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検索意図から考える「SEOに効く」特集ページの作り方。「クリスマス特集」をもう1つ作りませんか?

アイテム別の特集ページだけでなく、「何を買えばいいかわからない」ユーザー向け特集ページも追加してみましょう。ここでは「クリスマスプレゼント」を例にします。

ECサイトなどにおけるコンテンツの新しい切り口として、SEOに効いて検索ユーザーの役に立つ「検索意図に応える特集ページ」の作り方を解説する。

クリスマスなどの季節系、イベント系のキーワードは「何を買えばいいのだろう」と悩んで検索しているユーザーも多い。そうした検索意図のユーザーをガッチリと捕まえるコンテンツの作り方だ。

siraanamwong/istock/thinkstock
siraanamwong/istock/thinkstock

多くのECサイトのクリスマス特集ページはアイテム別に作られており、「だいたい何を買うか決まっているユーザー」向けのものが多いように感じます。たとえば次のような内容です。アイテム別で1ページ特集するような形ですね。

クリスマスプレゼント特集 > アクセサリー・時計

しかし、「何を買えばいいのだろう」とまだまだ悩んでいる、いわゆる「インフォメーショナルクエリ(何かしらの情報や答えを探している検索)」のユーザーも、「クリスマスプレゼントを買う」ということ自体は決まっているので、コンバージョンを期待できるユーザーと考えてよいのです。

アイテム別の特集ページとは別に、「クリスマスプレゼント」に関連する検索ワードからユーザーの意図をくみ取ってもう1つのクリスマス特集を作ってみませんか? ここでは、実践編として検索意図の調べ方から実際のコンテンツに落とすまでの考え方を紹介します。

「クリスマスプレゼント」を検索するユーザーの意図とは?

パートナーにプレゼントを買う際の検索行動を想像してみてください。たとえば、購入アイテムが「腕時計」などと決まっていたとしたら、「腕時計 女性」「ブランド名」などと検索しませんか? わざわざ「クリスマスプレゼント」と入れたりはしません。

そのため「クリスマスプレゼント」と検索するユーザーの多くは「何を買っていいかわからない」「アイテム選定における提案が欲しい」といった意図を持っているのではないかと推察できます。

こうした意図を推察するために、何か参考にできるものはないでしょうか。次の図は、検索キーワードをハブとなるトピックごとにまとめた「サジェストネットワーク」といわれるもので、こうした意図の推察に役立ちます。

検索キーワードをトピックごとにまとめたサジェストネットワーク図
検索キーワードをトピックごとにまとめたサジェストネットワーク図(※MIERUCAのサジェストネットワーク機能より)

ツールを使わなくても、グーグルのキーワードプランナーなどのキーワードサジェストツールとマインドマップを使って代用することも可能です。詳しい使い方は第2回の記事を参照してください。

マインドマップを使って手動でキーワードをまとめた例。図の意味は同じ
マインドマップを使って手動でキーワードをまとめた例。図の意味は同じ

手動で整理する場合はキーワードの文字列ではなく、検索意図別にまとめると理解しやすくなります。

検索行動を見ると、ハブとなっているのは「相手が誰か」「どんな人か」というキーワードが多いことがわかります。その他にも、予算に関する情報収集や予算別の商品を探している傾向が見られます。

この結果から、検索流入を狙った第二のクリスマス特集を作るならば「プレゼントの相手別おすすめ特集がいいのではないか」と考えられます。

彼氏へのプレゼント、社会人と学生で検索

では、彼氏のクリスマスプレゼントに悩む女性はどのようなことを考えているのでしょうか? 検索回数の多いものとして、「社会人」「中学生」「大学生」などのキーワードが見られます。

キーワード月間検索回数
クリスマスプレゼント 彼氏55,167
クリスマスプレゼント 彼氏 社会人2,667
クリスマスプレゼント 彼氏 中学生650
クリスマスプレゼント 彼氏 手作り533
クリスマスプレゼント くれない 彼氏433
クリスマスプレゼント 大学生 彼氏233
クリスマスプレゼント 時計 彼氏233
クリスマスプレゼント なし 彼氏233
クリスマスプレゼント 靴下 彼氏183
クリスマスプレゼント 財布 彼氏183
クリスマスプレゼント 手作り 彼氏183
クリスマスプレゼント マフラー 彼氏183
クリスマスプレゼント 中学生 彼氏150
クリスマスプレゼント 手袋 彼氏150
クリスマスプレゼント 年上彼氏150
「彼氏」のワードを含むサジェスト結果

表を見ながら検索ユーザーの気持ちを想像してみてください。「社会人」と検索する人は、自分は社会人じゃないかもしれませんね。学生である彼女と社会人の彼……そんなカップルなのではないでしょうか?

