州)、ロンドン(英国)にオフィスがある
- 設立 ● 2000年
- URL ● http://sedo.jp
- 事業内容 ● Sedoとは「Search Engine for Domain Offers」(ドメイン名取引の検索エンジン)の略。ドメイン名やWebサイト全体を売買する取引のためのオンラインマーケットプレイスを提供している。
コメント
人気がありそうなドメインだけ取って、それを売って あぶく銭
人気がありそうなドメインだけ取って、それを売って
あぶく銭を得る…コツコツ頑張ってる人間に取って
あなた達はただのマーゲーマーです。
あなたの会社に我が社のドメインも取られました。
零細企業で、首をくくらないかもいけないかもしれません。
気持ち良いですか!?あなたにもそういう思いをさせられた
人達と同じ苦しみを味会わせてやりたいです。
あなた達がやってる事は、中国が大企業が取りそうな
「商標登録」を先に取って、高額で売るやり方と何も変わりませんよね!?
それに、良心の無いデジタルに詳しい人間なら誰でも出来る
クソみたいに内容の無い、誰も幸せになれないビジネスですよね…
何を自慢げに語ってるんでしょう…マティアス・マイヤー・ショーンヘア詐欺師。
顔に人間性がにじみ出てますよ!ろくな親に育てられなかったんでしょう…
早く地獄に堕ちてください。悪魔。