流入元別コンバージョン指標 2011年3月
ユニメディアのマーケティングツール導入企業の各種KPIを統計データ化し、マーケティング担当者が業界水準のCVRとして参考とするためのレポートをお届けする。
- 1. 概論
- 2. アクティブユーザーを示す基本指標
- 3. 流入元ごとの効果を示す指標
- 4. 全体コンバージョン率
- 5. SEM経由のコンバージョン比率
- 6. SEM経由の単一/複合ワード別コンバージョン率
- 7. CGMからのクチコミ流入を示す指標
- 8. SEOのロングテール対応状況を示す指標
- 9. エントリーフォームの流入元別コンバージョン率
- 10. 主要検索エンジン別コンバージョン率
- 11. 主要リスティング別コンバージョン率
- 12. 震災後のWeb利用頻度は早期回復
- 13. 主要検索エンジン別コンバージョン率(全体との比較および特定期間別)
- 14. 調査概要
データ粒度を吟味し、変化した部分としていない部分を見極める
3月11日の東北地方太平洋沖地震で亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げるとともに、被災された皆様およびそのご家族の方々へ、心よりお見舞い申し上げます。弊社従業員一同、被災地の1日も早い復旧復興を心より願っております。
3月度のマーケティングデータにおいて、今回の震災がどのように影響したか、気にされているご担当者も多いことと思われますが、影響されたという前提ありきでレポートを見ることは、先入観でデータを解釈し、結果として誤判断を招くことになりかねません。
そして事象の分析がなるべくぶれないようにするためには、思い込みの排除ともう1つ、参照情報の粒度を最適にすることが重要です。
たとえば日別詳細を見た場合、曜日毎のPV/セッション/CV上下は無視できない要素です。定点観測としては有効な切り取り方ではありますが、ある日のCVRが異常値を示した場合、それがユーザーアクティビティのバイオリズムとしてありうるのか、それとも非定常的なのかを判断するには粒度が細かすぎる可能性があります。
上記の注意点を踏まえた上で、3月度の統計データを見ていきます。
アクティブユーザーを示す基本指標
UUあたりPV | 3.16 |
---|---|
セッションあたりPV | 3.08 |
流入元ごとの効果を示す指標
流入比率 | 直帰率 | CV比率 | 流入別CVR | ||
---|---|---|---|---|---|
SEO | 24.28% | 57.61% | 22.19% | 1.49% | |
クチコミ | 1.31% | 73.54% | 2.21% | 2.74% | |
PR | 0.38% | 47.24% | 0.94% | 4.02% | |
リスティング | 17.87% | 60.45% | 18.68% | 1.70% | |
アフィリエイト | 4.85% | 76.55% | 0.67% | 0.22% | |
純広告 | 6.58% | 60.87% | 1.50% | 2.16% | |
その他 | 44.73% | 76.63% | 53.83% | 1.96% | |
全体 | - | 67.30% | - | 平均 | 1.63% |
全体コンバージョン率
ランディングページからのCVR | 1.63% |
---|---|
エントリーフォームからのCVR | 63.55% |
SEM経由のコンバージョン比率
リスティング | SEO | |
---|---|---|
単一ワードCV数比率 | 75.95% | 69.53% |
複合ワードCV数比率 | 24.05% | 30.47% |
SEM経由の単一/複合ワード別コンバージョン率
リスティング | SEO | |
---|---|---|
全ワードCVR | 1.87% | 0.88% |
単一ワード流入を母数としたCVR | 2.13% | 1.12% |
複合ワード流入を母数としたCVR | 1.48% | 0.63% |
CGMからのクチコミ流入を示す指標
CGM | |
---|---|
CGMからの流入比率 | 1.22% |
CGMからのCV比率 | 1.75% |
CGMからのCVR | 2.57% |
SEOのロングテール対応状況を示す指標
SEOにおけるランディングページ数 | 603.43 |
---|---|
SEOにおけるランディングページがトップの割合 | 22.33% |
エントリーフォームの流入元別コンバージョン率
SEO | 69.92% |
---|---|
クチコミ | 59.09% |
PR | 48.33% |
リスティング | 66.08% |
アフィリエイト | 23.08% |
純広告 | 46.88% |
その他 | 72.96% |
主要検索エンジン別コンバージョン率
セッション | CV | CVR | |
---|---|---|---|
Yahoo! | 44.45% | 51.15% | 0.84% |
45.96% | 36.14% | 0.83% | |
Bing | 3.90% | 4.52% | 0.77% |
その他検索エンジン | 5.69% | 8.19% | 1.28% |
