GA4最前線コラム

【GA4キャッチアップ】2024年4月以降の主要なアップデートをご紹介します!

Googleアナリティクス4(GA4)について、2024年4月~2025年3月の主な新機能・変更点をチェック。

【この連載について】
この連載では、「1週間でGoogleアナリティクス4の基礎が学べる本」を執筆されているウェブ解析士のみなさん(GA4アベンジャーズ)を中心に、初心者が引っかかりがちな疑問・トラブル解決の基礎知識から、知っておきたい役立ちノウハウ、解析の設定事例、個々の機能解説、最新のホットな話題までをお届けします。

今回は、株式会社Task it代表取締役である佐々木秀憲さんによる解説です。

【今回のポイント】

  • 2024年5月7日:保存済みの比較
  • 2024年5月20日:Googleスプレッドシートにエクスポートする
  • 2024年5月28日:レポートの日、週、月の単位を切り替える
  • 2024年5月31日:レポートをメールで即座に送信する
  • 2024年6月12日:[ユーザー獲得]と[トラフィック獲得]のキーイベント率の指標
  • 2024年9月3日:レポートの機能強化
  • 2024年11月14日:離脱クリックの更新
  • 2025年1月21日:プロパティ間でレポートとデータ探索をコピーする
  • 2025年3月20日:アノテーション
    など
佐々木

Googleアナリティクス4(GA4)の新機能や変更点をまとめてご紹介。今回は2024年4月~2025年3月の主要な新機能アップデートをまとめています。

GA4の変化を今回も追います!

前回の記事から、ちょうど1年近くが経ちました。この1年も順調にアップデートが進み、待ち望んでいた機能が実装されたりしています。

ということで、毎年恒例(になるか?)アップデート主要項目解説をしていきたいと思います!(あくまで、筆者視点で「これは!」というもののみのご紹介ですので、すべてを網羅はしていませんので、ご了承ください)。

ちなみに、本記事執筆時点でなぜか2024年の新機能紹介が見られないので、ぜひ当記事で主要な機能をご確認ください。

参照元Googleアナリティクスの新機能 - アナリティクス ヘルプ
https://support.google.com/analytics/answer/9164320
参照元最新情報(2019~2023年)- アナリティクス ヘルプ
https://support.google.com/analytics/answer/13420269?hl=ja&ref_topic=13420477&sjid=7799835347252935484-NC

2024年5月7日:保存済みの比較

いままで、レポートを閲覧するたびに毎回作成しなければならなかった「比較」がついに保存できるようになりました。これで、よく使うものは一度作成すれば呼び出すだけになったので、日々のレポート閲覧の手間が削減されました。

詳細はこの後で解説しますが、近しい機能として「セグメント」も一度作成すれば保存・呼び出しができるようになりました。

2024年5月20日:Googleスプレッドシートにエクスポートする

“非常に地味で便利”な機能追加ですが、それまでCSVやPDFでしかダウンロードできなかったレポートのデータを、Googleスプレッドシートにエクスポートできるようになりました。

提出用レポートでグラフなどキレイに作るためにCSVダウンロードをし、(筆者がMacユーザーというところもありますが)文字コード変換をしてExcelで開いて……という手間がなくなりました。きっと、喜んでいるユーザーも多いはずでしょう。

2024年5月28日:レポートの日、週、月の単位を切り替える

非常にシンプルな機能ですが、今となっては懐かしいユニバーサルアナリティクス時代にすでにあった機能が、やっと戻ってきました。

1年間など長い期間のデータを見る際、日単位でしか見ることができず傾向が掴みづらかったのですが、無事、週・月と期間を変更できるようになりました。

2024年5月31日:レポートをメールで即座に送信する

こちらも、以前のユニバーサルアナリティクス時代にはあったがなくなってしまっていた機能の1つです。

タイトルの通り、今見ているレポート(標準レポート、カスタムレポート)を、メールで共有できます。レポートはPDFかCSVで送れます。

2024年6月12日:[ユーザー獲得]と[トラフィック獲得]のキーイベント率の指標

おそらく多くの人が手動対応していたものが、デフォルトで表示されるようになりました。

ほとんどの方が当たり前に「各流入元ごとに、キーイベント率(旧コンバージョン率)を見て、どの流入元がキーイベントにつながりやすいか」を分析すると思います。ユーザーやセッションの流入元ごとの結果を確認する「ユーザー獲得レポート」や「トラフィック獲得レポート」は、Googleアナリティクス4のリリース当初からありましたが、キーイベント率が、デフォルト状態では指標の項目に入っていませんでした。

ただ、この項目自体は編集権限を持っているユーザーであれば編集できますので、必要な方はすでに自分で変更済みだったかもしれません。もちろん、どのキーイベントに対してのキーイベント率なのかは、キーイベント名を選択できるようになっています。

