引っ越しのサカイはなぜパンダ? グッズ販売やCMにいつ出始めたのか
トラックやダンボールだけでなく、テレビCMでも見かけるサカイ引越センターの公式キャラクターに取材したパン! 公式キャラクター歴なんと50年! でも今まで名前が無かったパン!!
名前が無かった理由や生まれたきっかけなど、総務部広報課主任の嶋田和代さんにお話を聞いてきたパン!
本連載ではWeb担当者Forumの公式キャラクター「ウェブパン」が、キャラクターを上手く活用している企業の担当者にインタビューし、キャラクターの設定や活用のコツなどについてインタビューします。
CMで再注目! 50周年を迎え、会社の原点を伝える
トラックやダンボールのパンダだけじゃなくて、最近はCMでもよく見かけるサカイ引越センターのパンダさんにインタビューしたパン! 名前が無かったってホントだパン?
「まごころパンダくんシリーズ」のテレビCMは2019年秋から放映を開始して、現在第3話まであります。実は、これまでキャラクターには特に名前がついていませんでした。
ええ!? かなり昔からあるような……いつ生まれたパン?
1971年の創業まもなく誕生したと言われています。最初はダンボールに少しあしらわれる程度で名前はもちろん、設定も特にありませんでした。50年近くサカイ引越センターの顔として活躍してくれているパンダなので、お客様のなかでそれぞれのイメージがあるんじゃないか? と考えて、名前をつけていなかったんです。でも、このCMを機に『まごころパンダ』という名前をつけました!
どんな目的で、このシリーズCMにまごころパンダを使おうと思ったんだパン?
これまでいろいろなCMを流してきて、「サカイ引越センター」という名前は皆さんに覚えていただけるようになりました。でも、意外と「前回利用した引越会社」を覚えていらっしゃる方が少ないんですよね。調査によると3割以上の方が「利用してよかった」と思っても、どこの事業者だったかは覚えていないようで……。そこで「引越のサカイといえばパンダ、パンダで引越といえばサカイ」と強くストレートに印象づけたいと考えました。
確かにインパクトがあったパン! リアルなパンダになっていて、驚いたパン。
キバやツメなんかもあって、もしかしたら近くで見るとちょっと怖いかも(笑)。でも、しばらく見ていると、だんだんなじんできて、こういう同僚がいるような気になってくるから不思議なんですよ。イラストのパンダはかわいらしくてシンボル的な役割でしたが、CMのパンダは役者さんと一緒にいても違和感がないように、リアリティを重視しました。第3話は、ロボットやAIなど、ちょっぴり世相を反映した内容になっています。
従来の「引越」のイメージを変えるのに貢献
どうしてキャラクターを使うようになったんだパン?
当時の引越は、親戚縁者が手伝って行うもので、引越業者を利用することが少なかったのです。また「引越業者」というと、ちょっと荒っぽい男性が多いイメージでしたし、他人が家の中に入ることを嫌がる人も多かったんです。
そこで、「まごころこめておつきあい」をモットーに、スタッフの教育を徹底。「荷物をただ運ぶ」のではなく、「ご家財に込められた思い出も大切に運ぶ」を体現したものが、まごころこめた挨拶や接遇などの教育であり、身だしなみや制服です。シンボルマークとして親しみやすいキャラクターが生まれたのです。
どうしてキャラクターに「パンダ」を選んだんだパン?
女性や子供たちに好きになってもらいたいという想いから、パンダが選ばれたようです。引越作業の細かい打ち合わせは、奥様などとやりとりすることが多く、親しみやすいようにパンダにしたんですね。1970年代といえば上野動物園にパンダのランランとカンカンがやってきて一大ブームの真っ最中だったので、同じように愛してもらえる企業を目指して、パンダをキャラクターにしたんです。
キャラクターは、最初からこのデザインだったんだパン?
最初はもっと細面だったり、劇画風だったりとデザインが違いました。だんだんと変化して1990年代に「勉強しまっせ、引越のサカイ♪」というCMを流した頃は、今のデザインに定着しました。その頃にはダンボールを差し上げるサービスもはじめていたので、ダンボールにパンダがあしらわれるようになりました。現在も、引越が終わっても「かわいいから」とストレージとして使われている方も多いと伺っています。
パンダの力はやっぱりすごいパン!
「安心して引越ができる」というのは本当に大切なことだと思います。以前、先輩からこんなふうに言われたことがあります。「知らない人にすべてての家財道具を委ねるなんて、よほどの信頼がなければできないこと。それを任せていただけるのは、企業としての信頼とサービスがあるからだよ」と。
お客様に安心してお任せいただくために、サービス向上や接遇などあらゆることを意識して改善し続けてきました。でも、やっぱり他人が家に入るというのはどうしても緊張しますよね。そんな、お客様の緊張をゆるめる存在として「まごころパンダ」がお役に立てればとても嬉しいです。
「パンダといえばサカイ」を伝えるグッズも販売
主にどんなところで、まごころパンダさんは活躍しているんだパン?