合計値/平均値 | 100.00% | 100.00% | 0.88% |
主要リスティング別コンバージョン率
セッション | CV | CVR | |
---|---|---|---|
Yahoo!リスティング広告 | 39.98% | 40.62% | 1.95% |
Google AdWords | 60.02% | 59.38% | 1.67% |
二社合計値/平均値 | 100.00% | 100.00% | 2.02% |
震災後のWeb利用頻度は早期回復するも、消費マインドは停滞
震災が企業のマーケティングにどのような影響を与えたかを調査するため、今回は10日ごとに「月次セッション/CV全体」におけるそれぞれの割合、期間毎でのSEOでの検索エンジン比率、さらに各期間でのCVR(全体、SEO、各検索エンジン)を抽出し、その傾向を見比べたところ非常に興味深い傾向が見られました。
主要検索エンジン別コンバージョン率(全体との比較および特定期間別)
セッション | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
01-10日 | 11-20日 | 21-31日 | |||||||
自然流入/プロモーション総計(月次全体を100%としての割合) | 35.86% | 22.95% | 41.19% | ||||||
SEO総計(月次全体を100%としての割合) | 39.53% | 23.96% | 36.51% | ||||||
全セッションにおけるSEOセッション比率 | 25.95% | 24.58% | 20.86% | ||||||
SEO内比率 (各期間全体を100%としての割合) | Yahoo! | 44.89% | 44.49% | 46.21% | |||||
47.57% | 47.42% | 46.35% | |||||||
Bing | 3.04% | 3.06% | 2.87% | ||||||
その他検索エンジン | 4.50% | 5.03% | 4.57% |
CV | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
01-10日 | 11-20日 | 21-31日 | |||||||
自然流入/プロモーション総計(月次全体を100%としての割合) | 44.68% | 23.74% | 31.58% | ||||||
SEO総計(月次全体を100%としての割合) | 41.52% | 23.51% | 34.97% | ||||||
全セッションにおけるSEOセッション比率 | 20.76% | 22.13% | 24.74% | ||||||
SEO内比率 (各期間全体を100%としての割合) | Yahoo! | 46.24% | 48.73% | 49.36% | |||||
42.29% | 43.67% | 34.89% | |||||||
Bing | 3.23% | 2.53% | 3.83% | ||||||
その他検索エンジン | 8.24% | 5.06% | 11.91% |
CVR | |||
---|---|---|---|
01-10日 | 11-20日 | 21-31日 | |
自然流入/プロモーション全体 | 2.04% | 1.69% | 1.25% |
SEO全体 | 1.63% | 1.52% | 1.49% |
Yahoo! | 1.68% | 1.67% | 1.59% |
1.45% | 1.40% | 1.12% | |
Bing | 1.73% | 1.26% | 1.99% |
その他検索エンジン | 2.98% | 1.53% | 3.87% |
まずセッションにおいては震災当日を含んだ中旬の10日間(11~20日)でセッションが落ち込んだものの、下旬の10日間(21~31日)は上旬の10日間(1~10日)とほぼ同じ水準まで戻ってきています。一方でCVについては中旬ほどの落ち込みはないものの震災前のように改善されず、結果として21日からのCVRは3月を通して低い水準となってしまっています。
こうしたデータから、Web利用頻度は比較的早く復調したものの消費マインドはそれに追いついていない、ということが考えられます。とはいえユーザーがWebサイトへ誘導されているところまではわかっており、この先は直帰・離脱ユーザーの傾向を深掘りすること、たとえば離脱しやすい遷移を探る、あるいはユーザー認知を高めているワードを見出すことで、コンバージョンを取り戻すのは十分に可能ではないかと考えられます。
上記のように、統計データを参照するときに最初から粒度の細かいものが最適であるとは必ずしも限りません。むしろ傾向を俯瞰するために最初は大づかみなレポーティングを行い、状況を把握した時点でより詳細に観察していく、というように粒度の最適化にも注意を払う必要があるのです。
調査概要
ユニメディアのマーケティングツール「UMAP」導入企業をサンプリング、企業の各種KPIを統計データ化して業界水準のCVRを数値化した
- 調査期間:2011年3月1日~3月31日
- オリジナル:2011年3月度インタラクティブマーケティング統計データ
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