グーグル「上位表示したいコンテンツをタブで隠すのはNG、評価が下がるから」 などSEO記事まとめ10+4本
HTMLには書かれているがタブで隠れているコンテンツの評価を下げる――グーグルのジョン・ミューラー氏が明言し、「検索で上位表示したいなら、タブで隠さずに別ページにするべきだ」とアドバイスした情報が、今週のピックアップ。
ほかにも、オウンドメディア・コンテンツマーケティングの国内事例からの情報を2件、URLは日本語かアルファベットか、被リンクなしで1位表示できるのか、404エラーページの内容は順位に関係するかといった情報や、次期ペンギン更新、さらにはGoogleが検索結果の品質を評価するガイドラインの完全版などなど、SEO関連の情報をまとめてお届けする。
グーグル「上位表示したいコンテンツをタブで隠すのはNG、評価が下がるから」
重要度を下げられているから (johnmu on reddit)
グーグルの「HTMLには書かれているがタブで隠れているコンテンツ」の評価に関するこんな質問が、reddit(レディット)に投稿された。
表示するコンテンツを複数のタブで切り替えているページがある。
タブの中にあるテキストで検索すると、そのページがきちんと検索結果には出てくるのだが、そのテキストがスニペットに含まれていない。普通なら含まれているはずだ。
Fetch as Googleで検証すると、タブの中のコンテンツがHTTPレスポンスには確かにある。ページも正しくレンダリングされている(もちろんタブに隠れているコンテンツは見えないが)。
HTTPレスポンスの中にあるのだから、コンテンツは正常にインデックスされているんだろうと思う。でも検索結果のスニペットに出てこないのは不思議だ。インデックスされているのだろうか? されていないのだろうか?
グーグルのジョン・ミューラー氏がコメントを返している。
HTMLにあるのなら、グーグルはそのコンテンツをインデックスするだろう。しかしグーグルは、レンダリング時にタブで隠れているコンテンツは、ちゃんと表示されているコンテンツほどには重要視しない。
もしユーザーが明確にそのコンテンツを検索したなら、検索結果には出てくるだろう。でも、タブで隠れているコンテンツがそのページにとって非常に重要で、本当に上位表示してほしいなら、タブで隠すのではなく異なるURLのページに掲載することを検討したほうがいい。
タブや展開ボタンのデザインで初期状態では表示されていないコンテンツの評価をグーグルは下げることがある。極端なときには無視することすらあり得る。
これは今に始まったことではなく、しばらく前からの処理だ。該当しそうなデザインを利用しているなら、必ず知っておくべきだ。
さらに気を付けたいのは、タブのクリックによってコンテンツが(たとえばJavaScriptで)動的に生成される構成だ。これはインデックスすらされないことがある。Googlebotはクリックというアクションを実行しないためだ。
日本語で読めるSEO/SEM情報
オウンドメディア成功の秘訣をベルリッツが語った
徹底したユーザー目線 (はてなビジネスブログ)
オウンドメディアに関する記事として、前回はエクスペティアのオウンドメディア運用事例を紹介した。今回は、語学レッスンを提供するベルリッツ・ジャパンのオウンドメディア運用事例を紹介する。
ベルリッツ・ジャパンのコンテンツ担当者のインタビュー記事だ。
コンテンツマーケティングにおいて参考になる話をたくさん聞ける。なかでも、筆者が特にすばらしいと感じたのは次の部分だ。
Q. クラウドソーシングサービスに安価で発注した記事をとにかく公開していくという一部のメディアもある中で、まったく真逆のことをされていますよね。
A. そういったメディアは、Googleしか見ていないですよね。だからやみくもに記事数や文字数を増やす。私たちはGoogleの先にいるユーザーを見て記事を作っています。よく「何文字ぐらい書けばいいんですか?」と聞かれるんですが、実はその質問も的外れなんです。ユーザーが検索したキーワードに対する完全な答えを提示しようとすれば、SEOを意識しなくても、必然的に2,000文字や3,000文字になる。視点がまったく違います。
「英語 秋」と検索するユーザーがどんな答えを求めているんだろうと考えると、単純に「秋って英語で何ていうの?」というのがほとんどだと思うんです。ですが、もしかしたら「同じ職場にいる外国人と秋について会話してみたい」とか「英語圏の秋のイベントはどういうものがあるのかな」とか、違った目的で検索しているかもしれない。なので「秋は英語でFallとAutumnどっちなの?秋の例文12選も紹介」という記事では、思い当たるすべての答えを書きました。とはいっても、一番ニーズがある「英語で秋って何ていうんだろう」という疑問は無視できないので、もう検索結果だけで解決できるようにしようと、タイトルに「Autumn」を入れました。記事をクリックしなくても、検索結果だけで答えが分かるようになっています。
