これは便利! コアウェブバイタル改善に役立つ3つのツール【SEO情報まとめ】
コア ウェブ バイタル(CWV)、そろそろ改善しなきゃだけど、どこからどう手を付ければいいのやら……そんな風に悩んでいるあなたに、サクっと使える便利なツールを3種類、紹介する。
間もなく検索順位に反映されるCWVを、少しでも把握して改善に役立てよう。
ほかにも、「有料リンク、マジでヤバい、グーグルが何と言おうが」「SEOやるならこう考える」などなどなど、SEOに携わる人なら読んでおいて損はない、原理原則から最新情報、TIPSまで、今週もまとめてお届けする。
- 「有料リンクは無効化されるだけ、害はない」を信じるとひどい目に遭う
- SEOに成功するための3つの思考
- サイトリニューアルはランキングに影響するのか?
- コアウェブバイタルは全体的に改善傾向
- CSSで読み込む画像をグーグルはインデックスしない
- 空っぽのカテゴリページはnoindex? ソフト404?
- より多くのGMB項目を検索結果から編集可能に
- ウェブストーリーとは?
- グーグル検索で使いたい便利な新ショートカットキー
- ついに!Search Consoleが正規表現をサポート
- Google Product Review Update: 深く掘り下げたレビューコンテンツをより高く評価するアルゴリズム更新
今週のピックアップ
これは便利! コアウェブバイタル改善に役立つ3つのツール
どれもお手軽海外情報
コア ウェブ バイタル(CWV)の改善に便利なツールを3つ紹介する。
いずれも「そのときのCWV数値」を確認するフィールドデータ調査ツールで、実行するたびに数値が変わるものだ。改善のための情報を集めたるには便利なはずだ。
Chromeデベロッパーツール
Chromeのデベロッパーツールで今開いているページのコア ウェブ バイタルの各指標をオーバーレイで表示できる。Chrome 90で実装された機能だ。
手順は次のとおりだ。
デベロッパーツールを開く
コンソールドロワーを開く(デベロッパーツール下部の枠、[ESC]キーで表示を切り替えられる)
コンソールドロワーの3点ドットのメニューからRenderingを選んで、Renderingタブを表示させる
RenderingタブでCore Web Vitalsにチェックボックスを入れる
これで、ブラウザのページ表示部分右上にコア ウェブ バイタルの指標がオーバーレイとして表示される。簡易的にコア ウェブ バイタルを調査するのに便利だ。
ブックマークレット
デベロッパーツールよりもさらに手軽なのがこのブックマークレットだ(Chromeや新EdgeなどのChromium系ブラウザでのみ有効)。
こちらのページにある「Show Web Vitals」のボタンをブラウザのブックマークバーにドラッグ&ドロップして追加する(このブックマークがブックマークレットになる)。
コア ウェブ バイタルを調べたいページでブックマークレットをクリックすると、ブラウザウィンドウの左下にそのページのコア ウェブ バイタルの通知が表示される。
このブックマークレットを作成したデイブ・スマート氏は、複数のURLのコア ウェブ バイタルを一括で取得するスクリプトをGitHubに公開している。デベロッパーに教えてあげて、コア ウェブ バイタル測定ツールを作ってもらうといい。
CLSアニメーション化ツール
CLS発生状況をアニメーションGIFで作成するツールもある。
URLを入力して[GENERATE]ボタンをクリックすると、画面描画がずれた場所を示すアニメーションGIFを作ってくれる(GIFはボタンの下に表示されるので手動でスクロールしないとわかりづらい)。
どの要素がどこにどんなふうに移動したのかが視覚的にわかるし、チェックボックスでモバイル版の表示も確認できる。
- CWV改善がんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
グーグル検索SEO情報
「有料リンクは無効化されるだけ、害はない」を信じるとひどい目に遭う(グーグルも公式に言及)
経験したからこその誠実な真実 (サイバーエージェントSEO情報ブログ) 国内情報
有料リンクの危険性について、サイバーエージェントSEOラボ研究室長の木村氏が熱く語った。
SEOスパムに対するスタンスとして、次のようなものをグーグルのジョン・ミューラー氏が発言していた:
- アルゴリズムで無効化する
- 積極的に順位を下げたり検索結果から削除したりすることはまれである
筆者も個人ブログでこうしたグーグルの見解を記事にしていたのだが、そうした状況を受けての木村氏からのウェブ担当者に向けた警告メッセージと言っていい。
過去にスパム行為に手を染めた経験があることを冒頭で包み隠さず誠実に懺悔したうえで、次のように警鐘を鳴らしている:
グーグルが何と言っていようが、企業や組織としてウェブのチャネルを使うならば、経験者としてリンクスパムは絶対に割に合わない。
次のように風に理解しているならば、考え直すべき:
無効化されるだけなら不正を働いてもマイナスになることはない。だったらやるだけやってみて効果が出たらしめたもの。スパムにはリスクなし。
その論旨は次のとおりだ:
日本では一時期リンクスパムが減っていたが、最近またリンクを大々的に販売するSEO会社が増えてきている。
そうしたリンク販売のセールストークで、前出のグーグルの見解が「今はグーグルに見つかっても効果がなくなるだけでペナルティはないから大丈夫」と使われかねない。
でも実際には「ほとんどが自動的に無効化」「ペナルティを受けることはまれである」であり、マイナス影響の可能性がゼロだとは言っていない。
目視で手動対策されたらかなり厳しいペナルティの可能性があり、一度そうなってしまえば実質的にはほぼ復旧不能となる。
リンクスパムに頼っていると、中長期的には高確率でそうした状況になる。
SEO会社で(表ではクリーンに見せているが実際には裏で)リンクスパムを扱っていたり、そうしたSEO会社からの提案でリンクスパムを検討したことがあったりする場合は、ぜひ元記事をしっかり読んでほしい。
木村氏の論旨はたしかにそのとおりで、グーグルの金谷氏も3月のオフィスアワーで同様のことを説明している。
「リンクスパムは単に無効化するだけでスパム対策の対象になっていない」という状況ではない。現在でも、リンクスパムは自動・手動ともにスパム対策の対象として扱われている。
「もし見つからなければOK、見つかっても無効化されるだけ」といったような、リンクスパムを利用するほうが得だという状況ではない。
とにもかくにも、スパム行為は見つかったときの代償が大きすぎるのだ。今日までは見つからなかったとしても明日見つかるかもしれない(アルゴリズムは日々進化している)。自分だけはスパム監視網をすり抜けられると思い込んではいけない。ウェブに資産を残すSEOに取り組んでほしい。
そして、そうしたリスクを誤魔化してリンクを売ろうとする業者にだまされないようにしてほしい。
- すべてのWeb担当者 必見!
