検索結果ページ(SERP)における競合相手を明確に把握する手順
この記事で取り扱うSEO戦略は、検索結果ページ(SERP)における競合相手を明確にするというシンプルなものだ。見つかった競合相手をさらに分析する方法については、別の記事で取り扱うことにして、まずはライバルをはっきりとさせることに集中する。
ここでは、あくまでも検索エンジン上の競合相手だけを見ていく。いわゆるアクセス状況の業界ベンチマークや「ユニークビジター数」や「ページビュー」といった業界が定めた指標に基づく競合は無視する。ここで考えているSEO戦略では「検索」を問題にしているので、検索結果に現れるライバルだけにこだわっていくことにしよう。
というと、こんな声が聞こえてきそうだ。
そんなの簡単じゃないか、自分がターゲットとしているキーワードを入れてどういうサイトが出てくるかを調べればいいだけだろう
それは正しいし、作業の一部ではある。だが、本格的な分析に備えて、分析や比較の対象とすべきライバルは確実に見極めておきたい。
キーワード調査については、すでに多くの記事で解説しているので、ここではキーワードのカテゴリごとに競合相手をはっきりさせてみよう(または、特に大企業レベルの大きなサイトを扱っている場合は、少数の重要なカテゴリだけに絞ってみてもいい)。
カテゴリごとに競合相手をはっきりさせるというのは、こういうことだ。
もしあなたが有名人(芸能人)を取り上げているサイトを扱っているのなら、ライバルはOMG、TMZ、Perez Hiltonといった大手サイトになるかもしれない。でも、それはビックキーワードのレベルの話だ。検索キーワードをカテゴリ分類していくと、「有名人」というキーワードは「有名人の写真」「有名人のニュース」など、いくつかのサブトピックに分類できる。これらのサブトピックをキーワードとする検索それぞれにおいて、圧倒的な強さを持つライバルが存在する。すべてのサブトピックで顔を出すサイトが1つや2つはあるかもしれないが、たいていの場合、サブトピックごとに異なるサイトが、競合相手として上位にランクされているはずだ。そこで知りたくなるのは、各トピックでどのサイトが上位を獲得しているのか、ということになる。
競合相手を見つけ出す方法
これにはいくつかの手が使える。すでに自分流のやり方を見つけていて、その方法を変えたくないのなら、むろんそれは構わない。ここでは、どうやってこのデータをまとめるかについて、一例を示そう。
私のやり方はこうだ。
Excelの新規ワークシートに、「競合相手」などのような名前を付ける。それから、サイトの競合相手全体を記録するためのワークシートを1つ作ろう。(先に定義したキーワードのカテゴリなどのように、)サイトのサブトピックについても調べたい場合は、競合相手を調査するカテゴリごとにタブを作成していく。このワークシートには、計算も手の込んだ装飾も一切必要ない。これは単に、ライバルたちを1か所にまとめて追跡するためのものだ。Wordを使ってもいいし、昔ながらのペンと紙が好みならそれでもいい。
誰が自分の競合相手かを見極める簡単な方法は、検索ボックスに2つの単語を入れて結果を調べることだ。それでは、実際にこの方法を試してみよう。次の図は、「celebrity gossip(有名人 ゴシップ)」というキーワードを使った検索結果の上位5件だ。
各タブ/トピックについて、2つの単語を使った検索で上位にランクされた名前を、先ほどのExcelのシートに書き込んでおこう。キーワードのグループに含まれるすべての単語について競合相手をチェックする必要はない。2つか3つ選び、結果として表示されたものをメモするだけだ。
または、3大検索エンジンすべてで上位にランクされているものをチェックするというやり方ある。自分に合ったものを選べばいい。
そして最後に、この「キーワードのグループ内で最も多く表示されたサイト」がどれかを調べる。
さらに別の方法としては、SEOmozの「キーワード難易度ツール」を使う手もある。このツールの便利なところは、上位のライバルだけでなく、もう少し細かい状況まで教えてくれることだ。ただし今回の例では、上位にランクされた競合相手たちをCSV形式のファイルとしてダウンロードし、それをExcelのシートにコピー&ペーストするにとどめておく。
キーワード難易度ツールでは、次の図のように調べたいキーワードの1つを入力すると、情報が表示される。
下に示したのが、検索結果の上位にランクされたサイトについて、難易度スコアとオーソリティを比較したグラフだ。
この結果をエクスポートするためのボタンはページの下の方にある。これと同じことを、現在調査しているトピックについて、さらにいくつかのキーワードで試し、結果のすべてをトピックのタブに追加してみよう。
すると、下の図のようになる。ここには、「Celebrity - General」カテゴリで使ったキーワードを示してある。
ここでは、2つのキーワードどちらででも検索上位5位以内にランクされたサイトを色分けし、メモしておいた(赤で囲んだ部分)。これが、狙うべき競合相手だ。
以下は、もう1つのサブカテゴリについて調べた別の例だ。
この例では、2つのサイトが複数のキーワードにまたがって顔を出している。そこで、この2つを色分けし、ページの頭にメモした(赤で囲んだ部分)。この2サイトは、次のステップとして詳細な競合サイト分析を行う場合、「Celebrity News(有名人 ニュース)」というサブトピックで対象になる競合相手だ。
一応言っておくと、各カテゴリについて対象とすべき競合相手は、2つでも5つでも好みで決めていい(私の場合は、少なくとも3つにしている)。選択するサイト数が多くなれば、詳細分析を行う際にやるべき作業が増えるけれど、その分、より多くの知見が得られるだろう。
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