2024年9月3日:レポートの機能強化

いくつかの機能強化がまとめて告知されましたが、なかでも影響の大きい「グラフに表示」機能をご紹介します。

現在レポートを見ると、ディメンションの各項目のところにチェックボックスがあり、デフォルトでは上から5つが選択されています。

そして、このチェックが入った5つの項目が、上部の折れ線グラフのレポートに表示されています。たとえば、Organic SearchとPaid Searchの推移を比較してみたいと思ったときに、5つすべてが表示されていると、見づらくなりますが、以下のように、折れ線グラフに表示したいものだけにチェックを付けて「グラフに表示」をクリックすると、見たいデータだけをスッキリと表示できます。

2024年10月17日:保存したセグメント

冒頭、似たような新機能「保存済みの比較」でも言及していましたが、ついにセグメントを保存・呼び出しできるようになりました。

セグメントは、リリース当初から引き続き「探索レポート」でしか使えませんが、こちらも比較と同じように、「コンバージョンしたことがあるユーザー」「コンバージョンに至ったセッション」のように、頻繁に使うセグメントであっても、新しい探索レポートを作成するたびに都度新規作成する必要がありました。

先ほどの比較では、レポート画面から実際に比較を設定する画面キャプチャをお見せしました。セグメントも、もちろん同じように探索レポートのセグメント作成画面から作成・保存・呼び出しができますが、今回は管理画面でも作成・保存・削除などができますので、そちらの画面をご紹介します(比較も管理画面から作成・保存・削除可能)。

「管理画面>データの表示>セグメント」を選んでください(1つ上に、比較もあります)。

以下の画面で、作成・保存・削除が可能です(システム作成のセグメントの削除は不可)。

2024年10月28日:ベンチマーク

こちらも、ユニバーサルアナリティクスにはあって、GA4になかった機能の1つです。プロパティ作成時に、業種業界や会社規模を選ばなければならなかったので、いずれベンチマーク機能が出るのだろうと思っていましたが、ついに実装されました。

ベンチマークが使える場所は限られていて、「ホーム」画面のみとなります。ホームの概要カードで、右側のマーク(メダル?何マークと言えばいいのか、難しいのですが…)をクリックし、ベンチマークをオンにします。

同業他社をどんなカテゴリにするかも、選択が可能です。

その上で、見たいベンチマークの項目を、概要カードのプルダウンで選択すると、同業他社の範囲・中央値を確認できます。

ベンチマークが確認できる項目は、以下ヘルプを参照ください。

参照元[GA4] ベンチマーク - アナリティクス ヘルプ
https://support.google.com/analytics/answer/13771577?hl=ja

なお、ベンチマークを利用するためには、管理画面で、[モデリングのためのデータ提供とビジネス分析情報] の設定を有効にしておく必要があります。

2024年11月14日:離脱クリックの更新

こちらは、新機能として紹介されていますが、もともとあった機能の定義が変わったという内容です。場合によっては追加対応が必要となる更新です。

GA4から新しく登場した機能の1つに「拡張計測機能」というものがあり、こちらが設定でオンになっていることで、「PDFなどのファイルダウンロード」「ページの90%スクロール」などが、自動的に計測できるようになっています。

その拡張計測機能のなかに「離脱クリック」計測という機能があり、公式の説明では「Googleアナリティクスが設定されているサイトのドメインから、別のドメインに飛ぶリンクがクリックされたときに記録されます」となっていたのですが、実際には「<a href="tel:03-0000-0000">03-0000-0000</a>」のような、いわゆる「telリンク」も計測されていました。

しかしながらこの更新より、厳密に離脱クリックの計測のみに変わりました。「電話番号のクリック数を、計測できていたからちょうどいいや!」と離脱クリック計測で済ませていたら、Googleタグマネージャーなどを使い、きちんとtelリンクがクリックされた際の計測を設定するようにしてください。

2025年1月21日:プロパティ間でレポートとデータ探索をコピーする

ここから、2025年に入っていきます!これも待ち望んでいた方多かったのではないでしょうか。ついにレポート(カスタムレポート)や探索レポートを、プロパティをまたいで使えるようになりました。

自社の分析をやっているだけであれば特に支障はなかったかもしれませんが、コンサルなどで顧客サイトを分析する場合、今までは各顧客のGA4ごとにレポート作成をする必要がありました。しかし、この新機能で一度どこかの顧客のGA4でレポートを作ったら、他の顧客(GA4プロパティ)でも使えるようになりました。