検索エンジンが適切に理解できるようなサイト作りは、SEOには欠かせない。しかし、第一に考えなければならないのは、どうやって有益な価値をユーザーに提供できるかだ。しかも、あなたのサイトにしか存在しないユニークなコンテンツを。
徹底したユーザー目線でコンテンツを作っているベルリッツ・ジャパンの事例は、非常に参考になるだろう。
検索流入を増やすだけのコンテンツマーケティングは成功しない
読者価値を上げブランド価値を向上させる (CONTENT MARKETING LAB)
コンテンツマーケティングを行うにあたっては、やはり検索エンジンからの流入を増やしたいところだ。しかし、流入を増やすことばかりに目が行くと、同時に弊害も起きるようだ。
こちらのインタビュー記事では、ウェブ編集者によるそうした現実と対策を紹介している。
はてなが運営する「週刊はてなブログ」のウェブ編集者である毛利氏は、次のように述べたそうだ。
ウェブのメディアでは、検索順位やページビューといった指標はあるものの、テクニカルな手法である程度上げることもできる。だからこういった指標が高いからといって、読者の満足度も高くなるとは限らない
同メディアなどでは以前、はてなブログで人気の記事をピックアップする指標の一つとして、各投稿への検索流入数も考慮していた。サイトへの集客を計る上で、最も一般的な指標の一つだ。
「しかしそれではノイズがたくさん混じってしまい、お薦めできない投稿も数多く出てきた」(毛利氏)。
これでは読者を満足させるレベルの投稿を届けることはできない。そう危惧した毛利氏は、投稿をピックアップする基準から検索流入数を除いた。定量的な指標ではなく、はてなブックマークのコメントやソーシャルシェアをはじめとする定性的な指標や、コンテンツの目利きである編集者による評価をより重視することにした
「検索数の多さは、必ずしも面白さを担保してくれないということを学んだ」と毛利氏は振り返る。
現在は次のような思想のもとにコンテンツ運用しているとのこと。
読者価値を上げる試みは効果が出るのに時間がかかるが、やれば多くの読者に好かれるメディアになってファンが増える。メディアのブランド価値の向上につながる
まったくそのとおりで、検索トラフィックを増やすことだけを目的とする取り組みはコンテンツマーケティングではない。グーグル社員のこんな格言を前回紹介した。
楽しませ、情報を与え、役に立つことを提供する
コンテンツマーケティングの本質もこれに尽きるだろう。ユーザーに好かれブランドを構築できるコンテンツを作りたい。
ちなみに、元記事では続いて「検索流入だけではニーズ顕在客しか取れない」として、サイト訪問ユーザーを、
- 検索から来る、ニーズが顕在化していて短期間でコンバージョンする客
- 検索するほどはニーズが高まっていない段階の客、または情報を検索する発想になっていない客
に分けて分析し、施策に反映したトピックも紹介されている。
そこでも、コンテンツマーケティングに関して次のようなアドバイスがされている。
「現在のコンテンツマーケティングは、バズマーケティングのような起点特化コンテンツを主語として語られることがある。確かに瞬間最大風速もコンテンツには必要。しかし集客から収益の最大化までのシナリオを描き、コンテンツがそのシナリオの中で果たす役割を明確にしないといけない。それが出来ないために予算を取れないプロジェクトも多い」(床尾氏)。
きつい言い方になるが、ユーザーシナリオを可視化できないのであれば、コンテンツマーケティングをやめたほうがいい
こちらも参考になる情報だ。
パンくずリストが使えない場合は? サイト閉鎖時の手続きは? グーグル社員によるQ&A
今までにはなかった質問が多い (ウェブマスター オフィスアワー)
グーグル社員が主催するウェブマスター向けオフィスアワーの11月の回を紹介する。おなじみの長山氏と田中氏、金谷氏が一般のサイト管理者からのさまざまな質問に答えている。
今回出た主な質問は次のとおりだ。
- ccTLDのターゲット国の指定方法(hreflangの正しい使い方)
- URL削除リクエストの種類
- パンくずリストが使用できない場合
- 検索エンジンがアクセスできないページからのリンクやアクセスが与える影響
- サイト閉鎖時の手続き
- キュレーションサイトに対するグーグルの扱い
- サイトの改善点の指摘
今までのオフィスアワーには出なかったような、おもしろい質問も多い。録画もあるので、チェックしておこう。
日本語のURLとアルファベットのURLはどちらが検索エンジンに見つけられやすい?