SEOに成功するための3つの思考
気づきを得られる (松尾茂起(ウェブライダー)on note) 国内情報
SEOの具体的なアイデアをだすのに効く3つの考え方を、松尾茂起氏が記事に著した。松尾氏が強調する3つの考え方とは、次のものだ:
- Googleと一緒になって、ユーザーの役に立つ検索結果をつくろう
- Googleが検索結果で使いやすいように、自社コンテンツの情報をできるだけ【提供】しよう
- コンテンツだけに注目するのではなく、ソリューションにこそ注目しよう
この3つを次のようなトピックを焦点にして説明している。
- SEOという言葉の「意味」を丁寧に説明できますか?
- SEOとは、検索エンジンを攻略することではない
- 私たち検索ユーザーが検索する理由
- 私たちが求めているのは、コンテンツ以上に「ソリューション」である。
「なるほど、こうした心構えでSEOに取り組んでいけばいいのか!」という気づきを得られる良記事だ。ぜひ読んでほしい。
- すべてのWeb担当者 必見!
サイトリニューアルはランキングに影響するのか?
良くも悪くも影響しうる (John Mueller on Twitter) 海外情報
ECサイトのリニューアルを予定しています。レイアウト変更は現在のランキングに影響を与えることがありますか?
こんな疑問を、グーグルのジョン・ミューラー氏にツイッターで聞いたサイト管理者がいた。
ミューラー氏は次のように回答した:
もちろんだ。サイトに変更を加えたなら、時間がたてばその変更を検索は考慮に入れる。避けることはできない。
ただ多くの場合は、その変更を明確に考慮に入れてほしいはずだ(サイトを改善しているのだろうから)。
デザインを変更したなら、普通は、次のようなコンテンツも変えるだろう。
- 見出し
- タイトル
- 画像
- 内部リンク
- URL構造
- アクセシビリティ
- 表示速度
- など
どれもサイトの重要な要素だ。私ならすべてをコンテンツとみなす。
Sure -- if you change your site, search will take the changes into account over time. You can't avoid that, and in many case, you explicitly want the changes to be taken into account (for example, if you improve your site).
— 🍌 John 🍌 (@JohnMu) April 18, 2021
If you change design, you generally change the content: headings, titles, images, internal linking, URL structure, accessibility, speed, etc - they're all critical parts of a site and I'd consider them as content too.
— 🍌 John 🍌 (@JohnMu) April 18, 2021
サイトをリニューアルするときは、コンテンツそのものには手を加えないとしても、次のような点を変更することが多いだろう:
- コンテンツのレイアウト
- 内部リンクの構造
こうした変更は検索ランキングに影響しうる。良い影響を与えることもあるだろうし、悪い影響を与えることもある。
SEOを重視するのであれば、リニューアルに際してはデザイン性だけではなく、検索エンジンと相性が良いサイト構造にすることも忘れてはいけない。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
- デザイナーにも伝えましょう
コアウェブバイタルは全体的に改善傾向
ランキング要因の効果? (Chrome UX Report on Twitter) 海外情報
2021年3月のChromeユーザーエクスペリエンス レポートの集計データが公開された。約833万サイトの統計だ。
コア ウェブ バイタルの各指標は、ウェブ全体で次のとおりだ:
- LCPが良好のサイト: 49.01%
- FIDが良好のサイト: 89.66%
- CLSが良好のサイト: 51.84%
- 3指標がすべて良好のサイト: 24.81%
どの指標も2月よりも改善している(FID は誤差の範囲かもしれないが、前月の数値もかなり良かった)。
- LCP: 47.99% ⇒ 49.01%
- FID: 89.46% ⇒ 89.66%
- CLS: 45.99% ⇒ 51.84%
- すべて: 21.98% ⇒ 24.81%
6月中旬にコア ウェブ バイタルがランキング要因になることから各サイトが改善を進めているのだろうか(当初は5月を予定していたが6月中旬と発表された)。そうだとすると、グーグルの狙ったとおりウェブ全体でのUXが少し良くなっていることで、すばらしいことだ。
- CWV改善がんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
ソーシャルもやってます!