Googleアナリティクスの導入から、運用、活用まで、正式なサポートがない初めての人でもゼロから学んでいけるように、丁寧に解説していく。
Googleアナリティクスとは/衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座CV数・CVRとは? Googleアナリティクスで確認・計測する方法[第20回]
今回は、アクセス解析でもっとも重要な指標の1つであるコンバージョンに関する2つの指標「コンバージョン数」と「コンバージョン率」を学ぼう。まずは、コンバージョンとは何かから説明を始める。
「コンバージョン」「コンバージョン数」とは?
「コンバージョン」とは、Webサイトを訪問した人が、商品を購入したり資料請求したりするなどして、あらかじめサイトのオーナーが設定した“Webサイトの目標”を満たす行動をとったことを指す。
何をコンバージョンとするかは、サイトの目的によってさまざまだ。ECサイトなら商品購入、顧客獲得サイトなら会員登録や資料請求が一般的だが、その他にも、サイトによっては、
- サポートページでプログラムの更新ファイルをダウンロードすること
- アンケートに回答すること
- メールマガジンに登録すること
などをコンバージョンとする場合もある。
コンバージョンは、コンバージョンした訪問に結び付けてカウントされ、集計期間中にコンバージョンがあった訪問の回数のことを「コンバージョン数」という。
「コンバージョン数」をカウントするために必要な準備
「コンバージョン数」をカウントするためには、Googleアナリティクスの管理画面で特別な設定をしておかなければならない。具体的には、プロファイルの目標設定画面(図1)で、目標を設定する。ここで設定する「目標」が、コンバージョンの対象となる行動のことだ。
目標は、以下の4つのタイプから選んで設定できる(図1赤枠部分)。画面での表記とは異なるが、噛み砕いて説明するとそれぞれの意味は以下のようになる。
- URLへのアクセス ―― 特定のURL(群)にアクセスしたらコンバージョン
- 訪問の滞在時間 ―― ある訪問内でサイトに一定時間以上滞在したらコンバージョン
- 訪問別ページビュー ―― ある訪問内で一定数以上のページを閲覧したらコンバージョン
- イベント ―― 特定のイベントが発生したらコンバージョン(Googleアナリティクスのトラッキングコードでイベントトラッキング用のカスタマイズが必要)
たとえば、「URLへのアクセス」で、「このページにたどり着いたらコンバージョンとみなす」というページのURLを目標URLとして設定したとしよう。この場合、サイト滞在中にそのURLへアクセスした訪問は「コンバージョンした」と見なされ、コンバージョン数にカウントされる。その他のタイプも同様で、設定した目標を達成した訪問がコンバージョン数にカウントされる。
「コンバージョン数」を確認できるGoogleアナリティクスのレポート
Googleアナリティクスでは、コンバージョン数は、コンバージョン系のレポートで表示される。たとえば[コンバージョン]>[目標]>[サマリー]レポート(図2)などで確認できる。
- ページ上部のオレンジ色のメインメニューで[標準レポート]をクリックする。
- 画面の左側にあるメニューで、[コンバージョン]をクリックする。
- メニューが開くので、[目標]をクリックし、開いたメニューから[サマリー]をクリックする。
これで、「サマリー」というページが表示される。下の図は、「サマリー」ページの中ほどにある目標に関する指標の一覧だ(図2)。
この「サマリー」ページでは、設定した目標ごとの目標完了(コンバージョン)数(図2赤枠部分)と、各目標の単純合計である全体の目標完了(コンバージョン)数(図2青枠部分)を確認できる。
この例では、設定した目標は、
- 2ページ以上閲覧
- 問合せ
- 編集長
の3つだ。目標の名前は自由につけられる。「編集長」という目標は、意味不明に思えるかもしれないが、運営者が把握していれば問題ない。
ここでは、「2ページ以上閲覧」の目標完了数が1,572、「問合せ」の目標完了数が4、「編集長」の目標完了数が0となっている(図2赤枠部分)。
これらの目標完了数の合計が、図2青枠部分だ。1,572+4+0=1,576となり、先ほどの各目標の完了数の合計と一致しているのがわかる。
コンバージョン数のカウントに関して知っておくべきポイント
同一訪問内に何度同じ目標に到達しても、コンバージョンは1回しかカウントされないことは理解しておいてほしい。
たとえば、ECサイトで購入完了ページを目標ページに設定してある場合、同一訪問内で何度も購入を繰り返したとしても、1回しかコンバージョンはカウントされない。なぜなら、「コンバージョン数」は「その目標に対するコンバージョンが発生した訪問の数」だからだ。
もし、このようなケースでそれぞれの購入完了をすべて、1回ずつのコンバージョンとしてカウントしたい場合は、eコマースのトラッキングコードを実装して、「トランザクション」を記録するという方法がよいだろう(「トランザクション」については、別の機会に解説する)。
一方、同一訪問内で目標1と目標2など、異なる目標が達成された場合は、目標1と目標2のそれぞれに1がカウントされる。合計のコンバージョン数は単純合計されるので、合計のコンバージョン数の方は、1訪問に対して2つ以上カウントされる可能性はある。
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