どちらも同じ (グーグル ウェブマスター ヘルプフォーラム)
グーグルの公式ヘルプフォーラムでこんな質問が投稿された。
下記、3パターンだと検索エンジンのロボットがみつけにくい、または正確に判断できない可能性があるものはどれでしょうか?
日本語じゃダメなのですかね?
・A
http://sample.jp/apple/おいしいリンゴランキング/.html・B
http://sample.jp/apple/delicious-apple-ranking.html・C
http://sample.jp/apple/oishiiringoranking.html
検索エンジンの「URLの発見」という観点に絞っていえば、英数字であっても日本語であっても違いはない。常連メンバーがアドバイスしているとおり、同じ扱いだ。
一方、ブラウザのアドレスバーや検索結果で表示されるURLという観点でいえば、日本語で内容を示しているURLのほうが、たいていの日本人にとってはわかりやすいだろう。
だが実際には日本語は英数字・記号に変換される(ドメイン名はPunycodeに、パス名はURLエンコードされる)。その結果、日本語URLはかなり長く、しかもまったく意味不明の文字列になってしまうことがほとんどだ。
- 表示されるURL
http://example.jp/おいしいリンゴランキング.html
- ブラウザなどが実際に扱っているURL
http://example.jp/%E3%81%8A%E3%81%84%E3%81%97%E3%81%84%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B4%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0.html
URLが長くなりすぎないように文字列の途中で切り詰めるようなシステムもあるが、その場合、日本語で表示されたときにもわかりづらくなってしまう。また、システムによっては正常に処理されないこともある。
SEOだけで考えればどちらでも構わないが、見た目や利用するシステムとの兼ね合いで決めるべきだ。
男性と女性はどちらがスマホで買い物する? 30代と40代はどちらがPCで買い物する?
性別・年別でコンバージョン時のデバイスを比較してみた (ヤフー マーケティングソリューション ブログ)
SEOではなく広告をトピックにした記事を取り上げる。ヤフーが実施した、スマートフォン向け広告の調査データだ。
調査は「スマートフォン広告をクリックしたあとに、どのデバイスでコンバージョンしたか」を、スマートフォンのユーザーの性別・年代別によってどのように異なるのかを調べたものだ。
注目すべき点として、次の結果を挙げている。
【スマートフォンで広告をクリックした後、スマートフォンでコンバージョン】
・男女共:若い世代ほど、スマートフォンでコンバージョンに至る比率が高い
・20~30代:女性の方がスマートフォンでコンバージョンに至る比率は高い【スマートフォンで広告をクリックした後、PCでコンバージョン】
・男性:30代から40代にかけて大幅にPCによるコンバージョンの比率が高い
・女性:40代から50代にかけてPCによるコンバージョンの比率が高い
若い世代のほうがスマホでコンバージョンする傾向にあり、年代が上がるとPCのほうが高くなるというのは、確かにそうだろうと思う。筆者はネット通販を(かなり)頻繁に利用するが、スマホで購入することはめったにない。しかし、買いたいものの調査はスマホでよくする。最終的に買うときにはPCを使うのだ。
「スマホで調べてPCで買う」という行動は、一般的に、スマホのコンバージョン率が低いと言われる理由の1つであろう。
なんにせよ、性別や世代によってコンバージョン時のデバイスに違いがあるというデータは、広告だけに限らずサイト運営全般の情報として知っておいて損はないだろう。たとえば若い女性向けのビジネスであれば、スマートフォンでのフォーム入力は再優先で洗練させる必要があるかもしれない。
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