ここで、Q&Aサイトの掲示板で「彼氏へのクリスマスプレゼント選び」で悩んでいる方の書き込みも見てみましょう。Q&Aサイトは「ユーザーの視点」の宝庫です。Q&Aサイトで何回も出ているワードを拾ってみると、次のようなものが見つかりました。

出現回数ワード文章の内容
9ブランド付き合って1年そこらでこんなブランド物の財布をおねだりするのは、一般的にやはりずうずうしいんでしょうか。
セカンドバッグなんですけど、この3点で30代の男性に人気のあるブランドって何でしょうか。
2社会人はじめまして。私は19歳で大学生なんですが、付き合って4か月になる20代後半の社会人の彼氏へのクリスマスプレゼントで悩んでいます。
Q&Aサイトの掲示板に書かれていた内容をワードごとにまとめた表

学生や社会人など、相手の年代や職業を考慮して「合うものを選ぼう」と悩んでいる姿が見えます。そのため「彼氏へのクリスマスプレゼント」の特集は、相手が「社会人」「中高生」「大学生」といった相手別の特集がよいでしょう。それに加え、「手作りを」と考えている人も多いので「手作り」の特集もあるとよさそうです。

彼女へのプレゼントは相手別に加え「ランキング」など人気度を重視

一方で、彼女へのクリスマスプレゼントは彼氏へのプレゼントと違い、対「学生」の検索回数が多いことが特徴です。また、相手に合わせるというより、世間的に人気があるものの「ランキング」に頼ろうとしている傾向が見られます。この点から、職業(学生・社会人)別に加えて人気ランキングを作ると効果的なコンテンツになるということがわかりますね。

キーワード月間検索回数
クリスマスプレゼント 彼女37,000
クリスマスプレゼント 彼女 高校生2,167
クリスマスプレゼント 彼女 ランキング2,167
クリスマスプレゼント 彼女 大学生1,667
クリスマスプレゼント 彼女 社会人533
クリスマスプレゼント マフラー 彼女433
クリスマスプレゼント 財布 彼女283
クリスマスプレゼント 大学生 彼女233
クリスマスプレゼント 中学生 彼女233
「彼女」のワードを含むサジェスト結果

子どもへのクリスマスプレゼントも相手の性別・年代別

子どもへのプレゼントも彼氏・彼女のときと同様に、子どもが男の子か女の子か、また小学生なのか中学生なのかなど、子どもの年齢に合わせたプレゼントを探そうとしていることがわかります。

性別・年代別でおすすめプレゼントを紹介するようなコンテンツを作ると、検索流入を見込めそうです。

キーワード月間検索回数
クリスマスプレゼント 女の子4,000
クリスマスプレゼント 男の子2,167
クリスマスプレゼント 子供 女の子2,167
クリスマスプレゼント 小学生 女の子1,667
クリスマスプレゼント お菓子1,467
クリスマスプレゼント 子供 男の子1,200
クリスマスプレゼント 中学生 女子1,200
クリスマスプレゼント 小学生 男の子983
クリスマスプレゼント 子供 人気800
クリスマスプレゼント 女子650
クリスマスプレゼント 2歳 女の子650
子どものワードを含むサジェスト結果

他に気になるワード「予算が1000円以内」?

サジェストキーワードで、他にも気になるキーワードを発見しました。「1000円」「500円」など、安価でかつ「ぽっきり価格」を検索しているユーザーの存在です。

キーワード月間検索回数
クリスマスプレゼント 1000円2,667
クリスマスプレゼント 500円1,667
クリスマスプレゼント 友達 1000円800
クリスマスプレゼント 3000円800
クリスマスプレゼント 2000円800
クリスマスプレゼント 1000円以内650
クリスマスプレゼント 5000円533
クリスマスプレゼント 1500円433
クリスマスプレゼント 千円350
クリスマスプレゼント 500円 子供350
価格のワードを含むサジェスト結果