使い方は簡単で、探索レポートを例にしますが、別のプロパティで使いたい探索レポート名の、右側三点リーダをクリックし、「プロパティ間でコピー」をクリックします。

すると、コピーしたいプロパティを選択する画面が出てくるので、該当のプロパティ名右側の「プロパティにコピー」をクリックすると、コピーが完了します。

2025年3月12日:Googleアナリティクスのレポートの表の割合値

そろそろ懐古厨っぽくて嫌なのですが、こちらも今は昔、ユニバーサルアナリティクスにはあって、GA4でなくなって地味に困っていたものの1つです。そう、とっても地味なのですが、意外となくて困っていた表示(次に紹介する機能もまったく同じ状態なのですが…)。

この部分のことです。

計算すればいいだけの話なのですが、毎回やるとなると地味に面倒。自分で分析するだけなら、数字だけでもだいたいの比率はイメージできるので良いのですが、レポートをするとなると数だけでなく率も必要になります。新機能で、表示してくれるようになったので、毎回計算せずに済んで時短になりますね。

2025年3月20日:アノテーション(メモ機能と言ったほうが伝わるかもしれません)

はい。予告どおりユニバーサルアナリ…(以下略)。これも、ないと地味に困る機能でした。以前は「メモ機能」と呼ばれていたので、この名称の方が「あ~、あれね!」となる人も多いのではないでしょうか。

そして、新機能紹介では「アノテーション」というタイトルになっていますが、GA4画面上では「メモ」となっているので、翻訳の表記ゆれの気もしてきたので、ここでは「メモ機能」と呼びます。

サイトを運営・運用していると、「広告を始めた」「サイトをリニューアルした」「SNSで紹介されてバズった」「キーイベントの定義を変えた」など、大きく数値が変動するような出来事が起こることもあると思います。

こういったものは、ちゃんとレポートで調べてみたり、当時の担当に聞いたりしたらわかるものもあると思いますが、「この日こんなコトがあったよ」と、注釈をつけられれば問題解決ですよね。それができるのがメモ機能です。

使い方は簡単。まずは、折れ線グラフのあるレポートで、メモを追加したい日付にカーソルを合わせ、右クリックをします(次の画面で日付調整できるので、細かいカーソル操作が面倒な方は適当な日付でもOK)。

右クリックすると、「メモを追加」という選択肢が出るので、クリック。

メモ内容の編集画面が出てくるので、記録しておきたい内容を記入し、保存します。以前は、色の選択などはなかったので、進化していますね。

これで、無事メモの追加ができました。折れ線グラフを見ると、メモのアイコンが追加されています。日付にカーソルを合わせると、メモの内容も確認できます。

また、レポート右上のメモアイコン(付箋のようなアイコン)からも、メモの確認や追加・削除が可能です。

番外編(2025年4月~5月頃に確認)

おそらくこれはUIの変更ということで、新機能には載らなそうな気がしているのですが、管理画面のキーイベント設定画面が大きく変わっています。以前のままのプロパティも確認できているので、徐々に変更されている最中のようですが、旧来の管理画面では、以下のように「イベント」と「キーイベント」というメニューがありました。

しかし、最近では「イベント」しかないプロパティが増えてきています。「キーイベント」メニューがあった頃は、イベントメニューでキーイベントとして記録したい新規イベントを作成し(もしくはGoogleタグマネージャーなどで)、そのイベント名をキーイベントメニューで登録していました。

イベントメニューしかない現在では、下図のように(ちょうど説明が出ていました)、キーイベントにしたいイベント名の横の★マークをクリックして★を付けたものがキーイベントになる、という仕様になっています。

また、カスタムイベントを新規作成する場合は、最初から「キーイベントとしてマークをつける」というトグルスイッチがあり、登録時点からキーイベントにすることが可能です。

特定のPV(例:ThanksページのPV)を別イベント名でキーイベント登録したい場合は、「コードなしで作成」を選択すると、条件設定ができます。また、たとえばGoogleタグマネージャーで設定したイベントをキーイベントにしたい場合は、「コードを使用して作成」を選ぶことで、登録が可能です。

個人的にも、告知もなくいきなり画面が変わって戸惑ったところだったので、参考になれば幸いです。

まとめ

さて、ということで2024年4月~2025年3月までの主要な新機能アップデートをご紹介して参りました。また1年後、アップデートをお届けできることを楽しみしております。

ウェブ解析士協会のGA4講座のお知らせ

一般社団法人ウェブ解析士協会ではウェブ解析の初心者でもわかりやすい「Googleアナリティクス4講座」を開講しています。約3時間の講座でハンズオンでGA4を学ぶことができます。Googleアナリティクス4の導入からレポーティングまでを網羅した講座となります。GA4をいちから学んでみたい、体系的に学んでみたいという方はぜひお申し込みください。

用語集
Googleアナリティクス / PV / SNS / UI / クロール / コンバージョン / コンバージョン率 / セッション / タグ / ダウンロード / チェックボックス / リンク
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