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商品案内には2つの商品だけ

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商品案内には2つの商品だけ

さて、「ライフネット生命保険」の「生命保険商品のご案内」ページ(図6)を見ると、基本的に「死亡保障」と「医療保障」しか紹介していない。

図6:「ライフネット生命保険」の「生命保険商品のご案内」ページのファーストビュー
図6:「ライフネット生命保険」の「生命保険商品のご案内」ページのファーストビュー。「死亡保障」と「医療保障」しか紹介していない(赤枠で囲んだ部分)

あれ、あまり商品の種類がないのかなと思うと、下の「知らなきゃ損の保険知識」というコラム(青枠で囲んだ部分)に「がん保険編」「学資保険編」といったページを用意しているのだが、「じつはお客さんにとっては、がん保険なんて得にもなりませんよ」という解説があり、がん保険ではなく、通常の医療保険を選ぼうということを推奨している。また学資保険については、貯蓄と同じですよというアドバイスをしている。つまり保険と貯蓄は目的が違うということだ。もちろん貯蓄を否定しているわけではない。

普通はいろいろな商品やサービスを揃えて、それを紹介してクロスセルするというのがサービス提供側としてのスタンスにどうしてもなりがちなのだが、「ライフネット生命保険」の場合は、そもそもユーザー視点にまず立つという姿勢が読み取れる。

筆者個人としては、保険で補償してもらうのはあまり必要ないと考えているので、「共済」という安い保険に入っているのだが、そのあたりのことも、「共済編」というページで的確に説明されている。そこでは「共済って安いんだけど、保障は充実してませんよ」ということを解説しているのだが、まさにそのとおりなのだ。私はそれで十分なのだけど、充実した保障を望む人には、きちんと警鐘を鳴らすコメントをしているのだ。

結果的には、つかめるユーザーを逃している場合もあると思うのだが、この正直さは何よりも信頼を得ることになるだろう。最終的には、商品やサービス自体のシンプルさ、そしてそれを正直に売る愚直さ、そういうことが結果としてユーザーに支持されることになるのだという好例のような気がする。私はSEOの専門家ではないが、トップページのソースを見ても、何か特別なことを行っているようにも思えないし、ユーザー視点に最も立っているという結果が、「生命保険」というビッグワードでの1位表示になっているということのように思える。

さて、先ほど図6として紹介した「生命保険商品のご案内」ページなのだが、グローバルナビに変化があることに気が付いただろうか? 目を凝らすと分かるのだが、タブが1つだけ下がっている。現在位置を示す工夫で、このタブのコンテンツ内にいますよ、ということを示している。しかし、冒頭にお話ししたように、この色の薄いグローバルナビでは、ユーザーはこの変化にはほとんど気が付くことはないだろう。せめて別の色を付けるなどして区別をして欲しかった。

◇◇◇

次回は、「ライフネット生命保険」の後半部分を引き続き取り上げる。「見積もり」「申し込み」「入力フォーム」といったあたりが解説のポイントになる。ここまで見てきたところでは、大変よく出来たサイトであると言えるが、果たして後半はどうなるだろうか。みなさんも可能であれば、「ライフネット生命保険」のサイトを自分の目で確かめて、自分なりの仮説を考えておいていただきたい。

さてこの連載では、

  • Webサイトのオーナーか管理者の方からの「かってに解析」してほしいリクエスト
  • 「かってに解析」されたサイト運営者・管理者の方からの異論や反論

などを随時募集している。希望者は、(web-tan@impressrd.jp)までお寄せいただきたい。

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