SEOのリンク構築にB2Bマーケの手法が効く? リードジェネレーションやナーチャリングに学べ!(前編)
SEOのリンク獲得は、B2Bマーケティングの「リードジェネレーション」「リードナーチャリング」といった手法を活用することで、よりうまくいく。
「CRM」「アカウントベースドマーケティング(ABM)」なども取り入れた、成果につながるリンクビルディング術とは?
みなさんのリンクビルディングはどれくらい効果を上げているだろうか。きっとこんな答えが返ってくることだろう:
もっと効果の上がるリンクビルディングがあればいいのだが……
企業のオーナーや経営陣と毎日のように話をしているが、自社のリンクビルディング戦略に満足している人には1人も会ったことがない。
どこもリンクを必要としているが、リンク獲得はどんどん難しくなってきている。
どうすればいいのか。
リンクビルディングに対する考え方を変えなければならない。
リンクビルディングとリードジェネレーションの類似性
企業のマーケティング戦略において、いつの場合も本当に大切なのは1つだけ、つまり「販売(セールス)」だ。
しかし、その最終目標にだけ集中していたら、たいした成果は上げられない。顧客が最終的に購入に至るまでには、最大で8回のタッチポイントが必要になるようだ。
- 0日目:最初のタッチポイント
- 14日目:2回目のタッチポイント
- 21日目:3回目
- 25日目:4回目
- 27日目:5回目
- 28一目:6回目
- 29日目(朝):7回目
- 29日目(午後):8回目
最終的な販売にばかり集中していると、顧客の購入を後押しするこうしたステップを逃すことになる。
当たり前の話に聞こえるかもしれないのでこの話はこれまでにするが、わたしが言いたいのは、マーケターは最終的な販売だけ見ているわけにはいかないということだ。その間にあるもの、つまり「知らない人」と「購入者」のギャップを埋める第2の指標が必要なのだ。
「リード(見込み客)」という考え方はここからきている。つまり、見込みのある/潜在的な/将来の顧客として考える知り合いだ。
- 「知らない人」から「リード」までの道のり
は、
- 「知らない人」から「購入者」までの道のり
よりも短く、はるかに予測しやすいい。また、ひとたび訪問者からリードになれば、その人に合わせた、はるかに有効な方法で働きかけができるようになる(メール、Facebookを使ったリマーケティング、ウェブサイトのパーソナライズなどで)。
これがリンクビルディングとどう関係するのか
リンクビルディングでもマーケティングでも、最終的なゴールが明確にあることは同じだ。
- リンクビルディングで求めるもの = リンク
- マーケティングで求めるもの = 販売
そして、マーケティングで最終目的である販売に集中しすぎると動きが取りにくくなるのと同じように、リンクビルディングも最終目標だけに集中すると動きが取りにくくなる。
最近のリンクビルディングでは、メールを送り、その後に自動的なフォローアップをするだけで済ますことがほとんどだ。リンクビルディングに「リードジェネレーション」の段階がない。あるのは「リンクがあるかないか」の報告だけだ。
だから、このやり方はそこで破綻している。
リンクビルディングでも、ブロガー、パブリッシャー、編集者などのすべてに対し、(メール以外の手段による)複数のタッチポイントが必要だろう。さらに言えば、こうした相手は、狙っているウェブサイトの本当の意思決定者ではないかもしれない。
リードジェネレーションの手法をリンクビルディングに応用すれば、はるかに良好な結果を得られるだろう。そして、こちらのほうが重要なのだが、そうした結果を受けて、(リンク獲得の前段階である)リードの獲得が増え続けるだろう。
B2Bマーケティングのリードジェネレーションの手法をリンクビルディング戦略に適用するには
1. コンテンツ制作の前に、まずリンク獲得のリードを明確に定義する
これは、B2Bマーケティングで成果重視のデータ戦略と呼ばれている方法だ。要するに、戦略を策定しようとする前に、達成したいもの(成果)を正確に把握する必要があるということ。
しかし悲しいことに、こういう考え方をリンクビルディングに適用する例は、ほぼ見たことがない。
普通のリンクビルディングはこうだ:
