Tableauで「直帰率」「クリック率」「コンバージョン率」を正しく求めるには #9
前回まで、ディメンションで名前を変更したりグループ化したり計算式を使ったりしてきました。今回は、「直帰率」や「クリック率」、「コンバージョン率」などを計算フィールドで作る方法を解説します。
Tableauで取り込んだ「〇〇率」は注意が必要!
木田: Tableauで取り込んだ「直帰率」や「クリック率」、「コンバージョン率」などの値をそのままTableauのメジャーとして利用すると、異なる値が表示されて、問題が起こります。
四谷: どういうことでしょう?
木田:たとえば「テニスシューズのページの表示回数が600回でクリック数が30回、クリック率が5%」「サッカースパイクのページの表示回数が400回でクリック数が40回、クリック率が10%」というデータ(下図)があったとします。
キーワード | 表示回数 | クリック数 | クリック率 |
---|---|---|---|
テニスシューズ | 600 | 30 | 5% |
サッカースパイク | 400 | 40 | 10% |
木田: これらを合計すると「ページの表示回数が1000回でクリック数が70回、クリック率が7%」とならなければいけません。しかし実際には、クリック率も合計された15%となってしまうんです。
キーワード | 表示回数 | クリック数 | クリック率 |
---|---|---|---|
テニスシューズ | 600 | 30 | 5% |
サッカースパイク | 400 | 40 | 10% |
合計 | 1000 | 70 | 15% |
つまり、テニスシューズのクリック率とサッカースパイクのクリック率を単純に足し算してしまっているわけです。
5%(テニスシューズのクリック率)+10%(サッカースパイクのクリック率)=15%
四谷: では、[表示回数÷クリック数]を計算フィールドで作ればいいということでしょうか?
木田: 惜しいです! 表示回数が1行しかない場合は、その計算式で構いません。しかし、たいていの場合、複数行の計算をします。ですから正しくは、[表示回数(の合計)÷クリック数(の合計)]という計算式を作らなければいけないのです。つまり次のような計算式を作らなければいけません。
sum([クリック数])/sum([表示回数])
四谷: なるほど。
木田: この手順を守っていれば、たとえば個別の項目を削除・追加しても、ちゃんと正しい結果が保たれます。あと余談ですが、sumを使わない計算は「行レベル計算」、sumを使う計算は「集計計算」と言います。
木田: 直帰率とコンバージョン率の出し方を記載しておきましょう。こちらを参考にメジャーを作成しておくといいでしょう。
パーセンテージの小数点の桁数を変更する
木田: パーセンテージの小数点の桁数を調整する方法を紹介しましょう。たとえば、直帰率の小数点を2桁にする場合は、[直帰率]のピルを右クリックして、[規定のプロパティ]→[数値形式]とクリックしてください。
木田: すると、既定の数値形式のプロパティが表示されるので、小数点の桁数を2桁にして、[OK]してください。すると小数点第2位まで表示されるようになります。
四谷・二村 おー!
木田: 今回は、ここまでです。〇〇率と書かれたものをそのままTableauのメジャーで利用すると異なった値が計算されるので、その解決方法を紹介していきました。
次回は、Tableauのさまざまなグラフ表現を学びます。利用できるグラフの種類を学ぶと同時に「どのようなときにどのようなグラフを利用すべきか?」を紹介していきます。
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