Webコンテンツ作成で意識するべき、世代による好みや行動の違い――1200人調査データより
あらゆる年代のかつてないほど多くの人々がネットを利用している今、さまざまな世代から共感を得られるコンテンツの作成が求められている。優秀なマーケターなら認識しているとおり、消費者行動には世代ごとに異なる期待感・価値観・体験が影響しており、効果的なつながりを築いて行動を喚起するためには、それぞれに共通する関心事を反映させたコンテンツを発信しなければならない。
現在は世代交代の渦中にあり、2015年にはミレニアル世代がベビーブーマー世代を抜いて最も人口の多い世代になる。マーケターが競争力を確保するには、各世代がどのようにコンテンツを利用し、他の人と共有しているかという点で、主な相違点と類似点を認識する必要がある。
BuzzStreamとFractlは、各世代の習慣をより深く理解するため、1200人以上を調査して回答を3つのグループに分類した。
- ミレニアル世代 ―― 1977~1995年生まれ
- ジェネレーションX ―― 1965~1976年生まれ
- ベビーブーマー ―― 1946~1964年生まれ
調査では、15種類を超えるコンテンツに対する好みを尋ねるとともに、長文と短文のコンテンツや、さまざまなジャンル(政治、テクノロジー、エンターテインメントなど)についても意見を聞いた。
回答を比較してみると、3世代すべてに共通する傾向もあるが、一方で固有の特色も見られた。
以下では、調査結果を大きく3つに分類している。これらのデータを今後のキャンペーンに役立ててほしい。
1. コンテンツを最も多く利用しているのはベビーブーマー
コンテンツ利用時間
ただし、ベビーブーマーは、ジェネレーションXとミレニアル世代よりも早い時間帯にコンテンツを利用する傾向がある。
ジェネレーションXとミレニアル世代はよく似通っていたが、最年長のベビーブーマーは、コンテンツの利用時間が最も長い点で際立っていた。ベビーブーマーの25%超が週に20時間以上利用している。その他の調査結果は次の通りだ。
ベビーブーマーは、週15~20時間の枠でも17%に達し、12%のジェネレーションXと11%のミレニアル世代を大きく上回った。
ジェネレーションXとミレニアル世代の多く(いずれも22%強)は、週5~10時間の利用だった。
ジェネレーションXでコンテンツの利用が週5時間未満と答えた人は10%以下で、3世代の中で最も低かった。
時間帯
さらに、各世代がコンテンツを利用する時間帯も比較した。その結果、回答者の多く(30%超)は、20時~深夜0時の間に利用していた。ただし、ここでも同様に、ベビーブーマーとそれより若い世代の間に違いがあることが示された。
ベビーブーマーがコンテンツを利用するのは午前中が多く、回答者の40%近くが朝5時~正午に利用していた。
コンテンツを利用する人が最も少なかった時間帯は深夜から未明にかけて(0時~5時)で、各世代とも10%に満たなかった。
10%を下回る時間帯が3つ(5時~9時、18時~20時、0時~5時)見られるのは、ジェネレーションXだけだ。
デバイス
各世代がコンテンツの利用に使うデバイスについて見ると、ノートパソコンが最も多く、次にデスクトップが多い。
顕著な違いがあるのはスマートフォンの利用だ。コンテンツの利用に最もよく使うデバイスとしてスマートフォンを挙げた回答者の50%超は、ミレニアル世代だった。その他の調査結果は次の通りだ。
ベビーブーマーは、ノートパソコンを最もよく使う(43%)世代であるだけでなく、タブレットを利用する割合も3世代の中で最も高い(タブレットを最もよく使うユーザーのうち、40%はベビーブーマーだ)。
ミレニアル世代のうち、コンテンツの利用に最もよく使うのがスマートフォンだと答えた人は、25%を超えた。
ジェネレーションXはタブレットの利用度が最も低く、最もよく使うデバイスとして挙げた回答者は8%に満たなかった。
2. 好まれるコンテンツの種類や長さは、3世代すべてに共通する
コンテンツのタイプ
全世代で意見が一致したことが1つあった。それは、ネットで楽しめるコンテンツの種類だ。上位4種類のコンテンツ(ブログ記事、画像、コメント、電子書籍)は、ベビーブーマー、ジェネレーションX、ミレニアル世代でまったく同じだった。その他の比較結果は次の通りだ。
