「接客4要素」で購入率を高める | 売れるネットショップの法則38
店舗ページを磨いて接客力を高める
「集客」はコストのかかる行為であり、「接客」と「追客」は利益を生む行為だ。だから、いかに集客の費用対効果が高くても、接客と追客が甘ければ利益は生まれない。腰を据えて取り組んでほしい。
この章からは、店舗ページ上での「接客」について紹介する。主には、店舗ページの改善により、購入率と客単価を高め、売上を伸ばす方法だ。手間と費用をかけて集めてきた来店客が少しでも多く利益につながるよう、店舗ページに磨きをかけよう。
本書では、接客に欠かせない要素として「店舗コンセプト」「店構え」「品揃え」「看板商品」を、「接客4要素」として重視している。
店舗ごとの特徴によって優先すべき要素は若干異なり、例えば商品数が多い店は分かりやすい「店構え」が優先で、商品数が少ない店は「看板商品」をまず磨く必要がある。ただし、どちらの場合も「店舗コンセプト」が最重要になる(下図参照)。これについては次の法則39で詳しく説明する。
1. 競合店に埋もれない「店舗コンセプト」を打ち立てる
4要素の1つ目は「店舗コンセプト」だ。無数のネットショップの中で存在感を発揮するには、競合店に見劣りしないアピールポイント(店舗コンセプト)を決め、分かりやすく伝える必要がある。例えば「どんな工具でも必ず見つかる品揃え」「グルメコンテストで優勝した博多ラーメン店」「問屋直販だから出来る激安価格」など、店舗を一言で説明できるほど明確にしたい。
自店舗の客層を踏まえて店舗コンセプトを決め、それを店舗ページ、品揃え、メルマガなど、店舗内のあらゆる要素を通して表現しよう。そうすればユーザーの記憶に残る店になり、埋もれずに済む。詳しくは法則40以降で説明する。
2. 指名買いと衝動買いを増やす「店構え」を作る
4要素の2つ目は「店構え」だ。
これは、ネットショップのページ構成のことで、商品のカテゴリ分けやナビゲーション、ついで買いの提案など「使い勝手」を左右する要素だ。例えば、目的買いユーザーのために、商品を探しやすいナビゲーションを用意する。同時に、なんとなくページを見ているユーザーの衝動買いを促進する。来店客の気持ちを想像しながら店構えを改善すれば、高い確率で売上が上がるはずだ。詳しくは法則44以降で紹介する。
3. さまざまなニーズに対応する「品揃え」を目指す
4要素の3つ目は「品揃え」。セット商品、お試し商品、ついで買い商品などを用意することで、仕入れを増やさずに品揃えのバリエーションを広げられる。これを適切な店構えと連動すれば、客単価や利益率アップを実現できるだろう。また、取扱商品数を拡大するときも、店舗コンセプトと関連付けて、戦略的に考えなければならない。詳しくは法則55以降で紹介する。
4. 無名商品の魅力を引き出して「看板商品」にする
4要素の最後は「看板商品」だ。対面接客も試食もできないネットショップでは、「誰も知らない逸品」を売るのは大変難しい。しかし、商品の魅力を「じっくり語る」ことにより、定価販売の無名商品が、安売りの有名商品を凌駕することがある。これを実現するために、商品について詳しく語る「縦長商品ページ」を作ろう。詳しくは法則61以降で案内する。
この、無名商品を売れ筋商品へと育てるプロデュース力は、特にオリジナル商品を扱う店舗には必須だ。しかし、それ以外のタイプの店にも、利益率の向上、他店との差別化など、さまざまな効果をもたらしてくれる。今後のネットショップ運営において、特に重要なスキルだと言えるだろう。
- 売れるネットショップ開業・運営 eコマース担当者・店長が身につけておくべき新・100の法則。
- 坂本悟史 (@CommerceDesign)
川村トモエ (@cd_kawamura) 著 - ISBN: 978-4-8443-2837-7
- 発行: インプレスジャパン
- 電子書籍版はBookGateアプリでダウンロード購入可能。iPad/iPhoneにBookGateアプリをインストールしたら、アプリを起動して、「ストア」の「本一覧」→「出版社」→「インプレスジャパン」から。
- 筆者の所属するコマースデザイン株式会社のページ
※この記事は、書籍『売れるネットショップ開業・運営 eコマース担当者・店長が身につけておくべき新・100の法則。』の内容を、Web担向けに特別にオンラインで公開しているものです(序章もご覧ください)。
ネットショップでモノが売れない、なぜ?
資金力ではありません。やり方が違うんです。
「商品タイプ別」のネットショップ開業・運営ノウハウとは?
例えば、剣道用品のような「ニッチ商品」と、無名の自社ブランド商品、価格競争の激しい有名メーカー品では、有効な「売り方」はまったく違います。
本書では、取扱商品を4タイプに分類し、各タイプの強みを生かした集客・ページ接客・リピート促進手法を紹介します。
【自分の店の強み】を知れば、混乱していた頭もすっきりし、優先順位が明確になり、それまで空回りだった歯車も噛み合います。
事実、多くのネットショップ店長からそんなコメントを頂いています。
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