やっぱりトラックとダンボールが一番目立つと思っています。
確かにお家の前にパンダのトラックが停まっていたら、「あっ、サカイで引越してる!」って思うパン。パンダのダンボールが運ばれているのも目立つパン。
作戦成功ですね(笑)。そして、スタッフのユニフォームやキャップにもパンダのマークがあって、“隠れパンダ”として靴下の甲の部分にもいるんです。スタッフが「よろしくお願いいたします」と玄関から部屋にあがったら、靴下パンダが現れるという。この仕掛けはお客様にも喜んでいただけています!
引越のスタッフさんって、体格の良い人が多いイメージがあるパン。そんなムキムキお兄さんたちの足にかわいいパンダ……。ギャップがおもしろいパン(笑)。
新居に上がらせていただく際には、必ず新しい靴下に履き替えるようにしています。どうしても作業中には汚れてしまうので、新しいお家には汚れを持ち込まないように気を付けているんですよ。
気遣いがうれしいパン〜! デザインもインパクトがあって、欲しがる人も多そうだパン。
そうなんです! 実はお客様からの「購入したい」という声に応えて商品化したら大人気で。現在はエコバックやエプロン、ステンレスボトル、モバイルチャージャーなども作っちゃいました。
専用のWebサイトで販売もしているんだパン?
グッズ専用Webサイトという訳ではないんです。弊社には引越の際にまとめて家電などが購入できる「パンダセレクションズ」という通販サイトがあるんです。サカイ引越センターのグループ会社が運営していて、その中でキャラクターグッズも販売しています。パンダグッズは、いろんな部署から若い世代が参加してアイデア出しをしながら、少しずつ点数を増やしています。
どこかの部署でキャラクター自体やその商品を管理するというわけではないんだパン?
商品企画は、一番お客様に近い人たちが考えたほうがいいアイデアが出ると思いますし、特に若い世代の方がおもしろいものを作れると思っています。なので、広報では出てきたアイデアに大きな問題がない限り、OKを出しています。普段の仕事とは異なるイレギュラーな仕事ではありますが、この活動を通じて社員も「まごころパンダ」を好きになってくれているみたいです。実際、自費で購入したパンダグッズを使っている人を社内で見かけることも多いんですよ。
お客様だけでなくて、社員にも人気だなんて、パンダはやっぱりすごいパン。
満を持してSNSにも登場! 時代に合わせて活躍の場を拡げる
みんなに愛され、CMにも登場している「まごころパンダ」さん! キャラクターの効果や貢献度はどうやって測定しているんだパン?
特に目標もKPIも定めていません。広告塔というより会社のスピリットを体現している存在なので、コスト換算するのも違和感がありますしね。CMやダンボール、トラックを見て子どもたちが「パンダの引越屋さんだ!」と喜んでくれたり、社章がパンダだと気づいてくれたりするだけでも、十分ブランドイメージに貢献していると思うので、無理に数値化する必要はないと思っています。
まごころパンダさんの価値は、プライスレス……。ウェブパンもそんなキャラクターになりたいパン。
そうですね。もしかすると社名よりも「パンダの引越屋さん」の方が浸透しているかもしれません。それだけ貢献してくれているということです。
今後、「まごころパンダ」というキャラクターを、どう活用していこうと考えているパン?
「まごころパンダ(@magokoro_panda)」のSNSが11月からスタートしました。実は以前、広報という部署はなかったんです。数年前に部門ができて、今は3人で運営しています。創業50周年でもありますし、様々なことにチャレンジしていきたいとも思っています。
まごころパンダさんが、ついに話しはじめるパン?
どうなるでしょうね(笑)。個人的には「まごころパンダ」が引越のコツを教えてくれる動画なんておもしろいんじゃないかと思うんですが、ここもぜひ若い世代のアイデアを反映して行きたいと思います。
WEBサイトもリニューアルしたばかりですが、キービジュアルとして「まごころパンダ」を登場させました。「パンダ 引越」などで検索されることもあり、CMの効果もWEB上で実感しています。そうしたメディアミックスでの露出や効果測定も徐々に考えていきたいと思っています。
ダンボールやトラックに始まり、グッズやCM、SNSなどへと、時代とともに活用の場が広がっていることがよくわかったパン。会社が一番大切にしている「まごころ」を象徴する役割だけはぶらさず、あえて細かい設定を作らない方法もありなんだパン。本日は、ありがとうございました。
撮影:吉田浩章
ソーシャルもやってます!