どうして価格を入れて検索するのでしょうか? この検索意図を考えてみましょう。ここでは「共起語」から探ってみることにします。共起語とは、そのキーワードと一緒に頻繁に使われる単語のことです。

次の表は、共起語を調べてコンテンツに含まれるトピックを集めたものです。左側が「クリスマスプレゼント 1000円」をキーワードとした場合の検索結果、右側がQ&Aなどの掲示板への書き込みから拾ったものを入れています。

検索結果Q&A掲示板
出現回数ワード出現回数ワード文章の内容
96おすすめ8予算-
27ギフト7-
57アイテム2セット安いものは500円せず他に何をセットにしていいかわからず
112誕生日-
5交換4彼氏-
12誕生日5職場-
565前半-
29子供3男の子4歳の男の子へのクリスマスプレゼントは何が喜ばれますか
28女性3その際犬用のものを買いますか
43友達3友達-
29税抜2ハンドクリーム-
11おすすめアイテム4男女-
13名前2子供-
13男性1ハンドタオル-
13グッズ3自分-
14サイズ3年齢-
4交換用3皆さん皆さんだったら何にしますか
64予算3文房具文房具以外でも何かよい案があれば教えてください
14商品3文房具以外でも何かよい案があれば教えてください
51出典3サークル-
共起語とQ&Aサイトの書き込みを拾った表

ここではMIERUCAの共起語ツールを使って調べましたが、他にも同様の調査が可能な共起語ツールがあります。

表の中で気になるトピックに色を付けてみました。他のクリスマスプレゼント関連キーワードと同様「プレゼントを贈る相手が誰か(女性・男性・子ども・友達など)」に加えて、「交換」「ギフト」「職場」「サークル」など、特徴的なキーワードも目に入ります。

このことから、1,000円や500円のプレゼントは、パーティーでのプレゼント交換用や職場やサークルなどで配るプレゼント用として検索していたということが読み取れますね。確かに、パーティーでのプレゼント交換では価格が決まっていて、その条件のもとで準備する必要があります。

そのような検索意図・ニーズを満たすコンテンツも用意してあげると、ユーザーの期待に応えることができます。予算が決まっているユーザーに対して、「ラッピング代込みで1,000円ぽっきり」などのアイテムを集めて、価格を重視したコンテンツを作りましょう。

検索ニーズ別の特集サイトマップを作成する

検索ニーズから必要なコンテンツがわかってきました。それをもとにサイトマップを作ります。検索意図が近いものは同じページにしても大丈夫なのでまとめていきます。また、月間検索回数が少なくペルソナが近いものは1ページにまとめましょう。筆者は次の図のようにしてみました。

検索ニーズから作ったサイトマップ。これをもとに特集ページの構成を考える
検索ニーズから作ったサイトマップ。これをもとに特集ページの構成を考える

「クリスマスプレゼント+(相手)」と検索するユーザーは「何を買えばいいのか悩んでいるインフォメーショナルクエリのユーザー」だと想定すると、いきなりアイテムをすすめるページでは検索意図とずれてしまいます。「なぜそのアイテムがおすすめなのか」きちんと根拠をつけて語ってあげることが必要です。

たとえば「アンケート結果から喜ばれるアイテムはこれ」「プレゼントコンシェルジュや恋愛のプロが選ぶ絶対外さないアイテムはこれ」といった記事を作り、そこからアイテム一覧へ誘導するようなコンテンツもいいですね。

検索意図を反映した構成案を作成する

どのような特集ページを作るか決まったら、いよいよ構成案を作っていきましょう。昨今のグーグルは検索結果でのクリックやコンテンツの精読率などを一部、検索順位を判断するスコアとして捉えていると推測されています。「いかにペルソナになりきって検索ユーザーの気持ちを考え、閲覧者の心に刺さるコンテンツを作るか」。検索からの流入を狙うなら、これが集客力あるコンテンツを作る秘訣です。

「社会人の彼へのクリスマスプレゼント特集」構成案の例

「クリスマスプレゼント 彼氏 社会人」と検索する高校生~大学生くらいの女の子になりきって考えてみましょう。相手は年上の社会人。いくらお金を使えばいいのかが最も大きな悩みのようです。

キーワード月間検索回数
クリスマスプレゼント 彼氏 社会人2,667
クリスマスプレゼント 社会人283
クリスマスプレゼント 予算 社会人233
クリスマスプレゼント 社会人 予算50
クリスマスプレゼント 社会人 彼氏33
「彼氏」や「社会人」を含むサジェスト結果

