衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座

Googleアナリティクスの導入から、運用、活用まで、正式なサポートがない初めての人でもゼロから学んでいけるように、丁寧に解説していく。

Googleアナリティクスとは/衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座

「平均目標値」を理解する[第22回]

前回の「ページの価値」と同じく素晴らしい指標である「平均目標値」を解説しよう。

今回は、前回の「ページの価値」と同じく素晴らしい指標である「平均目標値」を解説しよう。

「平均目標値」とは?

ひとことで言えば、「平均目標値」とは、1訪問の価値を表す指標である。一見すると、前回説明した「ページの価値」と似ているように思うかもしれないが、次にように違う。

  • ページの価値 ―― あるページに訪問があった場合に、そのページにどれぐらいの価値があるのかを表す指標
  • 平均目標値 ―― 1訪問あたり、どれぐらいの価値があるのかを表す指標

「平均目標値」をカウントするために必要な準備

「平均目標値」の指標も、「ページの価値」と同じく、算出するためには、あらかじめプロファイルの目標設定において、目標値(図1赤枠部分)を設定している必要がある。目標値を設定していれば集計されるが、それ以外の場合は0(ゼロ)表示になる。

図1:プロファイルの「目標の詳細」設定画面
図1:プロファイルの「目標の詳細」設定画面

この画面で「目標値」をどのように指定するのがいいかの詳細は本連載第5回の「プロファイルの目標を設定する」の「『目標の詳細』の設定のしかた」の項目を参照してほしい。この欄には金額を入力することになるのだが、どういった金額を入れればいいかの考え方を示している。

「平均目標値」の計算方法

「平均目標値」の計算方法だが、平均という名前が示しているように、すべての目標値を合計して、訪問数で割ることで求められる。つまり、1訪問あたりの目標値の平均値を示す指標ということになる。「平均目標値」を計算式で表現すると下記のようになる。

平均目標値=目標値の合計÷訪問数

サイト全体の「平均目標値」を出したければ、サイト全体の合計目標値をサイト全体の訪問数で割ることで求められるし、トラフィック(参照元や検索語など)別の「平均目標値」を出したいのなら、各トラフィックによって達成した合計目標値を該当のトラフィックでの訪問数で割ればよい。

「平均目標値」を確認できるGoogleアナリティクスのレポート

「平均目標値」の指標は、トラフィック系のおもなレポートに共通して存在する「目標セット」タブ(図2赤枠部分)をクリックすると見ることができる。参考までに、[参照元]の[すべてのトラフィック]レポートの場合で見てみよう。

操作手順
  1. ページ上部のオレンジ色のメインメニューで[標準レポート]をクリックする。
  2. 画面の左側にあるメニューで、[トラフィック]をクリックする。
  3. メニューが開くので、[参照元]をクリックし、開いたメニューから[すべてのトラフィック]をクリックする。
  4. [目標セット1]をクリックする。

以上のような手順で[目標セット1]タブを開くと、左から3つ目(図2青枠部分)に、「平均目標値」が表示されている。

図2:[トラフィック]>[参照元]>[すべてのトラフィック]レポート上部
図2:[トラフィック]>[参照元]>[すべてのトラフィック]レポート上部

図2では、平均目標値が251円となっている。平均目標値は、合計目標値÷訪問数で計算できると説明した。念のため、確認しておこう。

「合計目標値」の値は、[コンバージョン]>[目標]>[サマリー]レポートで確認できる(図3)。

図3:[コンバージョン]>[目標]>[サマリー]レポート
図3:[コンバージョン]>[目標]>[サマリー]レポート

これを見ると、サイト全体の「合計目標値」は1,612,000円(図3赤枠部分)となっている。サイト全体の「訪問数」が6,424(図2緑枠部分)なので、「平均目標値」は1,612,000÷6,424=250.93、これが四捨五入されて¥251(図2青枠部分)となり、たしかに図2の「平均目標値」と一致していることがわかるだろう。

[トラフィック]>[参照元]>[すべてのトラフィック]レポート画面(図2)の下部は図4のようになっている。

図4:[トラフィック]>[参照元]>[すべてのトラフィック]レポート下部
図4:[トラフィック]>[参照元]>[すべてのトラフィック]レポート下部

こちらはトラフィック(参照元/メディア)別の詳細だが、指標の左から3番目のところに「平均目標値」があり、各トラフィックの「平均目標値」が表示されている。

「平均目標値」の活用方法

「平均目標値」は、絶対値ではなく、自社サイト内でのトレンドを見るようにしよう。コンバージョン率や直帰率などと同様に、業界平均値や競合サイトの値を意識しても、あまり意味がない

サイト全体の「平均目標値」は、1訪問あたりの価値を金額換算したものだ。またトラフィック(参照元ドメイン、キーワードなど)別の「平均目標値」は、各トラフィックの1訪問あたりの価値を金額換算した指標だと言える。

サイト全体の1訪問の価値が時系列でどのように変化しているのか、またキャンペーン間での相対的な評価をするために、「平均目標値」を利用するとよいだろう。

「平均目標値」を使う際の注意点

注意点は、前回の「ページの価値」とほぼ同じである。

目標設定の「目標値」は値を1つだけ固定して指定するものだ。「目標値」は、この目標の達成を金額換算した価値を入力しよう。たとえば、資料請求サイトの場合、資料請求した人が最終的に商談で成約する割合が10%で、平均商談成約額が10万円だという経験値があれば、資料請求1件あたりの期待値は10万円×10%=1万円と計算できるので、「目標値」は1万円と入力しておくとよいだろう。

もちろん価値換算が難しいこともあると思うが、その場合でも1,000円など、何らかの数値を「目標値」に入れておくとよいだろう。なぜならこの値を設定しておくことで、少なくとも何らかの計算結果が表示されるからだ。このように「目標値」は架空のものであったり、およその数値であったりするので、あくまでも大雑把に相対比較する場合や全体評価をする目的で利用しよう。

ちなみに、仮の数値を「目標値」として設定する場合は、最低でも1,000ぐらいの数字を入れておくことをオススメする。なぜなら、この「ページの価値」は整数値が表示されるからで、10とか1のように小さな数字を入力してしまうと、表示の際に四捨五入されて、すべて0表示になってしまう懸念があるからだ。目標値を入力しているのに、「ページの価値」が0と表示されている場合は、「目標値」が小さすぎないかを確かめてみよう。

また、eコマースサイトで実際の購入金額をeコマースのトラッキングコードで取得している場合は、この「目標値」は架空の数字を入れておかずゼロにしておくのがよいだろう。なぜなら「eコマース」タブ(図2黄枠部分)の「平均訪問単価」(図5赤枠部分)の方が正確だからだ。

図5:[トラフィック]>[参照元]>[すべてのトラフィック]レポートの[eコマース]タブ
図5:[トラフィック]>[参照元]>[すべてのトラフィック]レポートの[eコマース]タブ

この「平均訪問単価」は、「目標の詳細」で「目標URL」を指定した上で「目標値」を固定値で設定している場合に算出される「平均目標値」とは当然異なる数字が表示されるので注意しよう。このあたりはeコマース系のレポートを解説する別の機会に説明することにしたい。

筆者の『ユニバーサルアナリティクス版Googleアナリティクス完全マニュアル(PDF)』が発行されました。

筆者が講義を行うGoogle アナリティクス徹底講座も、定期的に開催しています。 → Google アナリティクス ゼミナール

この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

NDA
Non-Disclosure Agreementの略。一般には「秘密保持契約」と ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]