コンテンツチームが、すばらしいコンテンツアセットだと考えるものを作る。
そのアセットに関心をもつ可能性が高いウェブサイトオーナーをアウトリーチチームが調べ、アウトリーチを開始する。
ここでは2つのチームがバラバラに動いている。
これを逆にするとどうだろうか:
あるトピックについて、どんなコンテンツがリンクを集めているのかを、アウトリーチチームが実例を添えてコンテンツチームに示す。次のようなデータから情報を得ることになるだろう:
- プロスペクト調査
- 現在や今後のトレンド
- これまでのアウトリーチキャンペーンのデータ
コンテンツチームがアウトリーチチームと協力し、そのトピックで既存のものより優れたコンテンツを作る。
その際、両チームはそのトピックの専門家に連絡して意見を求めるなどして、実際のコンテンツ制作にリンク獲得のリードを巻き込む。
アウトリーチチームが、制作の前に調べた連絡先にコンテンツを届ける。
リンクビルディング機会の種類によって、リンクしてもらいたいアセットに独自のフォーマットや切り口が必要になる。例を挙げよう:
リソースをまとめたリストからのリンクの場合 ―― リストにある既存カテゴリにあてはまる記事、ギャップをうまく埋める記事、あるいはリンク切れした既存コンテンツに代わる記事になるようにする。
インフルエンサーや専門家からのリンクの場合 ―― こうしたインフルエンサーには、記事を公開する前に連絡を取り、発言(意見)を記事に取り入れる。インフルエンサーは自分が取り上げられているとリンクしてくれる可能性が高まる。
仲間や友人からのリンクの場合 ―― あらゆる場所で相手をフォローし、日常的にやりとりするようにする。「リードナーチャリング(リード育成)」だと考えよう。長期的な関係を作る可能性を増やすのだ。
人気ブログ記事からのリンクの場合 ―― 執筆者やサイトの編集者を調べ、ソーシャルメディアでやりとりを開始する。記事に対するコメントを書いてもらえないか依頼を検討する。
リンクビルディング調査に従ってコンテンツを作れば、その後は積極的なアウトリーチをしなくても継続的にリンクが得られる、非常に成功したキャンペーンになるだろう。
2. リンク獲得のリードを整理する
すでに述べたように、リンクビルディングの最終目標はリンクの獲得だ。しかし、最終的にリンクに至るまでに必要なタッチポイントの数はリードによって異なってくる。また、得られるリンクの数は多いほうがいい。
そこでリードナーチャリング(リード育成)の出番だ。
B2Bのマーケターがさまざまな方法を使ってリードを「温め」て販売へ近づくのと同じように、リンクビルディングでも、こちらのアセットを忘れないでいてもらうためにリードへのアウトリーチを続けていくと、得られるリンクの数が増える。
いまアウトリーチのツールを使っているなら、リードナーチャリングの一部はそれでやれるだろう(プロジェクトの複雑さと予算次第だが、PitchboxとLink Hunterはどちらも良いツールだ)。どのアウトリーチのソリューションでも最低限やるのは次の2つだ。
- 送信した全メールの保存
- メールの日付と状況のアップデート(返信/不達/フォローアップ)
以上で十分だとするリンクビルディングチームが多いのだが、さらに踏み込み、CRM(顧客関係管理)の手堅いアプローチを用いることをわたしはおすすめする。次のようなものが加わることになるだろう。
- 各リードの詳細なプロフィールの作成(サイト、コラム、ソーシャルメディアのプロフィールなどを含む)
- ソーシャルメディアでの働きかけ(広告や手作業によるアウトリーチ)
もっとやりたければ、うまく体系化されたCRMの戦略をリンク獲得のリードに適用できる。手始めとして、CRMの主な種類をしっかり比較したページがある。そして、リードジェネレーションとリードナーチャリングのプラットフォームを使うと、リンクビルディングのプロスペクトを整理したりモニタリングしたりできる。
リンク獲得のワークフローを設定し、フォローアップなどその一部を自動化することが可能だ。すべての進捗を完全に把握できる。
この記事は前後編の2回に分けてお届けする。後編となる次回も今回に引き続いて、リードジェネレーションの戦術をリンクビルディングに活かす方法について説明する。→後編を読む
ソーシャルもやってます!