その悩みに答えるべく、アンケート結果から平均予算を示して、その後おすすめアイテムを紹介します。せっかくアンケートを採るなら、その機会を活用して「彼女からのクリスマスプレゼント・サプライズでうれしかったエピソード」も収集してアイテム紹介の下部に追加しましょう。

検索ニーズをもとにすると通常の特集ページとは異なる構成になる
検索ニーズをもとにすると通常の特集ページとは異なる構成になる

「クリスマスプレゼント 彼氏 社会人」と検索する彼女は、おそらくその彼と初めてのクリスマスを過ごすのではないでしょうか。「社会人彼氏のうれしかったこと」エピソードは、きっととても役立つコンテンツになり、読み込んでもらえる内容になると筆者は考えます。

起承転結の役割が基本

このようなお役立ちコンテンツを実際に作るときに考えることは、起承転結の役割です。今回は次のように設計しました。

  • 起=注意喚起 (直帰率を下げる、下へスクロールさせる、心をつかむ)
    ⇒平均予算を教える
  • 承・転=実用HOWTO (滞在時間を延ばす、別ページへ誘導する)
    ⇒ランキング結果・アイテム選び
  • 結=結論やおまけコンテンツ (さらに滞在時間を延ばす、サイト自体を気に入ってもらう)
    ⇒エピソード集

他のページもこのように検索意図からストーリーを作って、ユーザーが読んで価値を得られ、その後の購買行動に結びつくようなコンテンツを設計しましょう。読者が熟読してくれるコンテンツは、検索エンジンからも評価されます。ユーザーニーズを満たすことが、コンテンツの役割を果たすだけではなく集客力にも大きく影響します

ユーザーの気持ちになって感じたことがオリジナルコンテンツを生む

このように検索意図からコンテンツを設計していると「上位のコンテンツと似通ってしまう」という相談をされることがあります。確かに検索ワードだけを見て設計すると似通ってしまいそうですが、別の視点からアプローチすれば、自分ならではのオリジナルコンテンツを作ることもできます。

いったん、コンテンツを作る側の気持ちを忘れて検索ユーザーの気持ちになってみてください。その検索ユーザーと自分のペルソナがかけ離れている場合でも心配ありません。Q&Aサイトや掲示板でユーザーと同じキーワードで検索してお悩み相談をいくつか読んでみるとユーザーの気持ちがわかってきます。そのうえで検索エンジンの検索結果と、ヒットするコンテンツをゆっくり見てみてください。

「ユーザーが本当に知りたいことは何か?」を考える

筆者はこのコラムを執筆するために、「クリスマスプレゼント 彼氏 社会人」と検索して上位コンテンツを読んでみました。すると、まとめ系のキュレーションサイトが多くヒットし、根拠のないおすすめをしてきたり、アンケート結果といいながらN数や調査日を書いていなかったりするコンテンツが多くあることに気付きました。あるいは「50選」などとうたって単に商品を並べたようなページばかりで、「彼に何をプレゼントすればいいか」という結論を出せなかったのです。

価値あるコンテンツは、読んだ人に次の行動を起こさせるものです。そこで、Q&Aサイトでの相談内容から「彼と初めてのクリスマスだったら何が知りたいだろう」と考え、エピソード集を組み込むことを考えつきました。

実際に「クリスマスプレゼント 彼氏 社会人」と検索しそうなユーザーの声を拾うことで、他社が書いていないコンテンツを思いつくことができます。このように自分が考えた「本当に価値があるコンテンツ」を組み込めば、オリジナル性の高いコンテンツを作ることができます

検索意図を調査して「勝てる」第二の特集を作る

  • Q&Aサイト・掲示板などでユーザーの気持ちをリサーチする
  • ユーザーの気持ちになって検索結果のコンテンツを読んで何を感じるか考えてみる

コンテンツを設計する前に、この2つの行動を必ず行ってください。そうすれば、より検索意図に応えるコンテンツを設計することができます。

クリスマスだけでなく、「バレンタイン」「誕生日」などのイベント系のキーワードや季節系のキーワードでも、提案型のコンテンツが向いているものは多く存在します。「検索意図を調査して第二の特集を作る」ことで新しいユーザーと出会えるはずです。既存の特集ページに加えて新しい提案の特集を追加し、「勝てるコンテンツ」を作りましょう。

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