営業マン・店員など“顧客に接するスタッフならでは”のソーシャルメディア活用はコレだ!
現場スタッフは、ソーシャルメディアにいかに取り組むべきか?
ウチの営業スタッフに、Twitterの使い方を教えてほしい
チェーンで展開している店舗スタッフに、ソーシャルメディアの活用方法をマスターさせたい
最近、そんなご要望が立て続けにありました。
企業のソーシャルメディア活用において、「企業の公式アカウントをどう運用するか」という点は重要ですが、それに加えて、「現場の人間がソーシャルメディアをどう使うか」も、大切なポイントです。お客様にもっとも近い現場スタッフがソーシャルメディアを活用することで、得られるメリットは大きいでしょう。
とはいえ、「さあ、今日からTwitter使ってバリバリ営業するぞー」というわけにはいきませんよね。プライベートでは好き放題つぶやいていても、仕事となれば身構えてしまうものです。
私自身はそもそも、不動産の営業をしていたときに「ネットでラクに営業をしたい」という不純な動機から、ブログやソーシャルメディアを触り始めました。今は、そのノウハウを人様にお伝えしているわけですが、こうした自らの経験をもとに、今回は、次のことをお話しします。
現場スタッフは、いかにソーシャルメディアに取り組むべきか
大きくは以下の3つです。
- 「好きなこと」をテーマにソーシャルメディアをやってみる
- 「何の専門家なのか」をアピールする
- たまには「宣伝」も
もし「自分もやってみたい」という方がいらっしゃったら、100%結果出せますので、ぜひ私に言ってください(だいぶスパルタですけど)。
同じ悩みを持つ管理職のあなた。ぜひ、今回の記事を、営業スタッフや店舗スタッフに回覧してください。
あと、直接お話しした企業のご担当者さまも、わかりやすくまとめましたのでもう一度見てみてください(笑)。
「好きなこと」をテーマにソーシャルメディアをやってみる
私のもとに配属された新人が最初にやる仕事は、「Twitterアカウントを作る」ことです。まあ、ソーシャルメディアコンサルタントという職種に就こうと思っている人間が、Twitterをやっていないことは、ほぼありません。だいたいが配属される前から、個人でTwitterアカウントを持っています。
でも、運用してほしいのは、単なる個人のアカウントではありません。何か1つのことをテーマに日々情報を発信したり、リアルでは会ったことがないフォロワーとコミュニケーションをとったりするためのアカウントを新たに作ってもらうわけです。
このとき、テーマは何を選んでもいいのですが、1つだけ条件を付けています。それは、次のことです。
そのテーマについての話題なら何時間でも喋ることができる
1つのテーマについてどんどん情報を発信し、その種のビッグニュースがあれば感想を書き、他のユーザーとコミュニケーションをとる――そうしたやりとり自体が苦になるようでは継続できません。なので、まず「好きなこと」をテーマに練習するのです。
- スポーツ好きなら、好きなチームのファンアカウントを作る
- カラオケが好きなら、1人カラオケの様子を動画で公開する
- 地方出身なら、「◯◯(地域名)出身が東京に来たときあるある」ネタなどを発信する
などなど、テーマややり方はなんでもいいですが、とにかくどんどん発信し存在感を高めることが、もっとも大切な要素なのです。楽しくなるだけなってインフルエンサーになってしまい、まったく現場の業務に還元されていないケースもありますが(苦笑)。
「好きなこと」を仕事にする難しさも
ただしこれ、副作用もあります。
ある1つのテーマを前面に押し出してブランディングすると、現場でもいろいろなことが起こります。
たとえば野球好きアカウントをやっていると、ある日突然「今日チケット余ってるんですけど、一緒に行きませんか?
」といったお誘いが、会ったこともない人から来るようになります。
グルメアカウントをやっていると、「ウチの店に来てレビューしてもらえませんか? 辛口でもいいので!
」とお店から招待されることもあります。
これはこれで、アカウントを運用しているメリットだと言えます。しかしこの段階で感じていただきたいのは、こうした表面的なメリットではなく、以下の5つです。
- ソーシャルメディアで影響力を持つにはどうするか、試行錯誤してみること
- どんな情報を発信すると他ユーザーが反応するのかを、理解すること
- 他のユーザーとコミュニケーションをとればとるほど、信頼されること
- 情報を発信する人ほど、情報が集まること
- 「ソーシャルメディアは楽しい」ということ
特に5つ目が大切です。ソーシャルメディアは、仕事でやらされるものではなく、楽しく使うものだということを知ると、ソーシャルメディアのなかでどう振る舞うべきかを理解できます。
「何の専門家なのか」をアピールする
ソーシャルメディア内での振る舞いを(なんとなくでもいいので)理解できたところで、いよいよ営業向けのアカウント運用がスタートします。
前述の「ソーシャルメディア運用の助走」をやっていたかどうかで、営業向けのアカウント運用の違いが出ます。
ソーシャルメディアに関して何の予備知識もなく、営業用アカウントの運用をスタートすると、「お得な物件が出ました!」「◯◯(商品名)好評販売中です!」など、宣伝みたいな投稿ばかりになってしまいます。
しかし、「自分の好きなこと」アカウントで助走を終えた現場スタッフなら、「宣伝投稿ばかりのアカウントはクソおもしろくない」と肌で感じているので、こうはなりません。
とは言え、あいさつしたり今日のランチをアップしていても、さすがに現場のビジネスには結びつきません。そこで発信するべき情報は、「現場ならではの、専門家だからこそ発信できる情報」です。
不動産の営業なら、
- プロ視点で見る物件選び
- 現場スタッフだけが知っている北向き物件の魅力
- 賃貸か分譲かどっちがお得?
