オリエンを成功させるための14項目
オリエンを成功させるための14項目
以下にオリエンテーションで提出する資料に書くべき内容の例を示します。こうした資料は、よく提案依頼書(RFP)といわれますが、はじめから形式にこだわりすぎる必要はありません。
- 企画の名前
- 対象商品の説明
- 企画背景
- 施策によって解決したいこと
- ターゲット
- 期間/タイミング
- 過去のキャンペーン実績
- 予算概算
- 求める提案の内容
- 成果物
- 担当者/提案手続き
- 提案時の提出物
- 瑕疵担保
- 提案期限
- 企画の名前4月1日発売! 新商品の販売促進キャンペーン
など、はじめに企画名を書きます。施策の内容は外注にこれから提案してもらうので、オリエンテーションでは簡単なもので構いません。ですが、頭に企画の名前があると、何のためにオリエンテーションをしているのか、参加者全員の意識が共通の方向へと向かいやすくなります。
- 対象商品の説明
機能や原材料や価格といった商品の詳細スペックや、実際に商品を使うことでどのようなメリットが得られるのかを説明します。メリットとしては、次のようなものが考えられるでしょう。
- 物理的特長:軽くて丈夫、小さい、大きい
- 心理的変容:安心感、充実感、満足、誇り
競合製品がある場合は、競合と比較した優位性を示すことで、外注は対策をよりイメージしやすくなります。「○○社の××よりも低価格で耐久性に優れる」など、具体的なほどいいでしょう。
自社の商品について一番詳しいのは発注側ですから、どんな魅力があるのかを外注にしっかり伝えます。
- 企画背景
キャンペーンであれば、その企画実施するに至った背景を説明します。キャンペーンは目標達成のための手段ですから、「競合の値下げ対抗策として」「新商品のサンプリングのため」など、具体的な内容を伝えます。
- 施策のによって解決したいこと
施策によって解決したい目標、すなわちゴールを具体的に示します。目標設定は連載の第2回と第3回で詳しく説明しましたが、目標設定がなければ成功したのか失敗したのか判断することもできません。ただし、対象の施策の目標だけでなく、施策の全体像も共有しておく必要があります。Webサイトを構築する場合は、集客施策も共有しておきます。
商品のキャンペーン企画であれば、「販促によって売上を2倍に伸ばしたい」「新商品サンプリングとして、20代女性の申し込みが100件ほしい」といったことがゴールになります。
- ターゲット
ターゲットは具体的であればあるほど良く、商品の利用者だけでなく、購買に至るまでの関与者もリストアップします。購買者、利用者、決定権者、影響者の誰に対しての施策なのかを明確にします。
- 期間/タイミング
繁忙期の販売強化、新商品のキャンペーンとして発売日から1週間など、理由もあわせて明記します。期日を最優先して施策のクオリティを妥協することもあれば、クオリティを優先してリリースのタイミングを調整するといったことも考えられますから、何を優先するのかを詰めていく必要があります。
- 過去のキャンペーン実績
過去の実績を共有することで、過去に失敗したキャンペーンに類似した提案の排除や成功事例のポイントの有効活用ができます。同じ外注に依頼するなら、過去の実績をもとにより高い成果を目指すことができるでしょう。
- 予算概算
予算感を示すことで、規模感の外れた提案を排除します。予算はタイミング(締め切り)と同様に、施策のクオリティにも影響します。
- 求める提案の内容
検討対象範囲を明確にします。Webサイトのデザインなのかシステムなのか、集客施策も含むのかといったことを明らかにしておきます。または、発注側で課題を洗い出し、その解決策を提案してもらうこともあります。
- 成果物
何をどういった形で納品してほしいのかを記載します。Webサイトの制作であれば、企画書、Webサイト一式、サイトマップ、仕様書など、成果(納品)物の内容を明確にします。
- 担当者/提案手続き
お互いの連絡窓口の確認と、どういった形で提案をしてほしいのかを記載します。連絡や情報共有の手段として何を使うのか、必要なサービスなどをどちらが用意するのかも明確にしておくと、情報の行き違いなどのトラブルを減らすことができます。
- 提案時の提出物
その提案で提出してほしい成果物が何か、提出してほしい項目を記載します。見積もり依頼であれば見積書、キャンペーンであれば企画書や概算スケジュールや概算見積書、システムであれば保守条件なども含みます。
- 瑕疵担保
瑕疵担保の期間を設定します。瑕疵担保とは、一定の品質を満たしていない場合の保証をどうするかということです。対応範囲は誤字・脱字や合意した要件を満たしていない場合であり、追加で修正などの要件を押し込む期間ではないので間違えないでください。トラブルを避けるためにも、合意した要件を明確にしておく必要があります。
- 提案期限
ミーティング後一週間など、オリエンテーションで説明した内容に対する提案の締め切りを書きます。施策の実施期間/タイミングとは異なります。
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