これからのデータ分析に臨む際に必要な心構えとは?

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これからのデータ分析に臨む際に必要な心構えとは?

ではどのような準備をして、どのような視点でGoogleアナリティクスを使っていけばいいのだろうか? 山浦氏が2018年以降のデータとの向き合い方について解説した。

まず、取る。「Measurement First」

何よりも計測対象のデータをきっちり取ることです。これまでのようにタグを貼るだけでは取れないデータが増えてきます。新しい分析に取り組むためには、データを「使える」環境を作ることが何よりも大事です。(山浦氏)

データを活用しようにも、データ自体を正しく取れていなければ何も始まらない。山浦氏は「Measurement First」という言葉を掲げた。

「Measurement Frst」は去年の資料の再掲。その重要性は今年も変わらない
「Measurement Frst」は2016年の資料の再掲。その重要性は今年も変わらない

これは2016年のセミナーでも掲げられた言葉だ。どんなに腕のいい料理人がいても、食材がなければ料理は作れない。データを正しく取る環境を整えるだけで半年から1年かかる企業もあるという。

必要なデータは「顧客の購買行動」と「顧客の生涯価値(LTV)」の2つだ。顧客の購買行動はカスタマージャーニーを利用する。顧客の生涯価値は、長期的な視点で購買行動を追う必要がある。

ユニークな顧客が短期と長期でどう行動するか。もともとマーケティングはそういう観点をもって行うものなんですが、その本質に技術とプラットフォームがやっと追いついたということです。(山浦氏)

「顧客の購買行動」と「顧客の生涯価値(LTV)」の2つのデータが必要
「顧客の購買行動」と「顧客の生涯価値(LTV)」の2つのデータが必要

データを統合・加工して価値を高める

「データの価値を高める」という視点も大切です。取ったデータをそのままにしていてはダメ。つないで、加工して、整えることでデータの利用価値を高めていくことができます。(山浦氏)

同じユーザーデータでも、広告の人はターゲティングの視点で見て、制作の人はパーソナライズの観点で見る。CRMの人はワントゥーワンの視点で見る。山浦氏は「別々に分析していても、本来は1人の人。グーグルはこれを統合しようとしている」と説明する。バラバラになっているデータを使えるように統合・整理することで、データそのものの価値を高められるわけだ。

ユーザーデータは「集める」だけでなく「価値を高める」こともできる
ユーザーデータは「集める」だけでなく「価値を高める」こともできる

3つのデバイスと、3か所に分断したデータを統合する

ユーザー行動は、スマートフォン、タブレット、PCのデバイスごとに分かれます。そしてデータも広告のデータ、Webサイトのデータ、CRMのデータに分かれています。これらをかけ合わせると非常に複雑で、現状どれだけデータの分断が起きているのかということです。(山浦氏)

広告、Webサイト、CRMは、データだけでなく組織も分けられているケースが多い。組織が異なれば、KPIや目標も異なる。「大変だが、これを統合していく必要がある」と山浦氏は語る。

3つの「Data Silos(データ分断)」。別々に溜められたデータの統合が必要
3つの「Data Silos(データ分断)」。別々に溜められたデータの統合が必要

データの統合を実現する方法の1つとして挙げられたのが、Googleアナリティクス360の「データインポート」機能だ。たとえばCRMデータをGoogleアナリティクスにインポートし、ユーザーリストを作成してAdWordsで広告を配信するといった連携ができる。

広告の人が最近やっと重い腰を上げて、「WebやCRMのデータを使いたい」と声を上げてきました。実際にそういうオファーも増えてきています。「分断されていたデータを統合しよう」という機運が高まっているのを感じます。(山浦氏)

◇◇◇

とはいえ、これだけ多彩なデータが複雑に絡み合ってくると、完ぺきなシステムを設計してデータを取得するのは簡単なことではない。その影響はマーケティング部門だけではなく情報システム部門にもおよび、根本からデータ設計を見直さなければならないケースもあるだろう。

しかし、グーグルをはじめとするデジタルマーケティングのプラットフォームは、ユーザーデータを統合的に扱う方向に着実に進みつつあり、そのスピードは速い。そのときになって「使えるデータを持っていない」という事態に陥らないよう、自社データの扱いを見直すタイミングに来ているといえる。

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