最も好まれないコンテンツの種類(パラパラ漫画、SlideShare、ウェブセミナー、ホワイトペーパー)も、全世代で同じだった(ただし順位は若干異なる)。
意外にも、ジェネレーションXとミレニアル世代では、好まれないコンテンツの5位以内にクイズが入っている。
コンテンツの長さ
理想的なコンテンツの長さについても、3世代すべてが300ワード程度で一致している。その他の調査結果は次の通りだ。
200ワード未満の記事を好む人が最も多いのはベビーブーマーで、18%だった。
ジェネレーションXは、他の世代よりも500ワードを超える記事を好む傾向が強い。長文の記事を好むと答えた人はジェネレーションXで20%超に達したが、ベビーブーマーとミレニアル世代は15%弱にすぎなかった。
短文の記事をいちばん好まないのもジェネレーションXで、200ワード未満の記事を好む人は10%に満たなかった。
コンテンツのジャンル
ただし、利用するコンテンツのジャンルについては、世代ごとに好みが異なる。
ベビーブーマーは他の世代よりも、世界のニュース(18%)や政治(12%)に関するコンテンツを好む傾向がはっきりしている。
テクノロジーに関するコンテンツを好む割合はミレニアル世代が18%で特に高いのに対して、このカテゴリを好むベビーブーマーは10%弱だった。
ジェネレーションXは、ほとんどの分野でミレニアムとベビーブーマーの中間だ。ただし、パーソナルファイナンス、育児、健康な暮らしという分野では、他の世代をわずかに上回っている。
エンターテインメントは各世代で上位にあがるジャンルだが、好む人の割合は、ミレニアル世代とベビーブーマーがジェネレーションXよりもわずかに高い。
3. Facebookは、3世代すべてに好まれるコンテンツ共有プラットフォーム
コンテンツを共有するソーシャルメディア
コンテンツ共有におけるFacebookの優位は変わらず、調査対象の各世代で回答者の約60%が利用している。意外なことに、2位はYouTubeで、Twitter、Google+、LinkedInと続く。その他の調査結果は次の通りだ。
コンテンツの共有にFacebookを利用している割合が最も高いのはベビーブーマーで、わずかな差でミレニアル世代がそれに続いた。
ジェネレーションXがFacebookを利用している割合は他の世代よりも若干少ないが、YouTube(15%)とTwitter(10%)の利用率は両世代を上回っている。
Google+の人気はベビーブーマーで最も高く(8%)、ジェネレーションXとミレニアル世代の2倍近い。
ソーシャルメディアで共有するコンテンツ
各世代の大多数はFacebookでコンテンツを共有しているが、共有しているコンテンツの種類(特にビジュアルコンテンツ)は世代によって異なる。
ベビーブーマーは、画像や動画など従来型のコンテンツを好む。ミレニアル世代は、ミームやGIFなど、より新しい種類のコンテンツを好み、ジェネレーションXは、予想がつくと思うが、SlideShareを除く全カテゴリで、他の2世代の中間になった。その他の調査結果は次の通りだ。
ベビーブーマーに最も人気のあるコンテンツの種類は動画で、27%だった。
パララックスサイトは全世代で最も人気が低く、どの年代でも1%以下だった。
ミームを共有している割合が最も高いのはミレニアル世代だが、ミームを共有しているベビーブーマーの割合は10%未満だった。
共感を呼ぶ価値観やアイデアが世代によって異なることを考えると、複数の世代へのマーケティングには困難が伴いがちだ。オンラインコンテンツの利用者は日々増加しており、マーケターは、自分のオーディエンスが利用しているコンテンツの具体的な種類を理解して、コンテンツマーケティング戦略を調整する必要がある。
万能のキャンペーンというものはないが、複数の世代が共有したいと思えるコンテンツを作成してこそ優秀なマーケターと言えよう。始めるにあたって、さらに詳しい情報が必要な人は、追加情報スライドを確認してほしい。この記事で取り上げた各世代が好む動画の長さや、週末のコンテンツ利用習慣についても紹介している。
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