といったネタを、リアルな現場で見て感じることをそのまま、ソーシャルメディアのフィードに流すのもいいでしょう。化粧品の店舗なら、鉄板ネタとして、
- 実際に使ってみたお客さまの使い心地の評判
- 具体的な商品名を盛り込んだ、正直な感想やレビュー
- 現場の人気商品ランキング・急上昇ランキング
などでしょうか。
自分のお店で取り扱っているブランドだけでなく、他社ブランドも使ってみて「これ、意外とええやん♪」と投稿したりすると、公平感が出て信頼度もアップするでしょう(他社の動きも参考に勉強してることを、暗に伝えられますしね)。
ただし、絶対にやってはいけないことがあります。
それは、自分が現場に詳しいプロであることをアピールしようとして「私は○○のプロです」「○○については、私が日本一詳しいです」「私はインフルエンサーです」のように書くことです。
そもそも、ほんとうにスゴイ人ならば、自分でそんなことを言わなくても他人が勝手に評価してくれます。自分で言ってしまうと、見ている人は「他人が言ってくれないから自分で言うしかないんだな」と感じてしまいます。
自分が現場に詳しい専門家であることを「プロです」と言わずにアピールする方法は、いくらでもあります。試行錯誤してみてください。
ちなみに、わたくし、遠方や海外に仕事で行くと、必ずInstagramに画像を投稿します。これ、「遠くてもどこでも駆け付けます」というアピールですので、いつでもお声がけを(笑)。
ソーシャルメディアをうまく活用されている営業さんやスタッフさんは、ソーシャルメディアで見せているキャラクターと普段の振る舞いが変わらない方が多いです。ソーシャルメディアでファンから質問があったとき、それに対する回答がとても自然なのです。
理由を聞くと、こんな答えが返ってきます。
いつもお客様とお話ししてる感覚でやってるんですよ
専門家であることをアピールし続けていると、お客様(潜在的なお客様も含みます)から意見を求められたり、投稿内容に対して質問されたりするようなことがでてきます。
そういった場合には、構えてガチガチの文章で返信するのではなく、いつもお客様と話しているように、あるいは仲の良いお客様とLINEしてるような感覚で、自然に返してみてください。交流の場であるソーシャルメディアのタイムラインでは、そのほうがお客様も喜んでくれるものです。
たまには「宣伝」も
とはいうものの、ビジネス目的でやってるわけですから、普通の宣伝投稿も織り交ぜましょう。
その際の表現方法や文言などは、広告と同じ考え方で大丈夫です。
考えてほしいのは、宣伝投稿の「頻度」です。
朝から晩まで宣伝投稿ばかりしてるアカウントがあったら……あなたなら、たぶんフォローを外しますよね。これは、典型的な「ソーシャルの特性を理解していないひと」が運営しているアカウントです。ソーシャルメディアを「広告媒体」としか見ていないわけで、やらないよりはマシかもしれませんが、それなら、しっかりと経費をかけて広告を発信したほうが、成果は上がります。
専門家であることをアピールしたり、他のユーザーとコミュニケーションをとったり、ときにはまったくビジネスに関連しない内容の投稿をしたりしつつ、そのなかに「宣伝」を織り交ぜるようにしてください。
毎回毎回宣伝されると、見てる人は「また宣伝や、うぜっ」と思います。でも、いつも絡んでたり役立つ情報を発信したりする人がたまに宣伝すると、「あ、あのひとこんな仕事してるんや」と思うものです。
もちろん、「こんな仕事してるのね」がビジネスに直接つながるとは限りません。
しかし、「うぜっ」と感じられるのか、記載した内容をストレートに読んでもらえるのかでは、印象は雲泥の差ですね。
そして何が起こるのか
今回は、営業マン・店員など“顧客に接するスタッフならでは”のソーシャルメディア活用の方法を解説してきました。
こうした運用を行っていると、リプライやメッセージなどで質問が飛んできたり、問い合わせがあったりした際に「いつもTwitterでみています」とか言われるケースが出てきます。
営業や接客では、まずお客様のココロの壁を取り除くことから会話が始まります。すでにソーシャルメディアで自分のことを知ってくれているお客様との会話が、そのプロセスにおいておおいに有利となります。
たとえば、商談の最初にお客様からこんなことを言われたら、どうでしょうか。
Twitterで見ました。このあいだタコヤキ食べてましたよね! わたしもあのお店よく行くんですよ!
営業を経験したことがある人なら、これが、どれだけのメリットかわかるでしょう。
ソーシャルメディアの活用ポテンシャルを秘めた現場スタッフが、ごく身近に潜んでいるかもしれません。ぜひ一度、あなたの企業でも取り組んでみてはいかがでしょうか?
田村でした。
ニューノーマル時代のEC & D2C戦略
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