SEOのためのキーワード分析&データを基に行動を起こす方法(前編)
今週と来週の2回にわたって、「キーワードメトリクス」と「データを基に行動を起こす方法」について説明する。オリジナルは動画だが、文章に起こして解説しているので安心してほしい。
やあ、SEOmozファンのみんな! 今回は、SEOのための「キーワードメトリクス」と、集めたデータを基に行動を起こす方法について話していこう。
データを基に「行動する」ということが大切
さて、今回扱うデータは、SEOmozのプラットフォームから入手できるものもあるが、大部分は、まだSEOmozで提供していないものや、自分の手で計算することになるものだ。とはいえ、そういったデータはすべて、GoogleアナリティクスやSiteCatalyst、Webtrendsなど、君が使っているウェブ分析ツールから、あるいはExcelなどを使って自分の手で分析を行うことで得られる。
今回は、こうした情報、つまり「サイトにトラフィックを呼び込んでいるキーワード」に関するデータポイントをすべて手に入れ、それを活用して賢い行動がとれるよう、解説していく。
データを集めて手元にまとめ、分析をするのは結構。しかし、そのデータを使って行動しないと意味がない。そうだよね? だって、そこから実際に行動を起こさないのなら、わざわざ検索エンジンの市場シェアの数字や割合を調べる理由がない。
さて、この辺で本題に入っていこう。
検索エンジンの市場シェアデータ
最初に話をしたいのは、検索エンジンと市場シェアについてだ。わかりやすくいうと、こういうことだ。
うちのトラフィックは84%がグーグルから、8%がBingから、6%がヤフーからだ。
これはいいことだし、長期にわたり測定した方がいいものだ。時間をかけてシェアの増減がわかったら、何らかの行動につながることもあるだろう。
しかし、ここで本当にやるべきなのは、その数字を市場の平均と比較することだ。それにはStatCounter(スタットカウンター)がいいと思う。StatCounterは、大半のウェブサイトと参照トラフィックの平均市場シェアについて、すばらしいメトリクスを提供してくれる。
大事なことを言っておこう――くれぐれも、comScoreのデータを使ってはいけない。comScoreのデータを見ると、グーグルの市場シェアが65%、Bingが14%、ヤフーが20%となっている。ダメ、全くダメだ。どこのウェブサイトでも、80%から90%の検索トラフィックをグーグルから得ている。もしグーグルの市場シェアが65%だというのなら、どうしてそんなことがあり得るのだろう? それはつまり、思い出してほしいのだが、comScoreがマイクロソフトとヤフーのネットワークで行われるすべての検索を数えているからだ。ヤフーには巨大なコンテンツネットワークがある。マイクロソフトは大量のウェブページを持っている。これらサイトの中で行われた検索がすべて、検索シェアに反映されている。これに対しグーグルは、基本的に実際のウェブ資産、メディア資産、コンテンツ資産がほとんどなく、検索は全部、別のところに向かう。グーグルは検索のほとんどがサイトにとどまらないのに対し、Bingとヤフーは検索のかなりの割合が、結局はマイクロソフトやヤフーの資産に戻っていく。
こうした数字がわかったら、取るべき行動は、自分のところの市場シェアの数字が大きく外れていないかを見ることだ。自分が属する市場セクターから大きく外れていると思うなら、競合相手と比較してみるのもいいだろう。それを判断するためには、Hitwiseのようなものが使える。君はきっと、「うちはBingでは低調なんだ。Bingからトラフィックを得られるよう、新たな取り組みを展開するつもりだ」などと言いたくなるはずだ。
コンバージョン率ももちろんチェック
検索エンジンのシェア、平均市場シェアと比較した自分のところの市場シェアときたら、さらにぜひとも調べておくべきなのは……コンバージョン率のデータも手に入れておこう。
どんな数字でもいいのだけど、ここでは仮に3%、6%、そして9%、10%としておこう。
コンバージョンが計測の困難なメトリクスの1つであることはわかっているつもりだ。大勢いるBtoB市場の人たちや、まずトラフィックをサイトに呼び込んでからオフラインのコンバージョンを獲得する(たとえば電話を使ったコンバージョンとかね)、そういう人たちにとっては、特に難しい。そういう分野については、コンバージョン率が実際にどれぐらいかを判断することが非常に困難だ。
切羽詰まった状態で、コンバージョン率を推定したり有用性を判断したりできるようなメトリクスが欲しいという場合、僕は閲覧率(訪問あたりの閲覧PV数)を好んで使っている。
閲覧率というのは……ちょっと寄り道して説明しておこう。閲覧率は基本的に、たとえば1.7といったような単純な指標だ。閲覧率1.7というのは、誰かがウェブページを訪問したとき、平均して1回の訪問につき1.7ページを閲覧するということを表している。だから、100件の訪問があると、あの検索エンジンやそのソースからこのページにたどり着いた100件の訪問から得られるページビューは、おそらくは170になるはずだ。
僕が言っていることを理解できてるかな? 要するに、閲覧率がすばらしいのは、考えられるあらゆるソースについて存在するということだ。それも最初から存在しており、コンバージョンアクションを追加する必要がない。つまり、その訪問者からもっと価値を引き出せる、ということが言える。
閲覧率は、何らかの理由でコンバージョン率がわからないときに優れた代用品になる。コンバージョン率がわかるなら、ぜひそっちを使おう。ウェブ分析に行動追跡を加えるべきだ。でも、何らかの理由でそれができない場合は、閲覧率がいい代用となる。調べているのがコンバージョンの少ないトラフィックソースで、それでも数字を比較したいという場合は、代わりとなるすばらしい方法だ。
キーワード分布
次にキーワード分布を見てみよう。キーワード分布はよく使われるメトリクスで、多くの人がキーワード分布をいくつかの部分に分けて考えたがるが、その分け方には何種類もある。こんな風にね。
需要曲線のヘッド部分からどれくらいのトラフィックが来てるんだろう?
そこに含まれるキーワードの数は?
それから、ミドル、テール、さらにロングテール部分についてはどうだろう?
実のところ、僕は4つに分けて考えるのを好む。次のようなものだ。
ヘッド ―― 1か月あたりの検索ボリュームが500件以上の部分
ミドル ―― 1か月あたりの検索ボリュームが50件~499件の部分
テール ―― 1か月あたりの検索ボリュームが50件未満の部分
ロングテール ―― 検索ボリュームのレポートがない部分、つまりキーワードツールが、「やれやれ、いいかい? ここには何もないよ」と言っている部分。
この記事は、前後編の2回に分けてお届けする。後編も、引き続きキーワードメトリクスについて説明していく。キーワード分布に関しては、後編でさらに詳しく解説していくので安心してほしい。
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